舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

フラ教室のルール

2014-02-26 05:23:37 | ダンス話&スタジオM
今日はちょっと真面目な話をしようと思います。

人間が二人以上集まると、大なり小なりルールが必要になってきます。
大抵のルールはそんなに難しくありません。嘘をついたらダメとか、人の物を盗ったらダメとか、そういう幼稚園児でも分る(分らなきゃマズイ)ものばかりですね。

今言ったような基本的なルールの他に、その集団独自のルールもあります。
たとえば学校やそれに類する集団では、たとえ1ヶ月しか誕生日が違わなくても先輩には敬語で接しなくちゃいけないとか。
それがどれほど理不尽なルールであろうとも、やはりその集団に属す限りは守っとかないとマズいです。


で、フラ教室にはフラ教室独自のルールが存在します。
その教室にいる限りは遵守すべきものですね。

よく言われるのが「カプ」に関する事でしょうか。たとえば髪を勝手に切っちゃダメとか、コンペや特別なステージの前には精進潔斎しなければならないとか。

ちなみにウチにはそういうのは一切ありません。
ごめんね俗物的で(笑)。
でも、母マミちゃんの通っていた'70年代のオアフ島の某スタジオにはそういうモノはなかったのだよ。ある日突然思い立っておまじないの紛い物みたいなのを始めたって、果たして効果があるやら怪しいモンだしねえ(笑)。

ともあれそんなわけで、ウチの生徒さんはまずルールがどーたらなんて事を気にする必要はありません。
ルール自体ほとんど存在しないようなものですし、あるとしたらそれはほんの常識の範囲内であり、大人なら改めて説明する必要が無いというか、却ってわざわざ言うのは失礼なレベルですらあります。

よく飲食店で「アイスミルクを氷抜きでお願いします」と言うと、「それですと量が少なくなりますがよろしいですか?」と訊いてくる店員さんがいらっしゃいまして、私ゃアレって凄い失礼な質問だと思うわけですよ。
だって氷抜きゃその分の嵩が減るのなんてちょっと考えりゃ分るでしょ。これがアメリカだったらその程度の量の多少は気にしないでいっぱい注いでくれるかもしれませんが(そもそもアメリカで牛乳に氷を入れる店はまず無い)、日本にゃそんなこた期待しませんて。


いかん。また話がズレた。
とにかく、「わざわざ口に出してお知らせすべきでないほど当り前のこと」をいちいち言うのも失礼かと思い、あまり説明して来なかったんですが、どうやら「フラ教室での(あるいはダンスの教室全般での)常識」が「世間一般の人の常識」と必ずしも合致してないんじゃないかという事を、最近になって思うのでございます。

そこで、本日は「フラ教室のルール」について改めて解説したいと思います。
といっても、先生による考え方の違いはもちろんありますので、すべてのフラ教室に共通する普遍のルールというものはほとんど存在しないと思いますが、何らかのご参考にしていただければ幸いです。

あと、ウチの生徒さんでこれを見た方が「自分はここから外れている!!」と気づいたからといって、怒ったり除名したりといった事は致しませんからご安心くださいね(笑)。
人間は失敗から学ぶものです。愚かなのは失敗に背を向けて逃げ出す行為であって、失敗それ自体ではありません。
きちんと己の間違いと向き合って正せる人は賢明な人なのです。



(1) 他所のステージを観る事

何かコレを禁じているお教室がけっこうあると聞いたんで書いてみました。
でも、我々スタジオMでは一切禁じてません。むしろ積極的にステージを観て何かを学ぶのは良い事です。


※但しイケメンに限………じゃなかった、但し推奨されるのは「質の良いステージ」に限ります。


これだけブログで悪い例について書きまくっていてこう言うのもどうかと思うんですが(笑)、悪い例から学び取れる事ってものすごく少ないですからね。
観る比率としては良い例:悪い例=9:1くらいでいいんじゃないかしら。


といっても、始めたばかりで何が良くて何が悪いか分らない事も有り得ます。
そもそも色々観なきゃ何が良いのか知る事も出来ませんよね。
そういう段階のうちは、「良い事がハッキリしている例」だけを観るようにしましょう。
YouTubeでメリーモナークの映像を観るとかなりアタリが多いです。とにかくこの段階ではハワイの人のフラを観るようにする事も肝要です。


