ある程度の会話ができるようにはなっていたが、今後のことについて意見を聞くのは難しかった。
ミサキの叔父と母は話し合った。何日も何日も、いく晩も話し合った。ミサキの父親の容態から考えて、二人で決めるしかなかった。
熱に浮かされていたとしても、やがて覚める時が来る。その時に結論を出そう。
それはミサキの母親と父親の共通の認識だった。が、その時は状況が違っていた。父親の判断で、結論を出せない状況になっていた。妹は、まだ、高校に入ったばかりだった。弟もいた。が、弟は幼稚園だった。叔父は会社が倒産してから、父親に拾われ、現在は専務にまでなっていた。律儀な叔父に自分が社長になるという選択枝はなかった。
二人の話を聞き、こちらの意図も伝えよう。
ヒカルに対しては、二人とも好印象を持っていた。
もし、可能であれば、こちらの近くの大学に編入してもらい、会社のことを覚えてもらいながら、勉強してもらえたら、一番いい。
N商科大であれば、叔父の知人が副学長をしているので、編入に問題はない。
父親が何時どうなるかなど、医者にもわからないのだから。
二人の話し合いは大筋、そんなところだった。二人を待つ、叔父と母親は緊張していた。
「どうしようか。」
「何を。」
「ヒカルの洋服を・・・、」
ヒカルは、マサルの背広を借りていた。靴もマサルのだった。
「え、いいよ。」
「そう、でもいいじゃない。うちのお店によって行きましょうよ。」
「ええー。」
ヒカルは照れていた。恥ずかしかった。今の収入で背広が買えないわけではなかった。いくらかの貯金もあった。が、「ベース」の生活に背広は必要なかった。ミサキとしてきた質素な生活を大事にしたい気持ちもあった。
大通りのはずれに近づいた。ジャフを待つ、滝沢がいた。
「滝沢、ジャフがきたら、先に帰って、ちょっと、寄り道していくから。」
「はい。」
ミサキの叔父と母は話し合った。何日も何日も、いく晩も話し合った。ミサキの父親の容態から考えて、二人で決めるしかなかった。
熱に浮かされていたとしても、やがて覚める時が来る。その時に結論を出そう。
それはミサキの母親と父親の共通の認識だった。が、その時は状況が違っていた。父親の判断で、結論を出せない状況になっていた。妹は、まだ、高校に入ったばかりだった。弟もいた。が、弟は幼稚園だった。叔父は会社が倒産してから、父親に拾われ、現在は専務にまでなっていた。律儀な叔父に自分が社長になるという選択枝はなかった。
二人の話を聞き、こちらの意図も伝えよう。
ヒカルに対しては、二人とも好印象を持っていた。
もし、可能であれば、こちらの近くの大学に編入してもらい、会社のことを覚えてもらいながら、勉強してもらえたら、一番いい。
N商科大であれば、叔父の知人が副学長をしているので、編入に問題はない。
父親が何時どうなるかなど、医者にもわからないのだから。
二人の話し合いは大筋、そんなところだった。二人を待つ、叔父と母親は緊張していた。
「どうしようか。」
「何を。」
「ヒカルの洋服を・・・、」
ヒカルは、マサルの背広を借りていた。靴もマサルのだった。
「え、いいよ。」
「そう、でもいいじゃない。うちのお店によって行きましょうよ。」
「ええー。」
ヒカルは照れていた。恥ずかしかった。今の収入で背広が買えないわけではなかった。いくらかの貯金もあった。が、「ベース」の生活に背広は必要なかった。ミサキとしてきた質素な生活を大事にしたい気持ちもあった。
大通りのはずれに近づいた。ジャフを待つ、滝沢がいた。
「滝沢、ジャフがきたら、先に帰って、ちょっと、寄り道していくから。」
「はい。」