よく晴れていましたが、日陰に入るととても寒い日でした。
午前中、二頭(牡)の越年診察の為に動物病院へ行きました。
今年に入って初めての連休のせいか、意外にも早朝の病院は空いていました。
雨が降ったりすれば来院者は減り、連休ともなれば更に来院者は減り、□曜日はいつも空いていると言った具合で、、、、
「昨今の病院経営は、お天気を読む農業並みに難しいんですよ」とは、朝一番、挨拶代わりの院長との会話でした。
整形外科やら、神経科やら、医療機材とともに専門分野の充実した動物病院ですら、人間が行く病院同様に来院患者減少
の悩みを抱えているようです。(不況のせいもあるのでしょうか?)
※立場上、県内を問わず県外を含めて評判の宜しくない動物病院の話や、経営難に陥っている病院の情報など、耳にすること
があります。動物の飼主としては、医療技術や動物医療に対しての認識の問題も含め、病院選びも悩みの種ではありますね~。
◇二頭とも、普通の犬猫病院では恐らく診断の難しい(無理)悩みを抱えての来院です。
◇通常なら見過ごされてしまうような身体の動きの異常が発見されて、初期症状の段階として来院した若い犬。
ある種の診断を数年前に別院で下され、指示に従って保存療法に専念してきた壮齢の犬。
二頭とも、経験豊富な獣医師の診断(治療)を必要とする悩みを抱えての来院でした。
◇身体のぎごちない動きや不自然な動作は、何が原因でそうなっているのか?
痛みがあるのであれば早目に無くしてあげたい、折れたり切れたりしているのであれば、適切な手術をすぐにでも受けたい。
患者さん(患犬も飼主さんも)の悩みは、どんな場合でも切実なものにかわりありません。
いずれにしても、それ(障害)を適切に診断(治療)するには、経験豊富な獣医師の腕と、高度医療機器の使用に負うところ
が大であり、最低二点を兼ね備えた病院を目指す事が一番の近道となるものです。
◇壮齢の患犬の方は、暮れに一度来院しある種の処方(薬物治療)を受けて二週間強が経っています。
毎日接している飼主さんには判りづらいのですが、専門家の目を通して見ると、改善されているのか?変わりないのか?
悪化しているのか?などがすぐに判ります。
今回の患犬の場合、歩様や仕草から明らかに改善されている多くの点が認められました。
うなだれて元気なさそうに歩いていた。尾が下がって、背線も弛んでいた。などに関しては、頭をもたげて顔を上げ、尾を振りな
がら背筋を伸ばして、嬉々として歩くようになっていました。
暮れに処方された、お薬が効いたんですね~。
今回は、骨格や筋肉などの基本的な検査のほかに、「直腸診」(直腸に指を入れて、背骨側の筋肉・神経の反応を診る)を行
って、更に原因の特定に近づいたようです。
数種類の新しく組み合わされたお薬によって、更に障害が改善されることが期待できます。
暖かくなる頃までに完治してくれることが希望なのですが、焦らずユックリ、根気良く治療にあたっていきたいものですね。
◇もう一頭の若い牡(去勢済み)も、微妙な歩様の歪みを指摘されて、専門的な検査の為に来院しました。
○筋肉の量を計り、左右差を比較します。(明らかに数値の低い場合があれば、そちら側の肢には何らかの原因を抱えていま
す)
○関節の緩み具合や、関節液の量など、徒手による触診によって判断します。(異音やドロワーサインなどが認められれば、
関節を支えている靱帯が損傷を受けていることや、膝関節の場合は半月板などの損傷が疑われます)
○各関節の可動域を調べます。(可動範囲が大き過ぎる場合は、関節を支えている靱帯が弛んでしまっている場合や、関連す
る他の関節への影響が考えられます)
◇若い患犬は、心配な初期症状が確認されたため、詳細を判断するため、内視鏡検査(手術)を受けることになりました。
皮膚に数ミリの穴をあけ、細いスコープ(関節鏡)を使って関節内の状態を確認します。(場合によってはそのまま治療も可能
な場合が有ります)今日は、血液検査と、心電図検査などが手際良く行われ、手術に備えられました。
◇専門医による手術や薬物治療は、医療の内容から、高額な医療費になることが考えられます。
人間の場合は各種健康保険が整備されていて、殆どの人が加入していますが、動物の場合はどうでしょうか?
現在、幾つかの動物保険が有って、いち早く加入し、既に恩恵によくしたWanもいることと思いますが、加入をためらっている
飼主さんも少なくありません。
難病や重篤な怪我を治すことのできる高度な動物医療を受ける機会は、誰にも公平にあります。
今すすんで高度な医療を受けるためにも、動物保険の加入は是非考慮されたいものと思います。
※熟練した専門医や、経験を積んだブリーダーには、犬の歩様を見て、動作の不具合や僅かな乱れなどが判断可能です。
特徴ある動き方などから、瞬時に問題個所を指摘することまでは可能ですが、患部を特定することは難しく、専門的な診察を
必要とします。
早期発見は治療もやさしく完治までの期間も短くて済みますが、不具合を見過ごして発見が遅れると、場合によっては完治不
能になることも充分に考えられます。
日頃から、愛犬の動作や行動に十分注意し、悲しい目に合わない様に気を付けて下さい。
不安を感じた時は、早目に(すぐに)専門家や専門医への相談を心掛けることもどうぞお忘れなく、、、。
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