茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

『翻訳夜話』

2019-11-17 22:03:00 | 本・映画・舞台


ヒント、ヒラメキ、納得、共感を覚える。
秋の夜長に読み進む『翻訳夜話』、なかなか面白くて…

『翻訳夜話』では村上春樹氏とアメリカ文学翻訳の第一人者である東大名誉教授の柴田元幸氏の対訳も載っています。
村上訳を読んだときに、これは、英語の感覚で書いた日本語だなぁと感じます。前のめりの訳でした。
一方、柴田訳の場合は、作者の母国語が日本語で、最初から日本語で書いたらこうなるだろうなぁ、という感じがしました。

欧米クラシック青春小説『ライ麦畑をつかまえて』。それを遺したサリンジャーについて描写する映画が昨年上映されました。その映画を観てから、サリンジャーの作品を熱心に翻訳し、翻訳家としての村上春樹氏に関心を向けるようになりました。

ほぼ同じタイミングで、柴田元幸教授の講演会に参加する機会がありました。片手を振りながら、自分の翻訳を声出して読み上げる柴田先生の姿、今でも目に浮かぶ。飾り気の全くない翻訳家の翻訳愛を強く感じた日でした。







今様花伝書

2019-05-27 22:17:23 | 本・映画・舞台


日本美学を理解するため、どんな本を読んだ方がいい、と尋ねました。

送られてきたマスターピース、リストの中から、
まず花人 川瀬敏郎氏の『 今様花伝書』が、ほかを圧した。

中国では翻訳版の『四季花伝書』があることを分かりましたので、手に入れてみました。

タイトルを目にした時、かつて読み応えのあった世阿弥の『風姿花伝』を思い出します。

本書では世阿弥や能楽の花にも触れました。

カバーにあるスミレ、ゼンマイと枯蓮の作品は、聖書「受胎告知」のインスピレーションが降りかかったとか。

作品集『一日一花』とまたひと味違いました。花活けの実践テクニックが充実されており、読み進んでいくと、川瀬敏郎氏の深い深い花の世界へと誘い込まれていきました。

大竹しのぶ ピアフコンサート

2019-02-28 22:08:18 | 本・映画・舞台

日本滞在中に二つの舞台を観てきました。

映画後妻業の女を観て以来、
大竹しのぶさんの演技に好感を抱いていました。

あの日たまたま大竹しのぶピアフコンサートの広告を目にした。
座席表にぽつんと一席だけ残されていた。
しかも自分の誕生日に。
これは誰も誘えず、一人で行って来ると囁かれたようなものだなぁ。。
そう思ってポチッとチケットを購入。

大竹しのぶさんに、まるでピアフが舞い降りた。

ステージの上、しのぶさんは感情移入して思い思いに泣きながらピアフの歌を熱唱した。
鳥肌が立つような歌唱力のほか、
唄と唄の間にトークを交えた。
天然な喋り方のトークと歌のギャップに私は魅力を感じ、
記憶に残るコンサートでした。

表現力やその評価基準について、
最近たまに考えることがある。
芸術もやはり感動を与えるものが
成功したものだと思う。

「歌手になるのが夢だった。
その夢が実現できて嬉しい」
と大女優の一言に、
私はもらい泣きになってしまいました。

最高な誕生日でした。

この道

2019-01-15 22:28:37 | 本・映画・舞台

瓦の屋根
軒先に降る雨音
映画の始まりに私の好きな風景。

北原白秋と山本耕筰
作詞家と作曲家は夫婦みたいなもの。
喧嘩してぶつかりあうこそ
互いの思いが伝わり
世に良い作品を送り出せた、と思う。

映画館にいたのが
白髪のお年寄りばかりだった。

私が入ったその瞬間、
頭をあげて私を見た老人達の驚いた顔に
今度私がびっくりした‼️

与謝野鉄幹、妻の与謝野晶子、石川啄木が勢ぞろいの時代に、まるで私が入っては行けない時空にお邪魔してしまったような反応で、私を見ていた。

それにしてもいい映画。

この道はいつかきた道
ああ、そうだよ。
あかしやの花が咲いてる

帰り道に歌詞を口ずさんだ。





『廣東普洱』

2019-01-07 10:31:00 | 本・映画・舞台

知られざる熟茶の始まりを記録する貴重な冊子。
広東省茶葉進出口公司ご出身の桂さんから貴重な話しを聞く機会ができました。桂氏は、広東省初めての評茶員でもあります。

ますます広州という街の歴史的魅力に魅せられました。

茶壺天堂の井上さんにも感謝します。


桂さんの店で頂いた安徽省の六安茶も、
忘れられない味となりました。