舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

本当に役立つフラノート考察

2014-01-20 03:14:49 | ダンス話&スタジオM
「三匹目のドジョウ」あるいは「フラ雑誌型広告集」こと「Hula Heaven!」最新刊にフラノートの特集が出ていたので、たまにはフラノートの話でも致しませう。


と申しましても小生、基本的に「振付をノートに書いて覚える」ことを致しません。
だって外国語や古文漢文を暗記するためだったら、単語を正確に覚えるために書くことも有効だけど、ダンスはカラダで踊るものだもん。カラダに覚えさせるしかないじゃん。

なので私は、ウロ覚えの曲を思い出したいときは振付ノートではなく歌詞を見ます。
フラは歌詞=振付なので、その点が有難いですね。


でも世の中そういう変態ばかりとも限りません。というか、普通の人は書きますよね振付ノート。
母マミちゃんもハワイ留学時代に書いた振付ノートを大事に取ってあります。古いのは40年以上前の物ですのでもうボロボロ。
ちなみに40年前、彼女の居たイリマフラスタジオでは今時のワークショップのように「ノートを取る時間」なんてモノは存在しませんでしたから、帰りのバスなどで自己流でメモしていたそうな。

そんなわけで、今日はひとつ真面目に「ノートをとるならどうすべきか」を考えてみたいと思います。


教訓1:フラノートの書き方は自分で研究し最良の方法を見つけましょう。

まず、フラノートを作るにあたって用意すべきノートは、出来るだけシンプルな罫線の物にしましょう
最近ご親切にどの欄に何を書くか細かく決められた「フラノート用ノート」なんつうものが売ってるけど、アレはお勧めしません。
そのノートの示す書き方が、あなたにとって最良の書き方であるとは限らないからです。

先生が板書したとおりとか、先輩に教えられたとおりなんてのはいけません。もちろん前述の親切過ぎるフラノート用ノートもナンセンス。
「自分にとって最良の書き方を模索する」というプロセス自体が振付を覚える役に立つからです。
どう書いたら最も分りやすいか試行錯誤しているうちに、必然的に振付をくり返し見直すことになり、覚えることに繋がるのです。
ですから、自分で辿り着いたメソッドに則ってテンプレートを自作するのはもちろん大丈夫です。


あと例えばレッスンを休んでしまった時などに、親切なお友達が休んだ分の振付ノートをコピーしてくれるかもしれませんが、それを丸写しすることはあなたの為になりません。
休んでしまって分らない部分は遠慮なく先生に聞いて(まともな先生ならきちんと教えてくれます、少なくともウチではそうします)、ノートをつける習慣のある人は自力でノートに書き起こし、それだけではどうにもならない場合のみ、そういう親切な友達のコピーを参考にするにとどめましょう。


教訓2:出来るだけ簡潔に書きましょう。

私がノートをとるとしたらどう書くか、誰でも知ってる"Lei Nani"1番を例にして書いてみたのが見出し画像です。
一目ご覧になってお分りいただけるとおり、どえりゃあシンプルでございます。
というのも、あまり細かく書きすぎるとあとで見た時に却って分りにくくなってしまうのですね。

フラヘヴンの特集に載ってるフラノートにも一生懸命イラストが描かれていましたが、フラは大変微妙な動きをする踊りですので、余程画力のある人でない限り、あまりすべてを絵にしようとしない方がいいですね。
どうしても図解しないとならない場合は下手にリアルに描かず、棒人間でシンプルに描きましょう。



教訓3:振付と単語をリンクさせましょう。

振付はできるだけ「動作」ではなく「意味」で書くようにしましょう。
たとえば、「両手で右を指差す」ではなく「両手で右に'oe」と書くのです。
そうすると動きと意味の繋がりを覚えられますし、ハワイ語で書くことによって単語も覚えられます。
と言っても、'oeの意味が分らない場合は一緒に「=あなた」と書き添えておきましょう。
そういう書き方を続けているうちに、それだけで頻出単語は頭に入ると思います。
ハワイ語は日本人にとって大変聞き取りやすい音ですので、頻出単語を覚えた上で意識して聴くようにすると、
曲を聴いているだけで意味→振付が出て来るようになって一石二鳥です。


教訓4:身体の向きは正確に書きましょう。

群舞の曲をノートにとる場合、身体の向きが大変重要です。
先生から「ここは身体を右に向けて」とか「身体は前向きのままだけど斜めに進んで」などの指示があった場合、それらは正確に書き留めておきましょう。
身体の向き以外にも、普段から出来るだけ簡潔に書く事を心がけていると、おのずと本当に重要なことを選り分けられるようになってきます。


教訓5:振付けノートは「レシピ」ではありません。「覚え書き」と心得ましょう。

振付ノートはあくまでも記憶を補助するための物であり、「ノートを頼りに踊る」ことは決してしてはいけません。
「ノートを見なければ踊れない曲は自分のレパートリーではない」と肝に銘じることが大切です。


沢山のことをノートに書きたい性格の人は、振付ではなく、歌詞や和訳を書くことをお勧めします。
和訳っつっても本に載ってるとおりに丸写ししたんじゃダメですよ(笑)。曲の背景とか作者のエピソードなんかはとりあえず資料や先生の言った事の丸写しでもいいけれど(古い曲は先生によって解釈が違う事があるのでそこは確かめて)、ハワイ語と英語と日本語ですべて語順が違いますので、面倒でも「どの単語がどういう意味か」を調べて書いておくと、振付けを速く覚えたり、忘れにくくしたりするのに役立ちます。
歌詞の意味もマトモな先生なら聞けば教えてくれます。少なくともウチでは(以下略)。


これは受験やテスト勉強でも言える事なんですが、ノートを綺麗にとか沢山書くことにあまり拘泥しすぎる人はノートをガッツリ書き込んだだけで何か成し遂げたように錯覚してしまうので注意が必要です。
決してノートをとった事だけで満足せず、書くことは覚えるための一手段に過ぎないという事を自分に言い聞かせて、上達のために効果的に役立てましょう。


教訓6:最終的には「書く」より「見る」!!

以前、せっかく美しい踊りのクムのワークショップを受けているのに、そのクムの方をまったく見ずウチのマミちゃんの踊りを見てせっせと振付を書き取っているどこかのセンセイの話をしましたね(笑)。
それと同じようにウチの生徒さんにも、レッスン中にうつむいて自分のノートばかり見て、書くことにばかり専念している人がたまにいらっしゃいます。
でもコレ、凄く勿体ない事ですよ。特に先生の踊りが本物である場合は、大変な宝の持ち腐れです。

先ほども言ったようにフラは大変微妙な動きをする踊りであり、その微妙なタイミングや動きから動きへの繋ぎ方などは、イラストや言葉で書き表すのが非常に難しいものですから、最終的にはひたすら見本を良く見て習得するしかありません。

ですから、レッスン中にノートにとるのは重要な事を走り書きする程度にとどめ、出来るだけ見本を良く見るように心がける事をお勧めします。
そして毎度の事ながら、あなたの見本が見本たるに相応しいものである事を切に祈ります。


また根本的な話に戻りますが、もともとノートを書いて覚える習慣のない人は、別に必ずしもノートをとらなければならないわけではありません(私自身もそうです)。
重要なのは「覚えること」、そしてそれよりさらに大切なのが「美しく踊ること」。フラノートも所詮はその手段のひとつに過ぎない事をゆめゆめ忘るべからず、でございます。








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