順調にフリーウエイ(H1)を走り、ホノルル空港に入っていきます。
ハワイ旅行も終わりです。
晴れた空を見ながら、クルマを運転していました。
JAL/JAL WAYSのチェックインカウンター前に妻と荷物をおろして、僕とムスメはレンタカーの返却に行きます。
ムスメと一緒に行くのは、「トイレ!」となったときに対応しやすく、妻の場合は荷物を見ているためムスメをトイレに行かせられないということです。
道は記憶しているので、表示を見ないでもOKです。
「さあ、ダラーに返そうっと」と思ったら、H1に入っていくではありませんか。
「え?なんで?」。
「そうか、先日にクルマのキーの電池交換に行った時の記憶で走っていたんだ」。
ちょっと血の気が引きました。
「まだ時間はある。Uターンしてくればいい。」と気を取り直して、H1の出口を探します。
「あった。でも、Hickam AFB用の出口か。」と躊躇しましたが、そこで降りないとどんどん進んでいってしまいます。
出口は渋滞中。
軍の交代の時間なのでしょうか。
ムスメには「道を間違えちゃった。でも大丈夫だよ。」と説明しました。
電話しようにも、渋滞中のフリーウエイに警察官が立っています。(工事中のため警察官立会い中)
電話して違反キップ(ハワイでも運転中のケータイ使用禁止を法律で決められている)でも切られたら大変です。
なんとか出口を出て戻るところを探します。
Hickam AFBの手前まで他の道はありません。
寸前で住宅地に行くことができました。
しかし、戻ることはできないようです。
仕方ないので、Hickam AFBの入り口の係の人に話しました。
「道に迷ってしまいました。私はホノルル空港に行きたいのです。」と言ういと、親切に道順を教えてくれます。
「ここをUターンしてフリーウエイに入り、右側を走るんだ。そうすると、行けるよ」。
「Uターン!」と他の係に叫び、2レーンある片方の動きを止めて、僕を誘導してくれました。
「おっと、いけね。」とブレーキを踏みます。
基地から出てきたクルマに一瞬気が付かず、双方ブレーキを踏んでしまう事態になったのは、僕があわてている証拠です。(ぶつかる位置までは行っていないです。念のため)
「今度こそレンタカーを返すぞ!(意気込むようなことではありません。笑)」とクルマを走らせます。
ホノルル空港に入って行って、レンタカー返却の表示を見てそこへ行く寸前、なにか変な感じがしました。
アクセルを踏んでも加速しないのです。
「え?まさか、あれか?」。
そうです。
ガス欠です。
僕は日本でガス欠の経験がある(自慢することではありません)ので、クルマの反応を知っています。
もう、このクルマは、ガソリンを入れるまで走りません。
「なんてことだ!」。
とりあえず、事態を妻に電話して伝えました。
「どうしよう!」。
途方にくれました。
エンジンがかからないので、エアコンを切ります。
バッテリーまで上がったら、目も当てられないからです。
ムスメに「クルマのガソリンがなくなったので走らない。なんとかするまで、クルマにいることになる」と説明し、持っていた水を渡します。
今日は天気がいい。
クルマの中の温度も上昇していきます。
窓を開けて空気を入れます。
「どうしよう」。
そこに、1台のバンが通りぬけていきました。
「ハーツレンタカー」のバンです。
「そうか、ここはレンタカーのバスの通り道なんだ。それなら、ダラーも来るはずだ」。
20台くらいクルマ走り抜けていったあと、ダラーのバンが見えました。
僕は手を大きく頭上で交差させて、停まってほしいということをアピールしました。
ダラーのバンの前のクルマまで停まっちゃいましたが、ダラーのバンの運転席近くまで走って行きます。
バンの窓を開けて「どうした!」と僕に聞きます。
「昔にアメフトをしていたが、いまでは太っちゃった」というような大柄でスキンヘッドの黒人運転手に、「私はダラーレンタカーを使っている者ですが、ガソリンがなくなってしまって走れなくなっています。すみませんが、たすけてもらえませんか?」と言いました。
「なに?ガソリンがない!なんてことだ。もう走れないのか?」。
「そうです」と僕が言います。
「オー!」と、彼まで困った顔になり、無線で連絡てくれました。
「処置してもらうように連絡したから、まっていて」と彼は走り去りました。
ここで妻に状況を報告しました。
「ねー、ぱぱ。どうしたの?」とムスメは顔に汗をかきながら、訊いてきます。
「大丈夫、ガソリンを持ってきてくれるから」と答えます。
しかし、僕のココロは少々大丈夫ではありません。(汗)
フライトの時間まで、2時間を切っているのです。
Uターンに30分、クルマが止まってしまってから20分くらいかかっています。
