くらしデザインスタジオ@楽(^^)

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ぼくのマンガ人生を

2015-07-07 | 本,TV,歌,人物など

「ぼくのマンガ人生」手塚治虫さん著 岩波新書 800円+税です。有名な本のようなのですが、(→”手塚治虫さんの本を”)にも少し書いたように、私は手塚治虫さんのマンガはほとんど読んだことがなく、どんな考えの方だったのかも上記リンク先のTVやこの本で初めて知りました。

30年ほどの前の手塚治虫さんの講演のテープから書き起こされた内容だそうですが、その素晴らしくイイです。子どもの可能性、出会う人の人間性、生きることの喜びなど、今でもこれからの世代の人にとても響くと思います。

特に、子どもの可能性ロマンを、大人が刈り取り続ける…というのは、手塚さんが感じた時代から今なお強くあると感じます。「…子供に将来の希望とか夢とかを聞いてみると、あまりに現実的な夢が多くてがっかりします。…(略)…。しかし、これらは大人によって刈りとられているということを考えねばなりません。ことに、子供にとって何が教育かを真剣に考えれば考えるほど、大人のための子供の文化になっていってしまうきらいがあります。」と。

「現在の教育やしつけのなかで、この冒険心の育成がもっとも欠けています。合理主義のなかで、子供時代から安全を第一義とした文化が与えられ、危険は大人の手で刈りとられています。…(略)…。危険だから刃物は持つな、危険な遊びをするな、しらぬ場所へ行くな、けんかはするな、何か起こると親が出ていて処理してしまう。だから子供はいくじなく傍観するか、大人まかせです。」と。

「これからの子供たちには、…正しい生きがいとか生命観を確立してもらいたい。それをはぐくんでやる親や教師は、大人のファシズムをふりかざしてはいけない。自分たちの生きてきた道を子供に正直に見せてやること、あとは子供たちの判断にまかせることです。」と。

「未来人はわれわれよりもえらい」のが、本来というか当然なハズなのですが、その感覚が30年前よりもさらに薄くなり、手塚治虫さんが話しているようなことが、30年間でさらに助長され続けている…という印象です。次世代を自らで創って支えていく人材が育っていかないことで、国などの将来不安を生み出してますよね…。

ということで、この本は、いくさんに譲ります…が、いつか読んでくれますかね…。