見る目が出来て来たところで、もっといろんな舞台を観てみましょう。
そうするとひとくちにフラといってもいろんな種類があったり、ハワイらしいフラとそうでないフラの違いも分るようになってきます。

重要なのは、肩書きや看板に惑わされない事です。
まあ「メリーモナーク○位」くらいなら重視しても良いけど(ところでメリモは基本アメリカの教室しか出られない大会ですから、メリモの順位を謳う日本人や日本の教室がいたら真っ先に胡散臭い目で見ましょう)、お金で買える肩書きはゴマンとありますし、まして大人の事情で結果がどうにでもなる大会はそれ以上に無数にあります。
そういうものを一切頭から閉め出して、その人(達)の踊り自体で判断する事がとても大切です。


しかし、それが出来るのはかなり見る目が磨かれてからの話です。
まだそこまで自分の見る目に自信が無いという方は、観に行きたいイベントがあったらぜひ先生に相談してみましょう。
まともな先生なら建設的なコメントをくれるはずです。

例えば私だったら、「この○○さんというクムはハワイでも屈指のベテランだから是非のおススメ、他の出演者もお墨付きの所ばかり」とか、「このイベントはメリモ上位入賞者だけしか出ないから安心して観られる、特にオススメは何日の公演」とか、「このダンサーはミス○○って書いてあるけどコレ全然フラとは関係ないミスコンの事だから踊りの実力は保証されないうえに、この○○というバンドは今メインの人が抜けたばかりで抜け殻状態だよ」とか(※注:ここでは断じてア○アナさんの事ではありません)。

ちなみに上記3件はすべてじっさいにウチの生徒さんに申し上げた実在の人物・団体および公演に対するコメントです。
3つとも当てられたらあなた、かなりの上級者だ。私のおごりで飲みつつフラについて語り明かしましょう(笑)。


せっかく日本に居ながらにして無尽蔵にフラを観られるようになったのですから、この現状を最大限活用した方が良いに決まってます。
ただし、観るなら良い例である事が重要。そりゃ悪い例を観れば「なんだ、コレよかわたしの方がマシw」などと優越感に浸れるかもしれませんが、優越感だけでは成長できないので、あなたの上達のためにも遥か高みを見上げる事をお勧めします。
それで劣等感に苛まれる必要は無いんですよ。だってゴールしちゃったら何も面白くないじゃないですか。これからどんどん上っていけると思うからこそ、今後頑張るガッツが湧いてくるってモノです。


ちなみに先日のレイナホクを受けて、若くスタイルの良いダンサーよりもクネヴァ様やロパカ様への賛辞を連発するウチの生徒さん達を観て、頼もしく誇らしく思いましたぞ。



(2) 他所のクムのワークショップを受ける事

これ、(1)よりだいぶ禁じる先生の割合が上がるかもしれません。
でもウチではオッケー。無問題です。

※ただしイケメ…というボケはもう既出だからこのくらいにして(笑)、但し「ハワイの」「優れた」クムに限ります。


ハワイの優れた先生であれば、オッケーどころか我々が積極的に生徒さん達を誘って受講をお勧めするレベルです。
ウチの参加したイベントでワークショップが同時開催されるような時は必ず受けますね。
あるイベントでなど、全体の出演者は大勢いた上にウチの人数はその中では少ない方だったにもかかわらず、ワークショップの某クラスをほとんどウチのメンバーだけで独占してしまった事すらあります。


でもまあ強いて言えば、誰のワークショップを受けようとしているかはご一報いただいた方が良いですね。
そうすれば、そのクムが良いか悪いかという事に加え、クムの傾向からのアドバイス「その先生は基本がウチとだいぶ異なるから気をつけて」とか「その先生のレッスンを受ける時は列を美しく並ぶように心がけて」、「その先生はペース配分がかなりルーズで最後だけ異常に駆け足になるよ」とか(笑)も事前にお知らせする事が出来ます。

そしてワークショップを受ける際は、そこで習った振付を覚えてどうこうという事よりも、その先生ならではの魅力を見つけて、自分自身の踊りの向上に役立てるつもりで臨んでいただけると嬉しいです。