僕は、なにかあっては困るので遅くともフライトの2時間半前までにチェックインを済ますようにしています。
しかし、なにかあってしまって、かなり時間が押しています。
「ぱぱ、おしっこ!」と困った顔でムスメが言います。
もちろんトイレはありません。
路肩のクルマの影にムスメを抱っこしておしっこをさせます。
そうしたら、1台の乗用車が僕の後ろに停まって、人が出てきました。
僕のところに来たので、「ダラーの係の人ですが?」と僕はムスメをおしっこさせながら、訊きます。(笑)
そして、事情を話すと、「ガソリンを持ってくる!」と言って、クルマを走らせて行きました。
「ガソリン持ってきてないんだ」。
なんで持っていなかったかよくわからないけれど、ガソリンを持ってきてくれることになったので一安心です。
しかし、なかなか来ません。
ダラーのバスが何回か通っていきますので、ドライバーに手を振ります。
ダラーのすべてのドライバーは(おそらく)無線で僕のことを知っているので、笑顔で手を振り返します。
ムスメが暑そうにしています。
車内は窓を開けていても、とっても暑くて車内にいるのはたいへんです。
僕はクルマの外にいて、ムスメは車内から顔を外(車道と反対側)に出すようにさせてました。
ムスメはそれでも暑いようで、クルマから出して、抱っこしていました。
そうしたら、先ほどのクルマがとまり、ガソリンを入れた容器を持って同じ人が降りてきます。
僕のクルマのタンクを開けて、入れていきます。
しかし、うまくガソリンが入らないようです。
ムスメを抱っこして見ていたら、ダラーのバスが停まりました。
「昔にアメフトをしていたが、いまでは太っちゃった」というような大柄でスキンヘッドの黒人運転手が大声で、「荷物を持ってバスに乗れ!」と叫んでいます。
クルマをそのままにして、僕の荷物とブースター(チャイルドシートの下の部分)を持って、バスに乗り込みました。
先に乗ったムスメの手に、レモンジュースがありました。
黒人運転手は、「水分補給をムスメにさせるんだ。そして君もだ」と僕にもジュースを渡しました。
缶ジュースを開けて、ムスメに渡します。
バスのゆれでうまく缶をもてないようで、飲ませてあげます。
おいしそうにごくごくと飲んでいます。
「ダラーの返却カウンターに行くから、そこで手続きをしてくれ。」と黒人運転手が言います。
カウンター前でバスが止まりました。
彼は、僕とムスメを先に下ろし、僕らの荷物をもってカウンターまで行きました。
僕は動揺していたのか、ムスメより先にカウンターに入ってしまい、ドアの前でムスメが立っています。
黒人運転手はちょっと笑いながら、「ドアを開けてあげて」と言いました。
そして、ダラーの係に早口で内容を話して去って行きました。
ダラーの係の人は、「クルマが戻ってきてチェックするまで、待っていて」と言います。
2分後に違う係の人が、「フライトの時間は?」と訊きました。
僕が時間を告げると、「もういいから、バスに乗ってカウンターに行って」といいます。
「追加料金の支払いはしなくていいのですか?」と僕がいうと、「大丈夫、ないです」と言います。
こんな状況なので、いくらお金がかかってもいい(まあ、限度がありますが)し、いくらかお金がかかることを覚悟していたので、驚きました。
先ほどの黒人運転手にチップを渡せなかったので、「彼はすばらい人だった。お礼としてこのチップを渡して置いてください」と係の人に渡しました。
「渡しておきます」と笑顔で受け取ってくれました・
出発カウンター行きのバスに乗ります。
女性ドライバーが荷物を載せてくれて、出発しました。
このドライバーはなんどか手を振っていた人です。
JAL/JAL WAYSのカウンター手前のところ、妻の前でバスを止めて荷物を降ろしてくれました。
そして、彼女は「ごめんなさい、暑い中大変だったでしょう。もっと早く気づいていればよかったのに。ほんとうにごめんなさい。」と言い、僕の手を握りました。
彼女は、ムスメと僕がそこにいたのを知っていたが、黒人ドライバーのような配慮ができなかったことを悔やんでいるのです。
僕はその気持ちだけで充分です。
僕の失敗・失態です。
クルマのガソリンの残量の判断を間違えなければ、だれも余計なことをしなくてすんだのです。
フライトまで、1時間ちょっと。
JALのカウンターに僕だけ駆け込み、チェックインを済まします。
荷物をポーターさんにお願いして持ってきてもらいます。
なんとか、帰国できることになりました。
今回は、アクシデントではなく、大失態。
ただ、ガソリンがなくなったのが、空港の敷地内であったこと、いろんな人に助けられたのは、とても運がよかったと思います。
もし、フリーウエイで止まっていたら、おそらく予定通りに日本に戻れてはいなかったでしょう。
皆さん、ありがとうございました!
