電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

猿拳映画の系譜

2011-01-07 00:00:56 | その他・研究
いわゆる猿拳映画は70年代にはいくつもの作品が製作されています。
まず74年にチェンカンタイの師匠、陳秀中が主演した映画『猴拳寇四』(74) が登場しました。
この映画が製作されたにより70年代の終盤、本格的に猿拳という拳法を題材とした完成度の高い、よりハイレベルな映画が作られるきっかけとなったのではないでしょうか。

とは言ってもピークの79年前後になるまではそれほど多くの作品は作られていません。(ちなみに今から数年前にはウー・ジンや劉家良が見せた猿拳が記憶に新しい御存知「超酔拳」なども製作されるようになりますね。)
また、77年に台湾でチェン・カンタイが自費で製作したのが『鐵猴子』。これが着実に劉家良らに影響を与えていたと思うのです。

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話を元に戻しますと『猴拳寇四』は早い時期に光明影業ほかのプロダクションで製作され、その光明影業ではシー・キエンの「激突!ドラゴン対ジャガー(『二龍爭珠』)」なども撮られています。要するに『猴拳寇四』も同じくシー・キエンや武術指導家陳少鵬らと共に作られたのでしょう。
陳秀中氏にとってはおそらくこの作品が映画初出演となると思いますが、『猴拳寇四』の冒頭では猴拳の演舞を見せていますね。


映画の設定こそ民初功夫片となっていますが、この映画としては大聖劈掛門の掌門人であった彼が出演したことに大きな意味があったのだと思われます。
映画の展開はというと、横暴を振るう軍閥と敵対する陳秀中は入牢させられ土地の道場主・田豊が協力して陳を助け、軍閥と共謀する地元のボス・石堅と対決するという単純なストーリー構成となっています。
ラストでは石堅との決戦となりますね。
石堅も途中、三節棍の演舞なども見せ貫禄のあるところを表現していたと思います。実際の陳秀中という人はかなり小柄であることに驚かされますが(背丈が田豊の首のあたりぐらいで、一緒に出ている子役と同じくらい)高名な武術家ということで周囲も緊張していたでしょうね。
とにかく70年代の功夫片というのは、大会のチャンピオンとかどこかの国の武芸の有段者とかそんな売り文句が宣伝として使われていたりしていたんですよね。そうすることにより観客の興味を惹くことが多かったように思います。
陳秀中は『猴拳寇四』の後、数本の映画に関わることとなり、弟子のチェン・カンタイやポムソン・シーらと協力して『六合千手』や『上海灘大亨』(邦題:上海の帝王)などの映画に関わったり、また再び石堅と陳少鵬と共同で「覇者の剣」の武術指導に当たるなど映画界でも活躍することになっていきますね。







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