昭和11年初頭、蘇江画室は解散され、弟子達の多くは独立する
こととなった。大正11年に当時初三郎の会社であった大正名所図
絵社専務だった小山吉三が、初三郎に内緒で会社とは別に営業をし、
最も有力な弟子であった金子常光らを誘い独立する下りがある。そ
の事件とこの時期の多くの弟子達の独立をダブらせて考えるのが、
研究者の間でも常識化しているようだが、その辺は少し事情が違う
ようである。
和多田印 . . . 本文を読む
吉田初三郎の研究の中で、私が最も力を入れているのは印刷美術
との関係である。初三郎は大正初期から昭和30年に亡くなるまで
の45年間、印刷技術の進化の中で自身の活動を継続していった。
当初は石版印刷(リトグラフ)の中での版画的・浮世絵的な表現を
模索し、大正12年の関東大震災以後進むオフセット印刷(現在の
主流印刷手法)に切り替わる過程、そして単色重ね刷りによるカラ
ー表現から、絹本原画をその . . . 本文を読む
春の選抜高校野球、気が付くとどうしても郷土勢(九州・山口)
を応援している。今回は地元福岡県は大牟田高校が早々と(初日)
負けてしまったが、他はなかなか頑張っている。今回の出場校の
名を見ると、多少強引ではあるが吉田初三郎が都市図を描いた地
が多いことに気づく。特に今年の九州・山口は宇部商や都城泉ヶ
丘、大牟田など何れも描かれている。
今日掲載したのは、その中の昭和26年に描かれた都城市鳥瞰 . . . 本文を読む
今日の福岡は久々の快晴だった。昨夜のニュースで植木等の訃
報を知り、今朝は各局の回顧VTRを熱心に観た。私も妻も世代
的にはリアルタイムで「無責任」シリーズを知る世代ではないが、
芸能・音楽好き一家として(笑)自宅のライブラリーにはクレイ
ジー・キャッツのCDやDVDが並び、平成2年だったか紅白歌
合戦の映像を録画していたと思い、古いビデオを倉庫に入って探
した。
いかりや長さんの訃報の時も . . . 本文を読む
第2・第4火曜日は朝7時からの共創マーケティング研究会と
いう勉強会に出席している。独立前からだから、もうすぐ10年
目に入る。座長は石村萬盛堂の石村社長、毎回10~20名の参
加で映像を観たあとに懇話形式で様々な意見交換を交わす。
主参加メンバーのうち、栢野氏は昨年4月から家族で世界一周
行脚の旅に出掛けていて、もうすぐ日本に帰ってくる。小学生の
息子2人を一年休学させて、奥さんと4人での . . . 本文を読む
昨日の日曜日、佐賀県唐津市「県立名護屋城博物館」の企画展
「近代のまなざし~絵葉書の中の朝鮮半島」を観に行った。絵葉
書文化や朝鮮半島絵葉書の研究をしている浦川氏の担当した企画
展で、絵葉書会にもよく顔を出す古館氏のコレクションも含まれ
ていた。昨日が最終日だったので、すぐ近くにある呼子朝市と合
わせて出かけたのだ。呼子の朝市は日本三大朝市に数えられる、
魚介類中心の市である。
展示された絵 . . . 本文を読む
昨日23日の西日本新聞夕刊の博多湾特集に、絵地図作家・村松
昭作「博多湾周遊絵巻」も取り上げていただいた。一昨年、東京
の村松さんを招聘して描いていただいた作品である。3月20日は
福岡県西方沖地震から2年の震災記念日であったが、2年前の3
月といえば22日に玄界島への上陸取材で絵地図製作のための踏査
取材を完了する計画であったため、最大の被災地となった玄界島
へは渡ることができず、唯一現地踏査 . . . 本文を読む
今日は朝7時から仕事で休む間のない日であった。明日の土曜
日が雨と聞き、本当は菜の花と桜が開花した、もうすぐ廃線とな
る西鉄宮地岳線区間を改めて撮影に行きたかったが、当然ムリで