(3) 教室から離れた所で踊りを披露する事

さて、イエローゾーンに突入です。

「教室から離れた所で踊る」とは、その教室の主催するイベントや、その教室の先生の指導のもと(要するに公認で)出演するイベント以外で踊る事を指します。
さすがにこれは絶対NGという教室が多いですね。

でもこれを禁じる教室や指導者が狭量なわけではありません。
これにはれっきとした理由があるのです。

たとえば、精緻にエレガントに組み立てられた振付を、勝手にダッサダサのTシャツ+パウ+100円レイという宴会芸のような装いで踊られる。
想像するだけで卒倒します。

また逆に、素材感やシルエット、曲の意味との合致などあらゆる部分に心を配ってデザイン&コーディネイトされた衣装を着て、無断で大物不死鳥演歌歌手のアノ曲だのジェ○クシマ○クロのメロディに無理くり日本語詞を付けたアノ映画主題歌だのを踊られる。
酷い二日酔いだってここまでの目眩と吐き気は催しません。

お客さまの中には、その衣装や振付はどこの教室のものだとご存知の方もいらっしゃるでしょう。
そういう方は間違いなく「うっわ、ココこんなダサイ事するようになったんだ」とお思いになります。
それは教室の名誉も傷つけますし、一緒に学んでいる仲間達に対しても失礼な事なのです。


では、教室でやった曲を教室で作った衣装で踊れば良いのか?
これも「イエス」とは申せません。
なぜなら、指導者が責任を持ってチェックする事無しに人前に晒されるものが、お客様にお見せするに足るクオリティに達しているとは限らない(そうでない事の方が多い)からです。


もっとも、自分自身も何か後ろ暗い方法で先生になった、つまり自分も誰かから何かを盗んで先生になったような人であれば、自分の生徒が何をしようとノーとは言えないし、言う資格が無いですけどね。


少なくともウチはハワイの人達にも顔向けできる真っ当な教室でありたいと願っておりますから、指導者の責任の及ぶ範囲外でヘンなモノを披露されてはイヤです。
ではどうしたらいいか。
事前に正直に報告してくだされば良いのです。

報告ったってウチの場合、そんな堅苦しいものではありません。
かなりキャリアの長い生徒さんに、毎年職場の行事でダンスを披露している方がいらっしゃるのですが、その方はいつも「今年は何を着てどの曲を踊る」とお話ししてくださいます。
別に改まった報告ではなく、レッスン前後の雑談レベルでですね。
でもそれで十分なのです。できればレッスンでその方の踊る曲を練習したりもするけれど、そういう曲はたいてい最近やっている曲ですから、他の生徒さん達にとっても練習になって丁度良いです。

もっと大掛かりなステージ…たとえば複数人で複数曲踊りたいというような時も、堂々と報告してくだされば頭ごなしに「そんなもんに出るな!」とか言ったりは致しませんよ、ウチの場合。


ただ、ボランティア活動や地域行事などの出演に凄く熱心な方に一言申し上げておきたいのは、「あまり出演ばかりし過ぎていると自分の踊りの向上を阻害するおそれがある」ということです。
プロでさえ、ショーダンサーとしてステージに立ち続けている間は踊りのスキルの上達が望めないといわれているのですから、趣味で踊っている方なら尚更です。
人前で踊り拍手を浴びるのは地道な練習より楽しいでしょうし、他人の舞台を観ているより自分が出しゃばりたいと考える人もいるでしょうが、これらなくして上達は無いという事も肝に銘じておくべきです。



(4) 教室の許可を得ずに教える事

はい、もうこれは完全なレッドゾーンです。
一部筋で言われる所のガンジーも助走つけて殴るレベル、完全に喧嘩売ってる行為といえます。


あなたがもしダンサーとして優秀だとしても、それと教える技術はまったくの別物です(そもそもフラに限らず、何かを始めたばっかりのうちから教えたいとかのたまう輩にロクな才能を持ったのはいません)。
教えるためには教えるスキルを別個に身に付けていかなきゃならない。その苦労無しに教えようったってそんな簡単には参りません。

