トルコから石灰棚を眺めながら生活する日記

ラム子のロカンタ(日本食食堂)、
ゴールデンレトリバーとカンガル犬との日常を綴っていました。

男の子を産むということ。

2016-02-16 23:45:11 | 日記
今日のパムッカレ


トルコで男の子を授かるということは
将来的に息子が兵役に行くということ。

特に今のように戦争状態にあるような時期に兵役に送り出さなきゃならない親御さんに
とっては、何とも形容しがたい気持でいるはず。

オヤジ(夫のこと)の時代もテロとの戦いが激しかった時代で、
オヤジは落下傘部隊に所属したらしく、その時のトラウマで
今やトルコの観光産業である、気球やパラグライディングを
楽しむことが出来ない。以前は山の中で蛇食ったとか教えてくれたけれど、
今、特に蘇っているようで、何も聞かないでくれと言う。
命がけでテロと戦っている兵士と自分が重なるのでしょう。


一昨日、パムッカレ出身の20代前半の兵士が
トルコ南東部ハタイでシリア難民に
喉を掻っ切ら、殺された。

彼は徴兵を終了し、職業軍人になったばっかりだった。

昨日はお葬式だった。
パムッカレ中の家にトルコの国旗が掲げられ、
葬式には多くの住民が参列した。夫も行った。

昨夜テレビで放映された。




1か月半前に婚約したばかりだった。
婚約者が棺に覆いかぶさりながら
泣き叫んでいる姿がいたたまれない。

会ったこともない、いや、すれ違ったかも?それくらいだけれど、
涙が止まらない。結婚して、幸せに暮らし、そして家族が増えたであろう未来、
すべてが奪われたのだ。

シリア難民も命からがら逃げて来た被害者。
シリアの廃墟と化した街並。
復興には程遠い壊滅した街。
そこに人々が暮らし、生きていたはずの街があった。

昔、私は地球の歩き方、シリア、ヨルダン、レバノン偏を
買い、いつか訪れることを夢見ていた。

トルコで出会ったバックパッカーは陸路でシリア、ヨルダンを
目指していた人が多かったっけ。
もう、あのころには、戻れないのかな・・・。


何百人の犠牲者、何千人の犠牲者、報道されてもピンとこないでしょ?
でも、その一人一人に家族がいて、

ビートたけしの言葉を引用するなら、

「2万人が死んだ一つの事件」そうじゃなくて、そこには「1人が死んだ事件が2万件あった」ってことなんだ。

殺された兵士は気の毒でならないし、ご家族のことを想うと
言葉が無い。
もしも、自分の家族が殺されたら、どんな感情が押し寄せるかは
想像出来ない。

でも、トルコ人もシリア人もそして日本人も自分の愛する家族の命が奪われた、
こんな悲しい事件が何万件とあったんだと、
少しでも考えて欲しい。
シリアも泣いている、苦しんでいる。

一度の空爆で何百人と死んだ。
死体を映さないと、どれだけ悲惨かは、遠い日本では伝わって来ないでしょう。
いや、数千キロしか離れていないパムッカレでも、実感が沸かないんだから。

まだ遺体が発見されればまし、そして葬式出してもらって、埋葬されて、
それすら、してもらえない人がわんさかいる。

どうぞ、対岸の火事だと思わないで。
日本だって、中東の資源の恩恵を受けているわけだから。
東日本大震災で多くのトルコ人がテレビを見ながら
涙を流していました。
そして、祈りを捧げていました。

日本から遠い中東の地での出来事で
どれだけの日本人がテレビを見ながら、涙を流しているのかな?
中東の人間は、イスラム教徒は血の気が多いからだからとか
宗教ってのは、これだから困る、日本は無宗教が多くてよかったねと、
思っているかな?

この戦争は、決して宗教の対立ではない。
石油、ガス、そして欧州へと繋がるパイプラインが絡んでいる。
だから、大国が黙っていないんだということを
理解して欲しい。

北朝鮮をならず者国家としながら、何もしないのは
なぜ?大国にとって、利害があまりないから。

トルコは同時にクルド人武装組織とも抗戦しているので、
余計にややこしい。


人間に欲がある限り、戦争は続く・・・

近々、姪夫婦、甥夫婦、それぞれ男の子が誕生する。
その子たちが、大きくなって、兵役の必要が無くなっている世の中にしてあげたい


にほんブログ村 犬ブログ ゴールデンレトリバーへにほんブログ村
にほんブログ村 海外生活ブログ トルコ情報へにほんブログ村