ハワイ旅行も終わりです。
晴れた空を見ながら、クルマを運転していました。
JAL/JAL WAYSのチェックインカウンター前に妻と荷物をおろして、僕とムスメはレンタカーの返却に行きます。
ムスメと一緒に行くのは、「トイレ!」となったときに対応しやすく、妻の場合は荷物を見ているためムスメをトイレに行かせられないということです。
道は記憶しているので、表示を見ないでもOKです。
「さあ、ダラーに返そうっと」と思ったら、H1に入っていくではありませんか。
「え?なんで?」。
「そうか、先日にクルマのキーの電池交換に行った時の記憶で走っていたんだ」。
ちょっと血の気が引きました。
「まだ時間はある。Uターンしてくればいい。」と気を取り直して、H1の出口を探します。
「あった。でも、Hickam AFB用の出口か。」と躊躇しましたが、そこで降りないとどんどん進んでいってしまいます。
出口は渋滞中。
軍の交代の時間なのでしょうか。
ムスメには「道を間違えちゃった。でも大丈夫だよ。」と説明しました。
電話しようにも、渋滞中のフリーウエイに警察官が立っています。(工事中のため警察官立会い中)
電話して違反キップ(ハワイでも運転中のケータイ使用禁止を法律で決められている)でも切られたら大変です。
なんとか出口を出て戻るところを探します。
Hickam AFBの手前まで他の道はありません。
寸前で住宅地に行くことができました。
しかし、戻ることはできないようです。
仕方ないので、Hickam AFBの入り口の係の人に話しました。
「道に迷ってしまいました。私はホノルル空港に行きたいのです。」と言ういと、親切に道順を教えてくれます。
「ここをUターンしてフリーウエイに入り、右側を走るんだ。そうすると、行けるよ」。
「Uターン!」と他の係に叫び、2レーンある片方の動きを止めて、僕を誘導してくれました。
「おっと、いけね。」とブレーキを踏みます。
基地から出てきたクルマに一瞬気が付かず、双方ブレーキを踏んでしまう事態になったのは、僕があわてている証拠です。(ぶつかる位置までは行っていないです。念のため)
「今度こそレンタカーを返すぞ!(意気込むようなことではありません。笑)」とクルマを走らせます。
ホノルル空港に入って行って、レンタカー返却の表示を見てそこへ行く寸前、なにか変な感じがしました。
アクセルを踏んでも加速しないのです。
「え?まさか、あれか?」。
そうです。
ガス欠です。
僕は日本でガス欠の経験がある(自慢することではありません)ので、クルマの反応を知っています。
もう、このクルマは、ガソリンを入れるまで走りません。
「なんてことだ!」。
とりあえず、事態を妻に電話して伝えました。
「どうしよう!」。
途方にくれました。
エンジンがかからないので、エアコンを切ります。
バッテリーまで上がったら、目も当てられないからです。
ムスメに「クルマのガソリンがなくなったので走らない。なんとかするまで、クルマにいることになる」と説明し、持っていた水を渡します。
今日は天気がいい。
クルマの中の温度も上昇していきます。
窓を開けて空気を入れます。
「どうしよう」。
そこに、1台のバンが通りぬけていきました。
「ハーツレンタカー」のバンです。
「そうか、ここはレンタカーのバスの通り道なんだ。それなら、ダラーも来るはずだ」。
20台くらいクルマ走り抜けていったあと、ダラーのバンが見えました。
僕は手を大きく頭上で交差させて、停まってほしいということをアピールしました。
ダラーのバンの前のクルマまで停まっちゃいましたが、ダラーのバンの運転席近くまで走って行きます。
バンの窓を開けて「どうした!」と僕に聞きます。
「昔にアメフトをしていたが、いまでは太っちゃった」というような大柄でスキンヘッドの黒人運転手に、「私はダラーレンタカーを使っている者ですが、ガソリンがなくなってしまって走れなくなっています。すみませんが、たすけてもらえませんか?」と言いました。
「なに?ガソリンがない!なんてことだ。もう走れないのか?」。
「そうです」と僕が言います。
「オー!」と、彼まで困った顔になり、無線で連絡てくれました。
「処置してもらうように連絡したから、まっていて」と彼は走り去りました。
ここで妻に状況を報告しました。
「ねー、ぱぱ。どうしたの?」とムスメは顔に汗をかきながら、訊いてきます。
「大丈夫、ガソリンを持ってきてくれるから」と答えます。
しかし、僕のココロは少々大丈夫ではありません。(汗)
フライトの時間まで、2時間を切っているのです。
Uターンに30分、クルマが止まってしまってから20分くらいかかっています。
僕は、なにかあっては困るので遅くともフライトの2時間半前までにチェックインを済ますようにしています。
