
明治・大正・昭和初期の映像にカラー着色する作業、最先端はフランスなど海外なんですね。アンティーク絵葉書の「手彩色」作業を動画で行なう、根気が必要ですがアニメーション制作に実績ある日本人の方が向いている気がします。
再現には当然ながら「カラー写真」の資料が必要、電柱の色や道路の色ひとつとっても検証が必要になります。再現作業以上に本当は資料収集の作業が大変なのは、やってみて初めてわかることか…。いずれにしても、NHKスペシャルの「カラーでよみがえる東京」10月19日の放送、楽しみです。
NHKスペシャル メイキング「カラーでよみがえる東京~不死鳥都市の100年~」
モノクロ写真に着色してカラーを再現する方法、東中洲の絵葉書でカンタン解説(いずれも糸島「一蘭の森」ラーメン店内の装飾に使われた画像、現在一蘭本店がある東中洲の風景変遷)してみます。
1枚目、2枚目はモノクロ写真ですが1枚目は1952(昭和27)年頃のコロタイプ印刷(網点が目立たない写真に近い再現性、小ロット印刷向け)。
2枚目は1956(昭和31)年のオフセット印刷(現在主流の印刷で網点が目立ちます、大量印刷向け)。コロタイプは写真印画紙に近い印刷なので、数メートルに拡大することも可能ですが、オフセットだと網点が目立つので拡大は困難。
3枚目は1950(昭和25)年頃のオフセット+人工着色印刷。
4枚目は1930(昭和5)年頃のコロタイプ人工着色印刷、戦前のカラー製版技術は昭和10年頃までがピーク(戦時下で技術は後退)。
5枚目は1953(昭和28)年頃の総天然色、まだ進駐軍の兵士が写ってます。パノラマ総天然色はカラーが全体に浅くコントラストも甘いため、ボケた印象になります。
明治末から大正中期、モノクロのコロタイプ印刷に一枚ずつ手作業でカラー彩色された手彩色絵葉書がブーム化。カラー写真の技術が戦前のレベルを超えるのは昭和40年代に入ってからです。