新しい仁が一番最後にバスを降りた。
バス停から、歩いて四十分、「ベース」までは距離があった。
新しい仁は、友達と遊ぶことがあまりなかった。
隣村にあった分校が閉鎖され、町場の小学校に通うことになった。
時間がかかった。
新しい仁は、それでも、学校が好きだった。
「ベース」帰るとよく寝た。
新しくできた「ルーム」にも顔を出した。
よく笑った。
仁と同様、普段は普通の子供だった。
「ベース」には映りの悪いテレビが一台とラジオが二台、外の情報を得るものはそれだけだった。
オージがテレビをつけると新しい仁は横に座った。
食事の時もオージの隣にいた。
ヒデオもアキコもリツコもほかのメンバーも子供と遊べない新しい仁を気にかけた。
新しい仁は皆のそれがわかるのか、おどけて皆を楽しませた。
新しい仁が「ベース」についたとき、得体のしれない生き物はオージの横にいた。
「誰だいね、こんなもんを連れてきたのは。いけんじ、昔はねえ、こういうもんは産婆が始末しただに、いまは違うでね。」
「どうしていいか、わからなくて、すみません。それに、何にか・・・・。」
「いいのよ。マサル、拾っちゃたんだからしょうがないわ。」
「なまけ病じゃねえだかやあ。昔はいたでね。だがせえ、そういうもんは金持ちのうちだけせ。そういうもんだじ。」
「オージ、いいよ。この人はいいよ。」
「そうかい、そうかい。」
「力が尽きたんだ。」
「いいわね、おめさまがいうなら、いいずら。」
「だいじょうぶ。だいじょうぶ。・・・かなあ。」
食事をどうするか、着替えや排便排尿を誰が見るのか。オージの言うとおり、それは大変なことなのかもしれない。
仁が山から戻ってきた。
新しい仁が仁を見た。
仁はうなずいた。
マサルは仁に期待した。
が、その夜はスグリを歓迎する宴会になった。
バス停から、歩いて四十分、「ベース」までは距離があった。
新しい仁は、友達と遊ぶことがあまりなかった。
隣村にあった分校が閉鎖され、町場の小学校に通うことになった。
時間がかかった。
新しい仁は、それでも、学校が好きだった。
「ベース」帰るとよく寝た。
新しくできた「ルーム」にも顔を出した。
よく笑った。
仁と同様、普段は普通の子供だった。
「ベース」には映りの悪いテレビが一台とラジオが二台、外の情報を得るものはそれだけだった。
オージがテレビをつけると新しい仁は横に座った。
食事の時もオージの隣にいた。
ヒデオもアキコもリツコもほかのメンバーも子供と遊べない新しい仁を気にかけた。
新しい仁は皆のそれがわかるのか、おどけて皆を楽しませた。
新しい仁が「ベース」についたとき、得体のしれない生き物はオージの横にいた。
「誰だいね、こんなもんを連れてきたのは。いけんじ、昔はねえ、こういうもんは産婆が始末しただに、いまは違うでね。」
「どうしていいか、わからなくて、すみません。それに、何にか・・・・。」
「いいのよ。マサル、拾っちゃたんだからしょうがないわ。」
「なまけ病じゃねえだかやあ。昔はいたでね。だがせえ、そういうもんは金持ちのうちだけせ。そういうもんだじ。」
「オージ、いいよ。この人はいいよ。」
「そうかい、そうかい。」
「力が尽きたんだ。」
「いいわね、おめさまがいうなら、いいずら。」
「だいじょうぶ。だいじょうぶ。・・・かなあ。」
食事をどうするか、着替えや排便排尿を誰が見るのか。オージの言うとおり、それは大変なことなのかもしれない。
仁が山から戻ってきた。
新しい仁が仁を見た。
仁はうなずいた。
マサルは仁に期待した。
が、その夜はスグリを歓迎する宴会になった。