舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

フラと健康についての大切な話

2014-10-15 03:55:00 | ダンス話&スタジオM
明日は10月から始まった新しいクラスのレッスンです
完全に新人さんばかりというわけではなく、3~4年のお付き合いの生徒さん達もいらっしゃれば、このレッスンで初めてご一緒した方々も。
ウチで習うのは初めてでも、他のお教室での経験がおありの方もいらっしゃいますが、ひとまずは新人さんもそうでない方も改めて基礎を学んで頂くべく、他のクラスよりさらにしっかりと基礎に重きを置いております。


フラにおいて基礎はものすごく重要です。
ハッキリ言って、基礎さえ良く出来ていれば全く知らない曲を見よう見まねで踊ったって美しく踊れるくらいです。

なおかつ、正しい基礎は健康にも大変効果的です。
フラは「正しく踊っていれば自然と身体に良い動きになる」という素晴らしい踊りなのですね。

フラはあくまでも「文化」であり「芸術」である事を考えると、健康の為だけにフラを踊る(=曲の意味や文化的背景を一切考慮しない)とか、フィットネス目的に特化されたスタイルのフラ(???)などになるとチョッチ違うかな?という気はしないでもありませんが(笑)、フラがもたらしてくれるプラスな要素の一つとして「健康」というのは確かにアリだなぁと思います。


その証拠に、私も母もこのとおりの体型をしている上、数十年間ほぼ毎日数時間にわたって踊り続けておりますが、腰や膝に不調を感じた事はただの一度もありません。
あ~、流石にこの体型だと逆に踊らなかった日に足腰が疲れる事はあるな。でも「何か膝痛くね?」と思っても、踊り出すとコロッと平気になったりするのです。これウソみたいなホントの話。


だから、ときおり巷で「フラをやっていたら足腰が痛くなった」なる話を聞くと、私ゃ決まって「う~そ~だ~あ~~~」と叫んでしまいます。
だってマジでそんな事絶対有り得ないですよ。確かにフラには色んなスタイルがあるけれど、趣味で踊っている程度の人が足腰を壊すようなスタイルは有り得ない。絶対に無いです。



だから今、「フラのせいで足腰が痛い」と感じておられる方。
あなたは何かを重大に誤っています。
原因はあなた自身にあるのか、指導者にあるのかは分りませんが、とにかくあなたが今踊っているフラは「間違ったフラ」です!!!




先日聞いた話もそんなケースでした。
私の全く存じ上げぬ方なのですが、なんとフラを踊っていたら「脚が凄く痛くなり、膝に水も溜まってしまい、現在レッスンをお休みしている」そうなのです。

あ、脚が凄く痛い!?
膝に水!?!?

ううっ、趣味にと思って始めた習い事でそんな目に遭うなんて、その方は可哀想すぎます


しかし私の同情の念は、次の言葉を聞いた瞬間に怒りにかわりました。
なんと、脚の痛みを指導者に訴えたところ、「それはあなたの練習不足だ」と言われたというのです!!!



ぬゎにぃ~~~~~
激おこスティックファイナリアリティーぷんぷんドリーーーム



…と書こうとして調べたらそれの最上級表現があると知ったのでそっちを書いとこう!

ビッグバンテラおこサンシャインヴィーナスバベルキレキレマスター

いずれにしてももう死語な気はするが、怒りさえ伝わればそれで良いので気にしない!!!



…はぁはぁ、と、とにかく私はそのくらい怒りまくりました。
自分の生徒の健康を害しておいて、何責任転嫁してんだこの似而非指導者がァァァ!!!


私がかように怒っているのは、その指導者が「プロとして当然すべき事」を全く出来ていない(どころかその真逆をやらかしている)為です。

身体を動かす事を教えている以上、フラの指導者は「身体を正しく動かす術」を教える義務があります。
「身体を痛めたり怪我をしたりするおそれのある事」を教えるなど言語道断。
もっと怪我のリスクの高い運動量の激しいスポーツの指導者でさえ、準備体操やクールダウンの仕方をしっかり指導したり、出来るだけ怪我のリスクの少ないやり方を教えたりしているのに、本来身体を痛めるはずの無い(むしろ健康に良いはずの)フラの指導者が何故みすみす身体を痛めてしまうようなメソッドを教えてしまうのでしょうか。

そのうえ「脚が痛いのは練習不足だ」など決して有り得ない事です。
膝に水がたまる事には様々な原因が考えられる為、間違ったメソッドによるフラのせいだと断定は出来ませんが、少なくともそういう症状を持った人に対して「練習不足」というのは指導者としてあまりにも不適切で無責任な言いようです。
不足しているのは生徒の練習量じゃなくて指導者の技量だ。間違いない。


もはや懐かしさすら漂うN井H和さんネタはさておき、今「フラのせいで脚が痛い」と感じている方は、どうか自分の踊り方を今一度見直す事をお勧め致します。
何度も言いますが「ウチのスタイルは身体に負担の大きい踊り方だから仕方ない」というのは詭弁です。笑止千万です。
もしそうだとしたら、どんな系統よりも身体への負担の激しそうなワイマープナのカネダンサーの皆さんが、現在の年齢になっても元気に踊っていられるはずがありません。

