7月1日
どうしてお薬手帳をお持ちでないんですか。
だから、ここに来ていただいても、すぐに、決定的な処方をが出るわけではないということです。
問診票から、今日のカウンセリング。
随分慣れている感じがするんですけど。
何が、怖いんですか。
いろんな医者がいますからね。
あなたの言うことは信じてもいいですよ。
ははは。
どうして、あなたを・・・。
好きとか、嫌いとかで、診察はしませんよ。
まあ、いいじゃないですか。
たまたま、ここに来たんだから、少し、遊んでいきませんか。
私はね、長野の田舎者なんですよ。
私の実家の裏には、そう、畑を挟んで、200m位のところにね。
悲しいご家族が住んでいたんですよ。
旦那さんと息子さんが1人、娘さんが2人。
奧さんは、私が物心着くまえに、国鉄の、JRになる前のね。
機関車が家の山側を走っていて、そこに飛び込んで亡くなりました。
なぜ、と言う問いは村全体で覆い隠してしまったようで、
僕の耳には届かなかったんだけれど。
僕の記憶に鮮明に残っているのは長女の方のことですね。
或る日、笑うだけの人になってしまったんですよ。
当時はね、今みたいに簡単に、精神ってつく医者には行けなくてね。
誰かが、見ていなきゃいけなくて、高校生くらいだったのかな。
妹さんが学校をやめて、家に入ったんですよ。
ときどき、妹さんの目を盗んで僕の家にもきましてね。
家族は困った顔をしていましたけど、僕は不思議と怖くなくて、手を引いて、
裏の家まで送って行きました。
妹さんは非常に恐縮してね。
小学生の僕に何度も頭を下げました。
山際の線路にディーゼル車が走るようになったころかな、
その妹さんが吸い込まれていったのは。
今、思えば疲れてしまったんでしょうね。
そのことがあってすぐに、長女の方が・・・。
妹さんのことで正気を取り戻したのかもしれませんが、
やはり、ディーゼル車の下敷きになってしまわれて。
しばらくするとその家は空き家になっていました。
大屋さんが家に来て、愚痴を言っていました。
半年も家賃を払わずに逃げたって。
そのことがあってね。
私はこちらの道に進んだと・・・。
つまらないですか。
いいえ、あなたは、まだ、
今日はやめましょう。
木曜日にもう一度来てください。
少しはお役にたてるかもしれません。
どうしてお薬手帳をお持ちでないんですか。
だから、ここに来ていただいても、すぐに、決定的な処方をが出るわけではないということです。
問診票から、今日のカウンセリング。
随分慣れている感じがするんですけど。
何が、怖いんですか。
いろんな医者がいますからね。
あなたの言うことは信じてもいいですよ。
ははは。
どうして、あなたを・・・。
好きとか、嫌いとかで、診察はしませんよ。
まあ、いいじゃないですか。
たまたま、ここに来たんだから、少し、遊んでいきませんか。
私はね、長野の田舎者なんですよ。
私の実家の裏には、そう、畑を挟んで、200m位のところにね。
悲しいご家族が住んでいたんですよ。
旦那さんと息子さんが1人、娘さんが2人。
奧さんは、私が物心着くまえに、国鉄の、JRになる前のね。
機関車が家の山側を走っていて、そこに飛び込んで亡くなりました。
なぜ、と言う問いは村全体で覆い隠してしまったようで、
僕の耳には届かなかったんだけれど。
僕の記憶に鮮明に残っているのは長女の方のことですね。
或る日、笑うだけの人になってしまったんですよ。
当時はね、今みたいに簡単に、精神ってつく医者には行けなくてね。
誰かが、見ていなきゃいけなくて、高校生くらいだったのかな。
妹さんが学校をやめて、家に入ったんですよ。
ときどき、妹さんの目を盗んで僕の家にもきましてね。
家族は困った顔をしていましたけど、僕は不思議と怖くなくて、手を引いて、
裏の家まで送って行きました。
妹さんは非常に恐縮してね。
小学生の僕に何度も頭を下げました。
山際の線路にディーゼル車が走るようになったころかな、
その妹さんが吸い込まれていったのは。
今、思えば疲れてしまったんでしょうね。
そのことがあってすぐに、長女の方が・・・。
妹さんのことで正気を取り戻したのかもしれませんが、
やはり、ディーゼル車の下敷きになってしまわれて。
しばらくするとその家は空き家になっていました。
大屋さんが家に来て、愚痴を言っていました。
半年も家賃を払わずに逃げたって。
そのことがあってね。
私はこちらの道に進んだと・・・。
つまらないですか。
いいえ、あなたは、まだ、
今日はやめましょう。
木曜日にもう一度来てください。
少しはお役にたてるかもしれません。