男は足をステージにかけようしていた。恵美子さんが男のティーシャツを引っ張っていた。伸びきり、もう少しで引きちぎれそうだった。ヒカルとマーが男の右脇にヒデオとマサルが左脇に着いた。近づくと、男はものすごく酒臭かった。腰と胸に手を入れて、男を引き摺り下ろした。男の目はだいぶイッていた。男は抵抗するわけでもなくそのまま、立見席の床に転がった。手を離すと早紀と美幸のほうに手を差し出し、手招きでもするような動きをした。蠢くようにして床に転がったままだった。
「ありがとう。」
恵美子さんが言った。平井さんに言われたとおり、客席のほうを向き腕を組んだ。その十人ほどの男たちの目がマーたちを見た。いや見ていなかった。男たちは転がった男を起した。そして、その男たちのなかに引き戻した。また、揺れだした。
鉄の扉が開いた。昭雄さんが入ってきた。恵美子さんと話をするとマーたちのほうに来た。
「もういいから、戻っていいよ。」
そういうと男たちの中に入っていった。その中の一人と話をした。一人は手を合わせ、昭雄さんにあやまっているみたいだった。マーたちはブースに戻ろうとして、ステージを見た。ブースで見るのとは違っていた。汗に濡れた早紀と美幸は、まじかで見るとシースルーの衣装が肌に張り付き、体の色まで透けて見えた。全裸よりもエロチックだった。男たちの目がくらむのも肯けた。それでも、二人はステージの下でのことなどなかったように笑顔を作り歌っていた。
いつもは黒い下着なんだろうな。・・・
マーはふと思った。
俺たちはどんな風に見えたんだろう。・・・・
ヒデオが手を引いた。ハッとして、マーは皆に続いた。
ブースに戻ると「ガンクス」のメンバーがいた。ロングヘアーの女もいた。
「解ったわ。ルシファーが終わったら、立ち見のほうにも配っておくわ。」
「テーブル席はもう終わったんだろ。」
「ええ、開演前に配ってあるわ。」
「回収のときは店の前のほうがいいよ。」
「ええ。」
ヒカルが覗き込んでいた。マーはヒカルをひっぱり、席に付かせた。
「ありがとう。」
恵美子さんが言った。平井さんに言われたとおり、客席のほうを向き腕を組んだ。その十人ほどの男たちの目がマーたちを見た。いや見ていなかった。男たちは転がった男を起した。そして、その男たちのなかに引き戻した。また、揺れだした。
鉄の扉が開いた。昭雄さんが入ってきた。恵美子さんと話をするとマーたちのほうに来た。
「もういいから、戻っていいよ。」
そういうと男たちの中に入っていった。その中の一人と話をした。一人は手を合わせ、昭雄さんにあやまっているみたいだった。マーたちはブースに戻ろうとして、ステージを見た。ブースで見るのとは違っていた。汗に濡れた早紀と美幸は、まじかで見るとシースルーの衣装が肌に張り付き、体の色まで透けて見えた。全裸よりもエロチックだった。男たちの目がくらむのも肯けた。それでも、二人はステージの下でのことなどなかったように笑顔を作り歌っていた。
いつもは黒い下着なんだろうな。・・・
マーはふと思った。
俺たちはどんな風に見えたんだろう。・・・・
ヒデオが手を引いた。ハッとして、マーは皆に続いた。
ブースに戻ると「ガンクス」のメンバーがいた。ロングヘアーの女もいた。
「解ったわ。ルシファーが終わったら、立ち見のほうにも配っておくわ。」
「テーブル席はもう終わったんだろ。」
「ええ、開演前に配ってあるわ。」
「回収のときは店の前のほうがいいよ。」
「ええ。」
ヒカルが覗き込んでいた。マーはヒカルをひっぱり、席に付かせた。