仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

お酒の後でⅦ

2008年11月28日 16時10分55秒 | Weblog
 二人は静かに溶け合った。掌を重ね、向き合って立った。唇を重ねた。はじめて触れ合うときのような恥じらいに似た感覚が二人を捕らえた。二人の身体はハルの乳首の先端だけがマサルに触れていた。マサルの掌がハルから離れ、指先がハルの肌を確かめた、頭から足先まで触れるようで触れずに、かすかに行きかう空気のような流れを感じながら。ハルの手もマサルに習うように動き始めた。交差しながら、二人は存在を確かめた。指先はやがて掌に変わり、掌は肌そのものに移っていった。
 マサルはハルを抱きかかえベッドに移動した。体温を感じて、呼吸が同調するまで時間はゆっくりと進んだ。ハルははじめての感覚を、マサルは忘れかけていた感覚を感じていた。ハルは皮膚に包まれて、けして、外に出ることのない魂の糸が肌を通じてマサルの体内に溶け込み、マサルの魂に絡まり、解け、再び、ハルに戻ってくるような不思議な感覚を感じていた。同じようにマサルもハルの耳から、首筋から、乳首から、背中から、足の爪の先から魂の糸がハルの身体の中に溶け込み、そして戻ってくるような、初期の「ベース」で感じた感覚を取り戻していた。それは肉体的反応でもなく、性的興奮でもない、柔らかな魂の交流を二人は感じていた。自然に自身が挿入され、ハルも素直に受け入れた。激しい動きもいらず、果てることもいらなかった。呼吸の同調が頂点に達した時、マサルは静かにハルから離れた。脈打つマサル自身をハルは唇で受け止めた。そして、二人は口づけた。横たわるマサルの横にハルも寄り添い、マサルの胸の上に頭をのせた。同調する呼吸が同じテンポで静まっていった。

お酒の後でⅥ

2008年11月26日 18時34分24秒 | Weblog
ドアを開けた。ドアを閉めた。靴を脱いだ。ハルが先に上がった。マサルが後ろから抱きしめた。首筋にキッスした。ハルがマサルの頭をかかえた。振り向いた。抱きしめ、口づけた。リビングのソファーに二人はキッスしながら、移動した。身体を離して、見詰め合った。ハルの目は潤んでいた。言葉はいらなかった。服を脱がした。マサルは激しい性欲とは違う、何かを感じていた。ハルも同じだった。ボディータッチからはじめた。それは「ベース」の時の流れに似ていた。

お酒の後でⅤ

2008年11月20日 16時30分43秒 | Weblog
 バドワイザーの泡がきれいだった。プリッツをかじりながら、一杯目が終わろうとしていた。イタリアントマトのフロアーは路面より低くなっていた。窓際の隅の席に座っていた。ハルが窓を叩いた。膝をそろえて、腰を落としたハルのオーバーニーの奥の太腿が眩しかった。マサルが気付くとパッと立ち上がり、入り口に向かった。マサルの瞳の残像にハルの太腿の奥が残った。ハルはマサルに向かい合わずに隣に座った。
「駅を降りてからさあ、マーちゃんに会ったらどうしようって、ドキドキしちゃった。」
マサルのバドワイザーを一口飲み、フーと息を吐いた。
「でも大丈夫。マーちゃんは南口はほとんどこないもん。スタジオもないしね。」
「スタジオって?」
「ほら、ケンタの向かいにスーパーマーケットってライブハウスとその下にスタジオがあるでしょ。そこで練習してたの。メンバーが抜けちゃって・・・というか。みんないなくなっちゃって・・・だから、もう、南口のほうはあまり来ないの。でも、なんかドキドキしちゃった。」
「マーちゃん、今、バンドやってないの。」
「うん、やりたいんだと思うけど・・・・マーちゃん、ちょっと変わっているかも。でも、凄かったのよ。新宿のロフトも出たことあるの。マーちゃんのドラムね。凄いノリがあるの。」
ハルの目はマサルを真直ぐ見ていた、キラキラ光るような笑顔とともに。
 マサルは不思議だった。昨日ナンパした。あるいはされた時のハルと今のハルは別人のようだった。変な話、オミズのプロみたいだった。今、目の前で何の屈託もなく話をするハルは少女のようだと思った。しかも、浮気相手の前で、平気でマーちゃんの話をするハル。それでも、昨日の明菜ではなく、ハルは可愛いかった。
 バドワイザーを二本と生ハムのピザ、シザーサラダを追加した。マーちゃんの話は少し影を潜めた。NKの話やジミヘンの話をしているうちにテーブルの上は空のグラスだけになった。マサルがカードで支払いを済ませ、イタトマを出た。茶沢通りから裏道に入った。胸の柔らかさがはっきり解るくらいハルはマサルの右手にしがみついて歩いた。街灯のまばらな裏道を歩きながら、キッスをした。立ち止まって、抱きしめて、舌を入れて、キッスした。楽しかった。マサル自身も自然に反応していた。ハル自身も。部屋はもう直ぐそこなのに、街灯の明りが届かない場所を選んで、キッスした。キッスしながら、ハルはズボンの上から、マサル自身を触った。それに答えるように、マサルはハルのスカートをたくし上げ、パンティーの中に手を入れた。ハルもマサルのジッパーを下げた。自転車のキシム音がして、慌ててジッパーを戻した。マサルも手を抜いて、スカートをととのえた。ハルがマサルにしがみ付く形で歩き始めた。自転車が通り過ぎると、また、キッスをした。

