ひとになりたい７

こえはじなりのようにからだじゅうにひびいた

やさしく、しずかに、そして、ねぎらいをこめてそのこえは

じせいをきょうようした

なぜ、

もうわかりきったことだ

もういちどいう

このせかいがおもいのままにすすんでいることを

どのじょうきょうでもいしきのなかでせかいがそんざいし

いしきのそとにはなにもない

いしきがきえれば、すべてがきえる

すなのせかいがしんじつで、このつくられているせかいは

いしきがのぞんでできてる

そうさ

やめるのも、つづけるのも

いしきひとつでかわる

きょう、それをきめる

もう、じなりをききたいくない

からだのなかでなにかがきえた

それでいい

ひとになりたい６

おんなのかおがみたくなった

すると

かおがでてきた

はんぶんだけひらいためもとからなみだがながれていた

くびをしめた

おんなのからだがきかいのようにはんおうした

すこしつよくしめた

おんなのめがかっとひらいておれをにらみつけた

みたくなかった

また、

すなにかわった

おんなのからだがおれからはなれ、おれのはらをけりつけるのをかんじた

そのつぎのしゅんかん

みたくもないげんじつがおれのしかいにもどってきた

おんなはいかりときょうふのいりまじったかおでおれのまえにたっていた

ふみつけるようにおんなはおれのはらをけりだした

おれのうめきごえでそとにいたやつらがはいってきた

おんなとおれをひきはなした