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マイ・アーキテクトに泣く

建築家、ルイス・カーンの息子が撮ったドキュメンタリー映画、「マイ・アーキテクト」を見てきました。
息子、と書きましたが、カーンは完全に私生活が崩壊していた人で、彼は二人目の愛人の子供です。
そんな訳で、微妙な家族関係と偉大な建築家として伝説化している父のイメージの間で
自分にとっての父親を捜すというなかなかシビアなテーマなのですが、
この息子が優しくて、淡々と父の残した建築や、それに関わった人々との交流を描いていきます。
建築家の端くれとしては、しょっぱなに登場する伝説の老人、故P.ジョンソンに始まって、
学生時代に雑誌や作品集などでお馴染みだった有名建築家・建築史家が続々登場するので
それだけで単純に感動・感激~という方面に持っていかれてしまう訳ですが、
最初の愛人で事務所の所員だったアン・ティンが担当したカーン初期の重要作品である
水浴場(ユダヤコミュニティセンターバスハウス・1959)を訪れるシーン、
腹違いの兄弟姉妹がカーン設計の住宅(ノーマン・フィッシャー邸・1960)に集まるシーン、
そして最後のバングラデシュの国会議事堂(1974)でのシーンなどで、つい・・・。
はっきり申し上げて、冷静に映画の出来不出来なんか評価できません~。
いや、なんとなく映画館で1,800円払うほどではなくて、
WOWWOWとかで見て感動するのが妥当な気もするのですが、
いいんだ、カーンなんだから。
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