お酒の後でⅣ

2008年11月19日 12時46分20秒 | Weblog
「ねえ、ポテトチップスもいい?」
「どうぞ。」
ボーイに耳打ちするとマサルの横に座った。スリットから腿が見えるように足を大きく上げて組んだ。香織はよく喋った。興味のない話が多かったので、マサルはほとんど返事をしなかった。ただ、怪訝な顔をするのではなく、優しい笑みを浮かべていた。香織はマサルの顔をチラッと見ては話題を変えた。足を組み替えた。マサルがビールを飲み干すと、ビールを頼んだ。
「ねえ、つまらないの?」
「そんなことないです。」
「そうかなあ?」
会話は終わった。明菜が戻った。
「じゃあ、交代ね。」
香織はボックスを出た。明菜はマサルの横に座った。
「あっ、ウーロン茶、ポテチ。」
マサルは微笑んだ。
「どうして・・・」
と言いかけてハルは黙った。マサルの笑顔が言葉を吸い込んだ。ハルはマサルに寄り添った。組の人の乾杯要員として一番端に座り、乾杯の後はキャプテンの支持があるまで作り笑いを浮かべていた。マサルの笑顔に広い海のような温かさと優しさを感じた。マサルが肩を抱き、ハルはマサルの膝の上に手を添えた。ボーイがボックスを覗き、咳払いをした。ハルは身体を起こした。
「もう帰るよ。」
マサルが言った。
「うん。」
立ち上がるとハルが言った。
「今日、同伴したから早上がりにしてもらうわ。後で、電話してもいい?」
「マーちゃんは大丈夫?」
「いつもの時間に帰るから・・・それまで一緒にいて。」
「いいよ。」
ハルは会計所まで案内した。キャプテンからレシートをもらうと、マサルは財布から紙幣を二枚ほど渡した。ドアの前までハルが送ると、お姉さんたちが一斉に叫んだ。
「ありがとうございました。」
マサルはびっくりしながら店を出た。駐車場からベンベーを出して、部屋に戻った。
 ベッドルームの横のクローゼットに上着を掛け、服を脱ぎ捨てた。全裸になった。バスルームに行きシャワーを浴びた。ベッドルームに戻り、横たわるとそのまま寝た。十時過ぎに電話が鳴った。
「新宿出るから、お部屋に行っていい?」
「いいよ。あっ、待って、おなか減ってない?」
「うーん。ちょっと減ってる。」
「イタトマおいでよ。先に行ってるから。」
「解った。」
 マサルはいつものスタイルで部屋を出た。


お酒の後でⅢ

2008年11月17日 17時56分10秒 | Weblog
イブニングドレスは太腿の付け根で大きく割れていた。ハルが身体を摺り寄せるたびに、右足が露わになった。ハルはマサルの右手を取って、割れ目に誘った。マサルはハルに任せた。マサルの手がハル自身に触れそうになったとき、おねえさんが顔を出した。
「ごめんなさーい。」
マサルはピュッと言い感じて手を引っ込めた。お姉さんはハルの横に座った。ハルの耳に口をつけて、ボソボソ言っていた。
「マーさん、ちょっと、席をはずします。」
明菜の顔になって、ハルが出て行った。
「ごめんなさいね。明菜ちゃん、もてるのよ。」
「はあ。」
「香織です。宜しく。」
そういうとビールを注いだ。
「ねえ、ウーロン茶頼んでいい?」
「あっ、ビール、どうぞ。」
「あん、飲みすぎちゃうから。ねっ、いいでしょ。」
香織は立ち上がりボーイを呼んだ。

