昨年の秋に日本水仙の球根を花壇に埋めた。
今頃になって初めて白い花が咲いた。
中国古典では、水仙は古代の帝王尧の娘から変身したとの言い伝えがある。
花言葉は純白な女性の象徴である。
また春節に咲く事が多いので
「旧正月の花」として古来より人気な贈り物でもある。
一方、西洋文化では、ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスは、池の水面に映る自分の姿にしばしば見とれていた。そんなナルキッソスを戒めようと、女神ネメシスは彼をスイセンに変えてしまった。この話はナルシスト(ナルシシスト)の語源にもなり、そのため、スイセンの花言葉は「うぬぼれ」や「自己愛」になっていた。
同じ花でもカルチャー的な解釈がまるで違うので面白いなあ。
かつて訪れた中世的な町ブルージュ。町にある世界遺産ベギン会修道院、運河に架かる橋を渡って白い門をくぐると、時の流れが止まるような静かな別世界。
一面広がる西洋水仙と古い修道院の建物のコントラスト。
絵になるようなその静謐な景色、一生忘れることはないだろう。