ホンの数年程度、一回あたり2、3時間のレッスンを週に数回続けたくらいで痛くなるとしたら、根本的なメソッドが間違っています。
特に、あなたの先生に脚の痛みを訴えたとき、それを「練習不足」などとあなたのせいにしてきたらその先生は完全にアウトです。
本当にまともな先生なら、たとえあなた自身の踊り方に原因があるのだとしても、あなたの踊りを良く見てその原因を見つけようとし、解決すべく心を砕くでしょう。


例えばウチの場合、もし生徒さんの誰かが脚の痛みを訴えて来たとしたら、まずはリラックスして力を抜き、姿勢や脚の運び方に問題が無いか、腰を不自然に振ろうとしていないかをチェックします。
というか「この踊り方だと脚や膝を痛めるな~…」というのは一目で分かりますので、気づき次第「こういうやり方は身体に良くないから、こうした方が良い」というのをお伝えするようにしています。
実際に痛くなったりしないと、なかなか自分の悪いクセは直しにくいものですが、ウチとしては出来るだけ本当に痛くなる前に直して頂きたいと願っている為、「身体に良い姿勢&踊り方」に関してはかなり口を酸っぱくしてお伝えしております。


もっとハッキリ言うと、「身体に悪そうなスタイルの教室」ってのは見れば分りますね。完全に。
実はその、先生(?)に「練習不足だ」と言い放たれた方が通っていたお教室の踊りも「ずいぶん昔どこか遠いところで」(とオブラートに包めるだけ包みまくっておくw)拝見した事がありますが、先生から生徒さんまで一貫して、それじゃ身体にい~わきゃないよ」とス~ダラするしか無いような踊り方でした。

具体的に申し上げますと、そうねえ、クレ556をさしたくなるくらい固まってるのよね。
特に背中~腰の固まりっぷりが凄くて、アミをすれば必ず上半身も連動するし、曲の途中でポーズが入るといちいち「だるまさんがころんだ!」という感じでギシッと止まるし、フラの命とも言える「余韻」もまるで無かった。

真面目な話、アレだと本当に脚や膝に来るでしょうね。
思いっきりジャンプした後、力一杯膝を伸ばした状態で着地したらものすごい負担が掛かります。目一杯伸ばした腕でプロボクサーのパンチを受け止めたら身体中が痺れます。肩を脱臼するかもしれません。
フラを踊っていてもそれは同じ。身体に負担をかけない為には、「遊び」「余裕」そして「リラックス」が無ければならないのです。

美しいフラは身体の真ん中に真っ直ぐな一本の芯が通っているものですが、だからといってすべてをガチガチに固めてしまうと、ただ美しくなくなるだけでなく、身体にも負担をかけてしまいます。
一見したところ力強そうに見える踊り方でも、よく見るとすべてを力一杯に動かしているわけではない事が分るはずです。
「芯の通った部分」と「リラックスして流れに委ねる部分」を正しく使い分ける事こそ、フラを美しく(そして身体にも優しく)する鍵だと言えましょう。どっちかだけじゃダメって事ですね。


あ、今回は話題のきっかけが「脚を痛めた人」だったので脚に言及してきましたけれども、についても同じ事が言えます。
腰だって、正しく使っていれば決して痛くなる事など無いのです。

そもそもフラにおける「腰の動き=スウェイ」とはステップに伴って自然に揺れるものですので、腰だけを故意に動かすってことはまずしません。
そして、そのように正しくステップを踏む事で正しい腰のスウェイを習得した時、そのとき揺れている身体部位が「よく腰痛の時にサロンパスを貼る位置」とは似ても似つかない事に気づくでしょう。

つまり逆に言えば「サロンパスを貼る位置を故意に動かそうとしている時点で大間違い」なのです。

正しいスウェイについては以前も何度か記事に書きましたので、ここでこれ以上繰り返す事はしませんが、いずれにしてもわざとらしい揺らし方は見ていて汚らしいだけでなく、自分の腰にも悪影響を及ぼします。


「フラを踊っているとどうにも脚・腰が痛い」という方は、とにかくまず痛い箇所周辺一帯の力を抜くよう心がけましょう。
そして姿勢をまっすぐにして、どこも痛くならない姿勢で踊りましょう。「立っているだけですでにどこかが痛い」というのは完全に不適切な姿勢です。


強いて「痛くなる」箇所を挙げるとしたら、「背筋と腿」くらいでしょうかね。
背筋は姿勢を良くする際、普段猫背の人はある程度痛くなるかもしれません(それも腰で反らないように気をつけて)。
しかし最初から春日のような姿勢で踊ろうとしなくても、いつも心がけているうちにだんだん良い姿勢が身についてきますから、焦らず慣れていく事が大切です。
腿はフラポジションに慣れていないとしばらく練習を続けた際などに痛くなりがちですが、無理の無い範囲で(最初は膝を曲げるというより「緩める」程度の感覚で)慣らして行けば徐々に耐性がついていきますので、これも無理に急いで鍛える必要は無いと思います。


世の中には「根性論」を必要以上に信奉したがる人もいるかもしれませんが、フラらしいゆるやかでリラックスしたリズムや雰囲気を身につける為にも、「上達もハワイアンタイムで」くらいのノリでゆる~く取り組む事をお勧め致します。

そういや、こないだ出たイベントの会社の社長さんに「福田先生のとこは皆さんゆとりがある感じで良いですね」と今までにない褒め方をされたっけ(笑)。
普段のレッスンの雰囲気とかメンバーの性格って、自分達が思っている以上に踊り方や立ち居振舞にもにじみ出るのかもしれませんな。





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