お酒の後でⅡ

2008年11月13日 16時47分55秒 | Weblog
 二人は下北におりた。ハルの化粧品と、ついでにコンドームを買って、マサルの部屋に戻った。マサルはリビングでギターを触り、ハルは大きな鏡の洗面台で化粧をした。化粧をしたハルは、五歳くらい歳が増えた。ハルは電車で行こうといった。マサルはベンベーで送るといった。結局、ベンベーに乗って新宿に向かった。 伊勢丹の駐車場に止めて、歌舞伎町に入った。店はショーパブだった。七時の入りに間に合った。エントランスではベテランらしき、ビッと化粧をして、身体の線がはっきりわかるイブニングドレスを身にまとったおねえさんたちが出迎えてくれた。
「明菜さん、ご同伴にてご来店。」
アナウンスが流れて、厚手のドアをくぐると、お姉さんが席まで案内してくれた。お姉さんからハルは化粧の仕方を教わったらしかった。みんな同じような顔をしていた。席はショーをする方向に開かれていて、すべてボックスだった。しばらくお姉さんと話をしているとハルがきた。ハルもイブニングドレスに着替えてきた。後ろから付いてきたボーイと何か話しをしていた。明菜が席に付いた。
「ねえ、ビールとセットでいいよね。」
「いいよ。」
ボーイが中瓶と乾きもののセットを持ってきた。
「ポッキリだとこれしか出ないのよ。」
「別にいいよ。」
「あとね。時計見ててね。八時過ぎたら、延長取られるから。」
 ハルは明菜になっていた。下着のラインがはっきりわかるドレスとお姉さんがセットしたのか後ろで束ねた髪の毛、お姉さんみたいだな、とマサルは思った。なぜか緊張して、会話が途切れた。ステージではショーの前座らしきコンビがギャグらしきものをやっていた。マサルは流れるジャズに耳を傾けた。グラスは二つあった。明菜がビールを注いだ。グラスを合わせて、飲み干した。顔を合わせていなかった。マサルの腿に手をのせて明菜が振り向いた。ハルの顔だった。
「私ね。困っちゃった。」
「何を。」
「マーちゃんがいるのに、マサルさんのことも好きになっちゃったみたいなんだもん。」
「そんなのいいじゃん。」
「だめよ。・・・・マサルさんは私のこと好きじゃないの。」
マサルは一瞬、だまった。頭の中でハルのことばがよぎった。
「好きじゃなきゃ、しないよ。」
ハルは嬉しそうに微笑んだ。
「よかった。」
ハルの手が動いた。腿を擦りながら、徐々にマサル自身に近づいた。
「見つかったら、怒られちゃうけど・・・・」
綿パンの上から自身に触れた。マサルもいつものジーパン姿では、と思い、綿パンとシャツにブレザーで出陣してきていた。マサルはハルの手を止めた。
「どうしたの。」
「うん・・・・」
何も言わず、ハルの肩を抱いた。ハルもそれ以上は何もしなった。体温を感じた。

お酒の後で

2008年11月12日 17時40分59秒 | Weblog
ハルがマサルの肩を揺すった。目の前でハルの裸の胸が揺れていた。ハルの腕の下をくぐって乳首にキッスした。
「アンッ。」
腕を縮めながら、ハルの吐息が漏れた。
「もう、何時って聞いてるの。」
「えっ、この部屋、時計ないんだ。」
「どうしてよー。」
「うん。隣に行こう。」
バスローブをはおり、ハルの手を取った。グッと引っ張って、キッスした。ハルの目がとろけた。
「そうじゃなくてー・・・・」
と言いながらもハルは首に腕を絡め、しっかりと口づけた。
 リビングの時計は六時を指していた。
「わー、大変だー。」
ハルは慌てた。
「どうしよう。口紅しか持ってないし・・・・」
「一度、戻ればいいじゃん。」
「だめよ。マーちゃん、部屋にいるもん。出る時、化粧してるの見てたし、スッピンだったら・・・・・」
「じゃ、買い物、行こうか。」
「お金持ってないもん。」
「いいよ。下北にあるの。」
「でも・・・・」
マサルはハルのバスローブに手をかけ、肩から落としながら、乳首にキッスした。そのまま、足元までズリ降ろし、ハル自身に唇を当てて、舌を伸ばした。
「アンッ。」
ハルは腰をひいた。
「もうだめよ。時間ないんだもの。」
「じゃ、着替えよ。」
というと、マサルはハルから離れた。

