ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

ラマダン(或いはラマザン)

2008年12月04日 | 世界一周記2008
イスラム教には年一度、約一月にわたるラマダンの期間がある。
日本語で端的に言えば断食で、
空に太陽がある間は食べ物を口にしない。
食べ物の中には、水も含まれているので、一切何も口にしないのだ。

これが9月ということで、丁度、トルコとモロッコの旅行期間になった。
この両国とも、ほとんどの国民がイスラム教徒なのだ。
で、夜明けから日没まで、一切何も口にしない。
だが、旅行者はイスラム教徒でない限り、普通に食べ、普通に飲む。
だから、朝から夕方まで、レストランやスーパーは普通に営業している。
少なくともトルコでは。

ところがモロッコに来ると事情は一変する。
マラケシュのような世界的な観光地はまだいい。
フナ広場のレストランなどは結構普通に営業している。
ところが、観光客があまりいない地域では非常に困る。

フェズで2泊したが、2日目の昼、とうとう開いている飲食店を見つけられずに、
屋台のジュース屋で生のオレンジジュースを1杯、
インドのナン風の食べ物を2枚で済ませた。
夜も、営業を始めるのは7時半過ぎからで、これには参った。

カサブランカでは、列車の便が良いということで、
カサボワヤジャー駅の近くに泊まったが、ここには全く何もない。
やっと飲食店を見つけると、昼間は営業していない。
おまけに、ビールがない。
アルコール類は何もない。

飲む、食べるではモロッコは最悪だった。
マラケシュのフナ広場では、カタツムリから肉までなんでも食べられたから、
美味い食べ物がないわけでは無かろうが、
旅行した時期が悪かったのだろう。
計画するとき、ラマダンのことは全く念頭になかったのが、悪いといえばそうなのだが。

おかげで、旅行を始める前に比べて、
この時期は4~5㎏痩せていた。
1日2食が続けば健康にも良いかも知れない、としみじみ思ったものだ。

贅沢な一夜

2008年12月04日 | 世界一周記2008
贅沢な一夜などと書くと、リッチなホテルで豪華な食事をなどと想像される向きもあるかも知れないが、
実は贅沢な列車の話。

スペインの国鉄は、RENFEといい、なかなか快適なのだ。
日本の新幹線に当たるのが、AVEといい、結構速い。
マドリッドからバルセロナはこのAVEで移動した。
揺れも少なく、快適な旅である。

贅沢をしたのはこのAVEではなく、
バルセロナからグラナダへ行く寝台列車だ。
この列車は、人気があって、チケットは早めに取らないと手に入らないそうである。
その1等寝台に乗ることにした。

もちろん個室である。
ベッドは上下2段あって、2人までは入れるコンパートメントだ。
これに、トイレとシャワーがついている。
アメニティーグッズが入ったRENFEのロゴ入りのバッグもついている。

約10時間の列車の旅でこの部屋を独り占め。
値段ももちろん高いが、快適さは抜群。
周りの客は、リッチそうな夫婦ばかり。
何で薄汚いバックパッカーをかついだ東洋人がこの車両にいるんだ、みたいな視線。

この列車からみるスペインの朝日は綺麗だった。
夜明けの徐々に明るくなる空を、飽きもせず眺めていた。

RENFEの寝台列車は、ブラジルを除くと、この旅唯一の贅沢だったが、
1等寝台での夕食が、サンドイッチと缶ビールというのがバックパッカーの限界か。
それと、グラナダに着いてからの宿探しが、
バックパックかついでの徒歩というのも。