小梅日記

主として幕末紀州藩の学問所塾頭の妻、川合小梅が明治十八年まで綴った日記を紐解く
できれば旅日記も。

三月八日、三月九日 

2016-06-07 | 嘉永四年 辛亥日記

三月八日  
昼前に古岳が来るというので待っていたが昼過ぎ、おそおそに来た。
風呂を焚く。
清吉も話している。詩を作りおおいに遊んだ。
主人は詩を書いて古岳へ遣わした。
山中へ講義に行く日だったので心が急いて小梅は大いに奔走した。
風呂を焚き、主人と岩一郎の髪をすき合間に結い、すしを少しこしらえ、その間に絵も描き歌を二首詠み、さてさて忙しい。
趣味ながらせき立てられるような程でようやく夕方風呂に入り、夜は休んだ、人々の応対に草臥れた一日だった。


三月九日 
今日も快晴。
おいおいに花(さくら)が咲く。
紀三井寺では早すぎ、根来寺はただいま真っ盛りだそうだ。
直川はちらほら咲き出したらしい。
三寒四温で寒暖は一定していない。昨日は素袷でも厚かったが夜はやはり炬燵。
今朝はまた寒い。
直覚へ切り取りにやる。


コメント
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