ほんとはねⅧ

2008年11月11日 16時33分13秒 | Weblog
 ハルはそれで充分だった。身体がフッとベッドから浮いたような気がした。マサル自身がハルの中で波打つように震動しているみたいだった。実際にはハル自身が軽い痙攣を起し、収縮を繰り返していたのだが、マサル自身にそれが反映されてハルはさらに感じていった。ハルの意識はその境界線を越えそうになっていた。すべてから開放されて、快感の渦の中に引きずり込まれそうになった。マサルの動きはゆっくりだった。それでも、ハルのヒダは敏感に反応した。ヒダがマサル自身に絡まり、折り返すたびに、ハルはその境界線を越えそうになった。マサルの動きが徐々にリズムカルになった。
 ハルの頭の中で、・・もういい、このままどうなってもいい・・と言う声が聞こえた。と、同時にもう一つの声が、ずいぶん遠くのほうからかすかに聞こえてきた。マサルの首に手をかけて、身体を引き寄せた。マサルの体重を感じて、マサルの耳がハルの唇に触れた。
「ちょっと待ってぇ。」
マサルはの動きは止まらなかった。
「ねえ、ちょっと待って、コンドームしてぇ。」
マサルの動きが止まった。マサルは状態を起してハルを見た。目は潤み、汗がにじみ、焦点はどこともなく、フラフラしているようだった。
「持ってないよ。」
マサルの声は優しかった。一度、ゆっくりハルの一番深いところまで自身を挿入した。
「あうーん。」
ハルはビクンと仰け反った。するとゆっくり、ハル自身からマサル自身が出て行った。マサルはハルの横に身体を移した。ハルは一度、仰け反ると丸まった。包むようにマサルは抱いた。
 ハルはしばらく動かなかった。マサルはハルの肩に手を回し、バスローブを肩からはずした。腕を抜いて、露わになった背中にキッスした。ハルの身体はすべてが敏感になっていた。クンっと身体が震えた。マサルは楽しかった。キッスをするたびにハルは反応した。ハルが少しづつ戻ってきた。気持ちのいいのは続いていた。ハルはマサルのキッス攻撃からちょっと身体を離して、マサルのほうを向いた。
「ねえ、大丈夫?」
「何が?」
「まだ、いってないんでしょう?」
「うん。」
「お口でしてあげる。」
そう言うとマサル自身に向かって頭を移動し始めた。マサルは腰を引いてハルの動きを止めた。
「今日はいいよ。」
「どうして?」
「もう充分楽しかったよ。」
ハルの見たマサルの顔は綺麗な笑顔だった。
「抱いていい。」
マサルはハルの反対の肩に掛かったバスローブを剥がした。一度、身体を起こして自分のバスローブも落とした。オーバーニーのソックスだけのハルはそれだけで刺激的だった。ハルの首の下に手を入れてマサルはハルを抱いた。
「いいの。」
マサルは何も言わず、額にキッスした。

