「美作」 山伏谷
強い風を伴った横なぐりの雨を描き、笠は飛び、天地鳴動の瞬間をとらえている。きつい雨脚を太い条帛のような描写で行い、このシリーズで最も激しい風雨の景を描き、樹木のゆれ動くさまなどにも広重の力量をするどく見せて、気をひきしめる緊迫の画面をなしている。旅人達が雨笠を飛ばしながら行き交う様子を見れば、旅路の重要な場所であったこと、と同時に難所でもあったことが分かる。
美作(みまさか)国は現在の岡山県北東部にあたり、宮本武蔵は美作の出身とのことです。
春日井市在住、1935年私的な挿絵等に全て自由にご使用ください。
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