しかし、なにかあってしまって、かなり時間が押しています。
「ぱぱ、おしっこ!」と困った顔でムスメが言います。
もちろんトイレはありません。
路肩のクルマの影にムスメを抱っこしておしっこをさせます。
そうしたら、1台の乗用車が僕の後ろに停まって、人が出てきました。
僕のところに来たので、「ダラーの係の人ですが?」と僕はムスメをおしっこさせながら、訊きます。(笑)
そして、事情を話すと、「ガソリンを持ってくる!」と言って、クルマを走らせて行きました。
「ガソリン持ってきてないんだ」。
なんで持っていなかったかよくわからないけれど、ガソリンを持ってきてくれることになったので一安心です。
しかし、なかなか来ません。
ダラーのバスが何回か通っていきますので、ドライバーに手を振ります。
ダラーのすべてのドライバーは(おそらく)無線で僕のことを知っているので、笑顔で手を振り返します。
ムスメが暑そうにしています。
車内は窓を開けていても、とっても暑くて車内にいるのはたいへんです。
僕はクルマの外にいて、ムスメは車内から顔を外(車道と反対側)に出すようにさせてました。
ムスメはそれでも暑いようで、クルマから出して、抱っこしていました。
そうしたら、先ほどのクルマがとまり、ガソリンを入れた容器を持って同じ人が降りてきます。
僕のクルマのタンクを開けて、入れていきます。
しかし、うまくガソリンが入らないようです。
ムスメを抱っこして見ていたら、ダラーのバスが停まりました。
「昔にアメフトをしていたが、いまでは太っちゃった」というような大柄でスキンヘッドの黒人運転手が大声で、「荷物を持ってバスに乗れ!」と叫んでいます。
クルマをそのままにして、僕の荷物とブースター(チャイルドシートの下の部分)を持って、バスに乗り込みました。
先に乗ったムスメの手に、レモンジュースがありました。
黒人運転手は、「水分補給をムスメにさせるんだ。そして君もだ」と僕にもジュースを渡しました。
缶ジュースを開けて、ムスメに渡します。
バスのゆれでうまく缶をもてないようで、飲ませてあげます。
おいしそうにごくごくと飲んでいます。
「ダラーの返却カウンターに行くから、そこで手続きをしてくれ。」と黒人運転手が言います。
カウンター前でバスが止まりました。
彼は、僕とムスメを先に下ろし、僕らの荷物をもってカウンターまで行きました。
僕は動揺していたのか、ムスメより先にカウンターに入ってしまい、ドアの前でムスメが立っています。
黒人運転手はちょっと笑いながら、「ドアを開けてあげて」と言いました。
そして、ダラーの係に早口で内容を話して去って行きました。
ダラーの係の人は、「クルマが戻ってきてチェックするまで、待っていて」と言います。
2分後に違う係の人が、「フライトの時間は?」と訊きました。
僕が時間を告げると、「もういいから、バスに乗ってカウンターに行って」といいます。
「追加料金の支払いはしなくていいのですか?」と僕がいうと、「大丈夫、ないです」と言います。
こんな状況なので、いくらお金がかかってもいい(まあ、限度がありますが)し、いくらかお金がかかることを覚悟していたので、驚きました。
先ほどの黒人運転手にチップを渡せなかったので、「彼はすばらい人だった。お礼としてこのチップを渡して置いてください」と係の人に渡しました。
「渡しておきます」と笑顔で受け取ってくれました・
出発カウンター行きのバスに乗ります。
女性ドライバーが荷物を載せてくれて、出発しました。
このドライバーはなんどか手を振っていた人です。
JAL/JAL WAYSのカウンター手前のところ、妻の前でバスを止めて荷物を降ろしてくれました。
そして、彼女は「ごめんなさい、暑い中大変だったでしょう。もっと早く気づいていればよかったのに。ほんとうにごめんなさい。」と言い、僕の手を握りました。
彼女は、ムスメと僕がそこにいたのを知っていたが、黒人ドライバーのような配慮ができなかったことを悔やんでいるのです。
僕はその気持ちだけで充分です。
僕の失敗・失態です。
クルマのガソリンの残量の判断を間違えなければ、だれも余計なことをしなくてすんだのです。
フライトまで、1時間ちょっと。
JALのカウンターに僕だけ駆け込み、チェックインを済まします。
荷物をポーターさんにお願いして持ってきてもらいます。
なんとか、帰国できることになりました。
今回は、アクシデントではなく、大失態。
ただ、ガソリンがなくなったのが、空港の敷地内であったこと、いろんな人に助けられたのは、とても運がよかったと思います。
もし、フリーウエイで止まっていたら、おそらく予定通りに日本に戻れてはいなかったでしょう。
皆さん、ありがとうございました!