ミサキは不安と嬉しさが混ざった状態だった。いつもよりも少し多めに飲んだ。ヒカルの話題が続いた。
「ヒカルは寒いって言うの。死ぬのが怖いって言うの。私、どうしていいか。どうこたえたらいいか。昔の私だったら、それこそが堕落だっていったかもしれないわ。でもね、今、考えると、「教え」にはね。そんな疑問に答える内容は無かったの。どうしなければ、どうしたら、堕落するって教えられたけど、死ぬのが怖いってことから立ち直るための答えはなかったの。」
ミサキは泣いた。
「確かに、そんなこと考えないもんな。」
「うん、でも、死んだらどうなっちゃうんだろ。」
「わかんないよ。死んだ人は何も言わないもん。」
「そうだね。」
「人間てね。生きている時の記憶しかわからないじゃない。でも、ほんとは、心のどこかに、もっと違った記憶があるような気がするの。」
「なるほど。」
「でも、人間はその記憶にはたどり着けないでしょう。」
「うん。そうなんだけど、なんて言ったら、いいのかなあ。あの瞬間、そう、ビーエスエイトのセッションの時とかに来る感じ、感覚ってあるでしょう。あんな時って、その記憶に近いんじゃないかなって。」
「面白いね。」
「シュワスク、シー、シーシュワスク、シー」
「仁。」
仁がリズムとも、呪文ともと取れる声を出しながら、立ち上がった。
「始まるのかしら。」
キヨミが言った。
「ヒカルは寒いって言うの。死ぬのが怖いって言うの。私、どうしていいか。どうこたえたらいいか。昔の私だったら、それこそが堕落だっていったかもしれないわ。でもね、今、考えると、「教え」にはね。そんな疑問に答える内容は無かったの。どうしなければ、どうしたら、堕落するって教えられたけど、死ぬのが怖いってことから立ち直るための答えはなかったの。」
ミサキは泣いた。
「確かに、そんなこと考えないもんな。」
「うん、でも、死んだらどうなっちゃうんだろ。」
「わかんないよ。死んだ人は何も言わないもん。」
「そうだね。」
「人間てね。生きている時の記憶しかわからないじゃない。でも、ほんとは、心のどこかに、もっと違った記憶があるような気がするの。」
「なるほど。」
「でも、人間はその記憶にはたどり着けないでしょう。」
「うん。そうなんだけど、なんて言ったら、いいのかなあ。あの瞬間、そう、ビーエスエイトのセッションの時とかに来る感じ、感覚ってあるでしょう。あんな時って、その記憶に近いんじゃないかなって。」
「面白いね。」
「シュワスク、シー、シーシュワスク、シー」
「仁。」
仁がリズムとも、呪文ともと取れる声を出しながら、立ち上がった。
「始まるのかしら。」
キヨミが言った。