うちの近くには、学問の神様で有名な神社がある。
どこか遠方からわざわざ来たのだろうか、駅におりたはいいが、場所がわからず、私がちょうどお会計をしていたコンビニのレジに飛び込んできて、そこへの行き方を尋ねる女性とでくわした。
ああ、受験生のお母さんなのね。
そう思って、何気なく見ると、顔色は悪く汗を大量にかいている。
髪は私にはすぐにわかった。ウィッグだ。
抗がん剤の最中なのかな・・・・
私と同じガンだろうか・・・・
母は強いなぁ。抗がん剤のしんどさ、フルウィッグの辛さ、それで場所のわからないところに来るのがどれほどたいへんか。
コンビニの店員さんは、地元の人ではなく、説明も要領を得てない。
思わず、口出した。「あ、そこなら、ここ出て、まっすぐ見えるところですが、信号でちょっとだけ回らないといけないんです。」
丁寧にお礼をいわれたけど、付き添ってあげたい心境だったよ~
そうすべきだったかなぁ~。でも、それだと、あなたウィッグってすぐわかったからと言ってるようだし・・・・と一瞬にして色々気をつかってしまった。
無事いけたか?行けただろうけど・・・・・体調大丈夫かな。
彼女の願いが伝わりますように、と思って後姿を見送った。
母は強いね。
受験生を支えて頑張る母たちに、早く春が来ますように。
今日は、半端にいい人だったなぁ・・・・・・・・・・・・・