スペイン語入門者・学習者のみなさま:
そもそも「スペイン語入門者」を対象に始めたサイトであるのに、「ケセラセラ問題」のような自分ひとりでは手に負えないテーマを持ち出し、みなさまを混乱の渦にまきこんでしまって、ごめんなさい。
私が現時点でみなさまにお伝えたいのは、以下のことだけです。
que será será. という、アクセントの無いque(関係代名詞)からはじまるフレーズは、正しいスペイン語ではありません。『広辞苑』他、日本の辞典(カタカナ辞典も含む)で日本の流行語「ケセラセラ」をひくと、このようなスペイン語表記が見られますが、これはなにかの間違いです。
スペイン語にあるのは、Lo que será, será. (物事は結局なるようになる)という、構文的に what will be, will be. と対応するフレーズと、
¿Qué será? という疑問文の será を繰り返す、¿Qué será, será? というフレーズだけで、この“繰り返し”はケセラセラの歌が知られたスペインだけかもしれません。(21ヶ国調査したわけではありませんが…。)
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「ケ・セラ・セラ」の歌に関して:
日本の流行語「ケ・セラ・セラ」は1956年の映画の主題歌から生まれたようですが、日本人が考えているほど世界的な歌ではないようです。
Que Sera Sera. Whatever will be, will be.
という歌詞(一行)を仮に6ヶ国から抜粋したサンプル6名に見せたとして、
(2カ国追記しました。2/14)
1) フランス人は(アクセント符号なしに)そのまま歌い出し、
Que sera sera.
2) スペイン人はアクセントをつけて疑問文にして歌い出し、
¿Qué será, será?
3) メキシコ人はque(アクセントなし)の前に lo を書き込み、
Lo que será, será.
4) 他国のスペイン語ネイティブは語順まで変えて書き込み、
será lo que será.
5) ブラジル人はque(アクセントなし)の前に o を書き込み、
O que será, será.
6) イタリア人は「♪ケ~サラ~サラ~♪」と歌いだす。
Che sará sará.
という6通りの反応になっても不思議ではないと思います。
ひとつ確かなことは、
日本人は「ケ・セラ・セラ」とカタカナ表記にして歌う。
ケーセラ~セラ~♪
一昨日、岩波書店広辞苑編集部の方からいただいたメールには「歌詞のque sera sera がそもそも何語であったのかを特定するのは難しいのではないか、…作詞者に聞かないと分からないのではないか」という私たちの考えに対しての、「編集者も話をした私も全く同感です」というコメントがあり、大感激です。
「広辞苑の表現に再検討の余地がある」という前向きな回答をいただいて、大興奮・感涙の嵐の People ←こちらのブログに、その回答を掲示しています。
私は「スペイン語だと言われちゃったからには、スペイン語的に解決しないと!」という西語担当としての使命(?)みたいな気持ちで考えてきたのですが、この「広辞苑からの最終回答」に惚れ惚れしておりまして、あとのことはおまかせします~(ハート)という心境です。
個人的には、「何語ともとれるラテン系の言葉を入れて世の中を混乱の渦にまきこもう」というヒッチコックの狙いに我々はまんまとハメられたのではないか?と想像してますが(笑)。2/5.kaoruの投稿@peopleより
みなさま、おさわがせしました。そして、ありがとうございました。
★ところがまだまだ終わらない。2005.6.18アップ→「スペインのケセラセラ」
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