ある。この時期は毎年学校案内など教育関係の仕事のピーク、加
えてWEBサイト製作依頼も集中し、3月はとにかく忙しい。
普通であれば私のような仕事は、広告代理店や印刷会社から仕
事を受けるのであるが、私は独立時からそれ . . . 本文を読む
サイトを回遊していて初三郎ポスターを今も活用されている、
俵山温泉・松屋旅館さんのブログに着いた。今日は松屋さんのあ
る山口県の原画について書く。
昨日の日記に書いた初三郎「景勝山口全県図」絹本原画は、山口
県旧県庁舎の会議室に掲額されている。図には「昭和22年菊花
の秋 初三郎」と記され、これは戦後唯一の天覧作となっている。
この図製作のための現地踏査取材は、昭和22年9月24日より
. . . 本文を読む
昨日、ブログを書き込んだあとに改めて初三郎の「佐敷日記」
を読み返した。日記の初日は昭和22年3月20日。つまり丁度
60年前の同じ日であった。偶然というか、たまたまこの日は初
三郎の原画探索の続きを書こうと気楽に思いついたのであるが、
これは初三郎の念が訴えかけた必然ではなかろうか、と単純な私
は考え、21日の朝起きて鯛生金山と菊池神社へ行くことにした。
なぜ菊池か、それは初三郎60年前の . . . 本文を読む
定期的に吉田初三郎が九州・山口地区に残した絹本原画を観て
回っている。未見でこの春に確認したい原画のひとつに、玉名市
の原画がある。数年前に廃業した玉名・立願寺温泉の紅葉館の大
広間に掲げられていた戦前の原画で、地元の博物館関係者のもと
へ渡っていると聞く。尾道市の原画と同じく保存状態が悪いとの
ことで、未公開なのだそうだ。
この図の印刷折本は「立願寺温泉(昭和10年)」である。初
三郎の観 . . . 本文を読む
日本で一番最後に出来たお城は、私の実家のある豊前市にある。
豊前小笠原新田藩の居城としての築城はなんと明治2年だ。その
たった1年数ヶ月後に廃藩置県となり、居城も廃城取り壊しとな
った悲運の城である。
で、私とその城の関係はというと、実は養父の家はこの城が築
城された一帯を納める豪農であった。築城への領土提供、労働力
提供などにも関わっており、養父の実家は解体した城の木材で建
築され現在も母 . . . 本文を読む
今日は予定通り西鉄宮地岳線の3月末廃止区間へ、撮影に出か
けた。朝からキレイな青空。ずっと悩まされ続けてきた杉花粉も
そろそろ終わりの時期で、体調は久しぶりに良い。地下鉄経由で
貝塚から宮地岳線へ乗り換える予定だったが、残念なことに午後
一に仕事の打合せが入ってしまい、時間短縮のため結局車で移動
することにした。
宮地岳線のダイヤは約10分に1本電車が通る。単線なので、
車での移動が実は無駄 . . . 本文を読む
西日本鉄道は来年が操業百年。資料提供で協力したり、早くも
来年の記念企画展も話を進めている。西鉄電車「コンパス」57
号(最新号)はこの3月末で一部路線が廃止となる宮地岳線の特
集である。連日、鉄道ファンが撮影などで押し掛け賑わっている
ようだが、私も撮影に行きたくてウズウズしている(笑)。この
時期は毎年、一年で一番仕事が忙しい季節なので、この状態がす
でに2ヶ月続いているのだからたまらない! . . . 本文を読む
昨日3日桃の節句、娘と一緒に楽しみにしていたG2の新作演劇
「地獄八景浮世百景」を北九州へ観に行った。芝居好きの家族で
あるが、この芝居は古典落語を元ネタにしたもので特に観たかっ
た。松尾貴史、升毅をはじめ佐藤アツヒロや高橋由美子らが絶妙
の間とセリフ廻しであっという間の2時間30分であった。
http://www.g2produce.com/other/ukiyo/
千秋楽を翌日に控えた、観 . . . 本文を読む