ほんとはねⅦ

2008年11月06日 16時52分15秒 | Weblog
 ハルの身体は性的な反応を示していた。ただ、頭を洗われているだけなのに、股間が熱くなった。マサルはハルの前に移動して、泡だらけのハルの手を取った。目を瞑っているハルの手はマサルの手をしっかりと握った。優しく引き寄せると、シャワーの雨の中からハルの顔が出てきた。石鹸の仮面を取ったハルは可愛かった。目をシバシバさせながら、ハルは言った。
「ねえ、しよう。ねえ、もう、おかしくなっちゃうよ。」
マサルはハルの手を取って、キッスした。ビクン。ハルは震えた。腕にキッスした。耳にキッスした。頬から顎に、顎から唇に、抱きしめ深いキッスをした。もう一度、ハルの抱きかかえると、足を外へ投げ出すようにしてバスタブの淵に座らせた。マサルはハルの前に跪き、大きく足を開いた。内腿からキッスして舌を這わせ、ハル自身をツンと押して、おへその下から円を描いて反対の内腿に移動した。と、またハル自身に向かった。モシャモシャの中に舌を這わせて、ピンポイントに震動を与えた。舌を硬くして自身の奥に向かい、柔らかくして自身のピンポイントに押し付け、舌先で転がした。その動きはゆっくりとゆっくりと繰り返された。静かな震動がハルの身体を包み、ピンポイントに触れるとビクンと揺れた。全身が柔らかい痙攣でもするかのように、小刻みにハルはふるえた。ハルの手がマサルの肩に置かれた。
「ねえ、しよう。ねえ、して。ねえ、もうおかしくなっちゃうよ。」
ハルの口から、同じ言葉のリフレインが続いた。マサルはハル自身から唇を離すと、下腹からゆっくりと舌を這わせ、ハルの手を押し上げるように立った。途中、乳首にキッスするとハルはさらに大きく揺れ、体重をマサルの預けた。マサルは開かれたハルの足を閉じ、膝の裏に手を入れて、お嬢様抱っこをし、バスルームを出た。
 二人の身体は水滴とも汗ともわからない液体で濡れていた。マサルはハルを洗面台の上に座らせた。洗面台の横に転がったオーバーニーのソックスを拾い上げ、ハルの足に装着した。何も考えないで丸まったソックスをつま先から伸ばした。偶然にもかかとの位置を間違えずに膝上までたどり着いた。反対のソックスは残念ながらかかとの位置が反対で回転させながら、持ち上げた。あどけない顔にソックスだけの姿は色っぽかった。半分くらいのマサル自身は反応し始めた。マサルは棚からきれいにたたまれたバスローブを取り出し、ハルに被せた。もう一枚とって、自分で羽織った。ハルの目は半分閉じたまま、腕を通した。もう一度、お嬢様抱っこをすると、ハルは首の後ろに手を回し、耳元に口を近づけた。
「ねえ、しよう。」
 マサルはリビングの置くの寝室にハルを運んだ。一人では大きすぎるダブルベッドの上にハルをソーッとおろした。バスローブの前が開き、ハルのバストも、自身も、そして、オーバーニーのソックスもマサルの目に入ってきた。マサルはハルの膝を割った。もう一度、自身に口づけ、ハルに重なった。先で、位置を確かめ、ゆっくりと挿入した。

ほんとはねⅥ

2008年11月05日 17時20分49秒 | Weblog
 清美さんとの戯れや初めてひとつになったときのことを思い出した。いつも笑いながら、遊びの延長としてそれは始まった。
「大きくなったね。」
そういえば高校になったころ、マサル自身を丁寧に指で洗いながら清美さんもそんなことを言っていた。マサルには自覚はなかった。
「触っていいよ。」
清美さんは水着を脱いで、マサルに女性の構造を実践で教えた。
「一丁上がり。」
最後に清美さんはその台詞を残してバスルームを先に出た。自分の身体を拭いてから、水着をつけなおし、白い薄でのガウンを着て、マサルが出てくるのを待っていてくれた。一人で暮らすようになってから、清美さんが部屋に来るのはマサルが留守の時が多かった。清美さんは留守の時に行くように指示されていたようだ。それでも時折、マサルがいる時間に清美さんは来た。マサルを散歩に行かせ、部屋を掃除して、洗濯物をまとめて、風呂にお湯をためた。マサルが戻ると清美さんは服を脱がせ、風呂に入れてくれた。清美との関係もあってか、遊びの延長という感覚が強く、それを恋愛に結びつけることはマサルには難しかった。
 でも、今はとても楽しかった。
 ハルの目は潤んでいた。マサルは立ち上がり、ハルを抱きかかえ、湯船に座らせた。ハルの後ろに回って背中をブラッシングした。もう一度、抱きかかえ、立たせると、マサルが腰を落とし、お尻にブラッシングをした。
「ねえ、ねえ。」
マサルは、返事をしなかった。ハルの腰が振るえ、膝がガクガクしていた。
「立っていられないの。」
そういうとハルのお尻がマサルの顔に落ちてきた。マサルは湯船に沈んだ。ハルのお尻に潰される前に、広い湯船の底で平泳ぎをして、何とか顔だけ石鹸の上に出した。ハルはすべるようにマサルの腰の上に座った。腕を後ろにまわし、体を起こして、マサルはハルを抱いた。マサルの腕をハルはかかえた。
「ねえ、違うの。マーちゃんとしているときとぜんぜん違うの。」
マサルは足を伸ばして、湯船の栓を抜いた。
「身体がね。浮いていくみたいなの。」
マサルはハルの耳にキッスした。
「アン。」
ハルはビクンと身体を震わせた。
「ねえ、しよう。」
マサルはハルのお尻を持ち上げて、水のなくなった湯船の底に座らせると、シャワーのコックをひねった。ひまわりのシャワーヘッドから優しい雨のような暖かな水滴が落ちてきた。洗顔石鹸を取って、スポンジで泡だあてると、後ろからハルの顔に塗りつけた。ハルはびっくりしながら、顔を洗った。ハルの頭を水滴のかからないところに移動して、シャンプーを絞り、清美さんがしてくれるように優しくハルの頭を洗った。