ウチがインストラクターを置かないのは、「福田真澄に習いたい」と門を叩いてくださった方の所にどこの馬の骨とも分らん人が教えにいくのでは申し訳ないという理由とともに、自分で責任を負える範囲、目の届く範囲だけにしか手を出さないと決めているからです。

インストラクターが下手糞だったり、生徒さんとトラブルを起こしたりしたら、そのインストラクターがどんなにへっぽこであろうと、悪いのは主宰者です。
十数年前、NHKの番組を番組をきっかけに全国展開した某教室が入会数ヶ月の人をインストラクターにしたと聞いたり、また別の全国展開の某教室の主宰者の先生は文字どおり「ハワイのそのフラ」なのにインストラクター達のスタイルがバラッバラだったりするのを見たりして来た結果、ウチはああいうのはイヤだという結論に達しました。


まあ、もしウチでインストラクタークラスを作ろうものなら、多分私ゃ坂上忍に豹変するね。
あの人のことはあんまり好きじゃないけど、自分とこの団員に対するしごき方にはとても共感できました。だって、彼らはいくら子供だといってもプロを目指しているわけですから、坂上忍やつかこうへいさんみたいな人が容赦なくダメ出ししてしごいてやらなきゃダメだよ。

でも、私はウチの生徒さん達に踊りを「楽しんで」いただきたいのです。
見る目を養って「本物のフラ」がどういうものかさえ分るようになったら、あとは観る事と踊る事を楽しんでいれば自然に美しく踊れるようになれるのですから。
世の中には自分の生徒を怒鳴りつける先生も随分いるらしいけど、私も母もそういうのは大嫌いです。誰かが間違えてもみんなで明るく笑い飛ばす、間違えた本人もいつまでもクヨクヨしないで笑って次に進む、そういう雰囲気でありたいのです。


そりゃあね。インストラクターを量産した方が楽して儲けられるのかもしれませんよ。
インストラクタークラスだかアラカイクラスだかを作って高めの授業料を設定している所もあるようだし、足抜けしようとしたインストラクターに「ウチのレッスンには来なくても良いから上納金だけは今後もヨロシク」と言い放った先生の話も聞いた事があります。
もっと凄いのは、切り売り型でフラ指導者の資格を売りさばいている教室があるという噂も。日本で売ってるフラの資格って一体なんなんだ!?(笑)

でも楽なら良いとは思わないんです、私の考え方では。
楽する事よりもっと大切な事ってあると思うんですよ。それを見失いたくないんです。


そんなポリシーでやって来た我々に、妙な話を持ちかけて来た人がありました。
だいぶ昔の事になったから暴露していいよね。
いわく、自分をウチのインストラクターとして使ってこのように儲ければ良い、というビジネスモデルを提示して売り込んできたのです(正確には本人ではなくその関係者から売り込まれた話なんだけど、あまり言っちゃうと個人を特定するのでこのくらいに)。

しかしそんなのはフラ業界に限らず昔から使い古された手段で、世間一般では「ねずみ講」と呼ばれています。
わざわざお教えいただくまでの事じゃないし、なによりそんな事をしたいがためにこの30年間フラをやって来たわけじゃないんだよ、ということでキッパリお断りした次第です。


その後彼女(ら)がどうしたかは杳として知れない…………じゃなくて、知ってるけど言わない(笑)。


ところで、ウチのある生徒さんが旅先で隣り合った方に「あなたは福田先生に直接習っているの!?凄いわね。私は福田先生の孫弟子なの」と言われたそうなんですが、孫弟子というのはオフィシャルには存在しないのでご注意ください(笑)。
福田真澄にちょくせつ習っている人以外はウチとは無関係です!気をつけてホントに!!


何かその方はある程度のレベルに達しないと福田真澄の直接指導は受けられないみたいな事をおっしゃってたみたいなんですけど、そんな事は絶対ないです。有り得ません。
つい先日も某クラスでまったく経験のない新人さん数人に基本ステップのレッスンをしたばかりです。

まったくの新人さんでも、ついてしまった癖を治したいという方も、一手に主宰者が直接引き受けさせていただきますので、お問い合わせはお気軽にこちらまでどうぞ(笑)。








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