6月5日 3:55a.m.
新潟県十日町市松代地区にはたくさんの美しい棚田があります。 その中でもひときわ美しい棚田がこの星峠の棚田でしょう。
始めてこの棚田に訪れたのは3年前の夏。 あまり棚田のことも良く知らずとにかく行ってみようということで日の出を目指していきましたが、着いたのは夜中の3時半ごろ。 とにかく真っ暗な中どこに棚田があるかもわからず一応駐車場に車を止め仮眠。 夏の稲が成長したころでしたので、写真家さんたちの姿もほとんどなく、静かな暗闇の中星が本当に降るように輝いており「星峠」と呼ばれる所以を体験したかのようでした。
辺りが明るくなり始めたころカメラを持って外に出ましたが、棚田がどこにあるのか一向に判りません。 目の前にあるのは雲海ばかりです。 確かに美しい雲海だったのですが、棚田を見に行った自分にはその雲海の価値がわかりませんでした。 「朝日も見えないし、墨絵のような雲海と山。 どこをどう撮ろうか。。。」とウロウロ。
一時間もしたころでしょうか。 もう帰ろうか、と思っていると雲海が徐々に晴れてくる。 そしてそこに現れたのは谷一面に広がる棚田。 手前から下の方から、奥の山の側面まで、こんな棚田は見たことがありませんでした。 それは本当に感動的で、今後もあの光景は一生忘れないでしょう。
あとで知ったことですが、星峠はこの雲海と昔ながらの田んぼの姿が美しいことで有名でした。 あのように美しい雲海が出ることは初めて行ってそう見られることではなかったでしょう。 しかし、田んぼの稲が成長している季節、なかなか風情のある写真を撮ることは難しかったかもしれません。 また3年前の写真を引っ張り出してよく見てみようと思うのですが、なかなか時間がとれません。
その後ここには何回か行っているのですが、田植え直後の水鏡ができるこの時期に行くのは今回が初めてです。 是非きれいな朝日と雲海越しに見る棚田、と言う風景を撮りたいと思っていましたが、残念ながら雲海ではなく霧のようなもや。 そして朝日も見えず。 ボケっとした写真ではありますが、今回はアップしてみました。
星峠の棚田はNHK大河ドラマ「天地人」のオープニングにも使われたため、今では本当に大人気の撮影スポットです。 しかし、あまりに多くの人が訪れるため、地元の方とのトラブルも多いのだと聞いています。
きちんとマナーを守って、撮影する側は地元の方、この美しい景色に感謝し、地元の方には「ほら、どうぞ見に来てください」と言っていただけるようにやっていきましょうよ、と言いたいのですが。。。そう言っている私などがもう行かない方がいいのかもしれません。
今回もせっかくの素敵な水鏡を前にあまり思ったような写真が撮れなかったので、是非また訪れたいと思っているのですが、あの混雑ぶりといろいろな人々を見てもう行かないかもしれない、と思っています。 大変残念なことですが。