A few members left behind in the city

久美ちゃん。

久美ちゃん、起きれる。

もう行かなきゃ。

いいの。

いいの。

これはあなたのだから・・。

気にしないで。

私は・・・。

今日は、荏子田のおじさんのところに行ってみる。

最近、電話ないけど。

前はさあ、週二できてくれてたもの。

前金なんてさあ、すぐ使っちゃうよね。

もう、借金だもんね。

止められなくなるのって・・・。

瑞葉さんが言ってたっけ・・・。

ああ、久美ちゃん、瑞葉さん知らなったっけ。

入れ替えみたいな感じだったもんね。

瑞葉さんはさあ・・・。

いいよなあ。

森戸さんがさあ、お金出してくれてさあ。

ふう。

まあ、いいやそんなこと。

同伴、同伴、探さなきゃ。

久美ちゃん、今日、何時、入り。

そうかあ。

いいね、久美ちゃん、美人だし・・・。

は、は、

でも、右目のこと・・・。

言わないよ。

誰にも言わないよ。

おわったらさあ、ファイヴ行く。

じゃあ、先でるね。

後でねえ。

A lot of members left behind in the city

そうなんです。

鷺沼の珈琲館で見かけたんですよ。

確かに・・・。

見間違いってこともありありますから・・・。

でもね。

そっくりだったんです。

特徴も、服装も、眼鏡も。

ただ、同じ格好でいる居るわけはないし、とも思ったんです。

いえ、いえ、確かです。

確かですよ。

顔もね。

ほらほら、その顔、その顔ですよ。

あれ、ちがうかなあ。

いえ、いえ、本当なんです。

見たんですよ。

タバコ、吸われないんですか。

いいんですか。

じゃあ、遠慮なく。

もう一本、もらってもいいですか。

はは。

確かですよ。

私ね。

あの珈琲館にはよくいくんですよ。

週に三日、そう、三日ですよ。

あー、二、三時間はいますかねえ。

何って。

その。

あの。

はは、これでも、作家志望なんですよ。

し、仕事ですか。

いや、その。

こ、こ、個人情報ですからね。

信憑性がなくなるって・・。

何ですか。

私が嘘をついているとでも言うんですか。

いえ、いえ。

解りました。

名前ですね。

えッ、住所も書くんですか。

番号・・・。

番号ってなんですか。

何だよ。

帰れって・・。

番号がそんなに大事なのかよ。

協力しようと思って・・・。

解った。わかった。わかったよ。

帰るよ。

何だよ。バカにしやがって・・・。

へへ。