ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

秋の風

2009年09月19日 | 酒と料理と
熊本でも、阿蘇には一足早く秋が来る。
今年は特に早い秋風が吹き始めた。
日差しの強い日中は、結構な暑さだが、
夜ともなると、窓を閉めないと、寒いと感じるようになった。
いつの間にか、パジャマも長袖になった。

この時期になると、いろんな酒蔵から、秋あがりという酒が出る。
これは、冬季に仕込んだ酒を、冷涼な蔵内でひと夏を越し熟成をさせたものだ。
新酒に比べると、角が取れ、まろやかになる。
香りも落ち着いて、豊かな含み香を見せる酒もある。

この秋あがりを自分でつくるのもいい。
新酒で買った酒を、冷蔵庫の野菜室で半年以上寝かせて飲むと、
新酒の時に飲んだ酒とはかなり印象が異なる。
特に荒ばしりなどという、口の中で暴れるような新酒も、
半年以上の時間が、しっとりと落ち着かせてくれる。

今までにいくつか試したが、その中でも白眉は、黒牛の純米生。
プレミアムもつく高木酒造の十四代の中で、「純米」中取り無濾過もなかなかのものだった。
ダンチュウで一躍有名になった、豊盃の純米しぼりたて無濾過生原酒もまたよし。
生や原酒は出たてはやはり少し荒っぽい。
これを冷蔵庫の野菜室が穏やかな貴婦人に変えてくれる。

いろんな種類の酒を秋あがりにしてみたいのだが、
何分にも、冷蔵庫の管理責任者は配偶者なので、
野菜が優先し、日本酒はせいぜい2本までとなっている。
結局酒蔵の出した秋あがりに頼るしかないのが現状である。

秋田の福小町無濾過特別純米生酒を試す。
香りよく、若干甘口。
夏の終わりに、来る秋の気配を感じながら、もう一献。

さてつまみはと言うと、阿蘇地方の晩秋の食べ物「あかど漬け」。
特産の“あかどいも”の茎を塩で漬け込んだ、阿蘇地方に昔から伝わる伝統食である。
火山灰を含んだ土壌でよく育つという里芋に似た“あかどいも”は、
熊本でも阿蘇地方でのみ採れる地域限定の食材と言われている。

先日、里芋より一足早く収穫し、流水に一晩浸し、
翌日塩をすり込んで漬けたものが、今日食卓に出た。
私は、今まであかど漬けを食べる度に、若干のえぐみを感じて、
それが苦手でほとんど食したことがない。
しかし今回のはえぐみがないので食べられた。

ショウガ醤油で食べるのもいいが、マヨネーズもいいとか。
お試しあれ。秋の味覚を。
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