４月１１日、劇団藍色りすとの舞台「ソレカラ.」を観に行った。作・
演出の太田美穂さんから案内をもらっていたが、直前の予定が不確定だ
ったのでチケットを申し込んだのは２日前。初日当日の大博多ホールは
ほぼ満員だった。
女性劇団だけに舞台に立つのは一人を除いて皆女性だ。しかし実際の
舞台ではそれが全く気にならないほど、ダイナミックでテンポ良い、メ
リハリの効いた演出で楽しませてくれる。二重人格の主人公の日常から
進展する非日常的進化、二つの人格それぞれが持つ正反対の夢、藍色り
すとの舞台はいつも「心」をテーマに、共感できる部分が必ずあって観
終わった後が心地よい。
藍色りすと
１８日朝、西鉄ＯＢのＯさんから電話をいただいた。退職して３０余
年、今年９０歳である。２月末に最初に電話をいただいた。１１月の新
聞記事を大切に取ってくれていて、息子さんツテで電話をくれた。数年
前に脳梗塞で片麻痺状態となり車椅子生活、数日後に初めてご自宅を訪
ねた。
それから１ヶ月半、Ｏさんは私のリクエストに応えてくれてご自身で
数十年かけて集めた紙モノ資料をまとめてくれていた。西鉄関連の資料
もキレイに整理されている。私が観たことがない九州電気軌道や九州鉄
道などのパンフレットもあった。さらに西鉄さんにも遺っていない市内
電車の電停別町名案内手帳なども拝見する。実際に市内電車の助役だっ
たＯさんが使用していたものでナンバリングが入っている。
元々は煙草票の収集が主だったというＯさんは福岡の郵趣会の立ち上
げにも関わられたそうだ。拝見したアルバムには３０数年前にＴＶ番組
に出演した際の写真なども多数あり、結構有名人である。西鉄７０周年
誌など過去の記念誌にも資料を提供しておられた。
さらに私を驚喜させたのは、吉田初三郎の折図を中心に鳥瞰図類が多
数あったこと。初三郎図だけで数十点、私の持っていない図もある。犬
山蘇江画室の挨拶状などの資料もあるのだが、当の本人は全く興味なく
初三郎もご存じ無い。集めた資料の中に偶然あった訳である。
圧巻は数万点ある鉄道切符や親しかった某著名和尚とやりとりを続け
たという膨大な絵手紙の数々。大半が肉筆画で私も良く知っている絵で
ある。これだけで色んな企画展が組めそう、Ｏさんは熱心に説明を聞く
私が訪ねてくるのをいつも楽しみに待ってくれている。Ｏさんの希望も
あって、ＧＷ前に鑑定家（絵葉書会長）を連れて改めて伺うことにした。
２１日、小倉市鳥瞰図の絹本を所有している方に連絡を入れた。５年
前の初三郎展開催の折、その方のお兄さんが現物を持参して会場のゼン
リン地図の資料館へ来てくれたが、私はその方に会わず終いでその後す
ぐにその方は亡くなられた。絹本が弟さんの元へ移ったのを聞き、何度
か連絡を試みてようやく接触できた訳である。２４日に東広島のご自宅
へ伺う約束をした。
下関駅前で土産物・十千万洞（とちまんどう）を経営していたのはそ
の方のお父様。昭和７年の新聞記事に、十千万洞主人の招聘で鳥瞰図の
大家・吉田初三郎が下関を訪れ、踏査取材や地元の歓迎ぶりが取り上げ
られている。その時の絹本原画は下関市立長府博物館に２点遺る。
十千万洞はその後、戦時中は奥さんの里の長崎へ疎開。戦後は小倉で
事業を再開して昭和３５年の小倉市政６０周年の際に、幻の「小倉市観
光鳥瞰図」を依頼。しかし既に初三郎は死去し、二代目こと朝太郎氏の
作で描かれたものである。印刷版は未見、しかし京都のお孫さんの処に
印刷原稿がそのまま遺っていて、私が数年前に引き取っている。
その資料のうちの写真など数点、２５日までゼンリン地図の資料館で
開催中の「地図と古写真で辿る小倉近代史展」にて公開中。２４日～２
６日は周防大島、防府市、東広島市、備後府中市、松山市、八幡浜市、
そして宇和島市と西予市にある愛媛県歴史文化博物館を巡る。同館には
初三郎の印刷資料約５００点が最近収蔵されており、未見の九州関係の
作品をチェックする予定。
今日の写真は、初三郎最晩年の「寒河江市景勝鳥瞰図」直筆トレース画
の部分。原寸幅６０cmほどの小品。絹本原画は愛媛の春霜堂さんで３年
ほど前に発見された。絵葉書会神戸幹事のＹ氏より数年前に紹介いただいた。
明治の町家 姫路の春霜堂
Ｙ氏のサイト・ジャパンメモリー／神戸開港140年記念「識る力」出版！
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オールド地図鳥瞰図コレクション・吉田初三郎ほか
演出の太田美穂さんから案内をもらっていたが、直前の予定が不確定だ
ったのでチケットを申し込んだのは２日前。初日当日の大博多ホールは
ほぼ満員だった。
女性劇団だけに舞台に立つのは一人を除いて皆女性だ。しかし実際の
舞台ではそれが全く気にならないほど、ダイナミックでテンポ良い、メ
リハリの効いた演出で楽しませてくれる。二重人格の主人公の日常から
進展する非日常的進化、二つの人格それぞれが持つ正反対の夢、藍色り
すとの舞台はいつも「心」をテーマに、共感できる部分が必ずあって観
終わった後が心地よい。
藍色りすと
１８日朝、西鉄ＯＢのＯさんから電話をいただいた。退職して３０余
年、今年９０歳である。２月末に最初に電話をいただいた。１１月の新
聞記事を大切に取ってくれていて、息子さんツテで電話をくれた。数年
前に脳梗塞で片麻痺状態となり車椅子生活、数日後に初めてご自宅を訪
ねた。
それから１ヶ月半、Ｏさんは私のリクエストに応えてくれてご自身で
数十年かけて集めた紙モノ資料をまとめてくれていた。西鉄関連の資料
もキレイに整理されている。私が観たことがない九州電気軌道や九州鉄
道などのパンフレットもあった。さらに西鉄さんにも遺っていない市内
電車の電停別町名案内手帳なども拝見する。実際に市内電車の助役だっ
たＯさんが使用していたものでナンバリングが入っている。
元々は煙草票の収集が主だったというＯさんは福岡の郵趣会の立ち上
げにも関わられたそうだ。拝見したアルバムには３０数年前にＴＶ番組
に出演した際の写真なども多数あり、結構有名人である。西鉄７０周年
誌など過去の記念誌にも資料を提供しておられた。
さらに私を驚喜させたのは、吉田初三郎の折図を中心に鳥瞰図類が多
数あったこと。初三郎図だけで数十点、私の持っていない図もある。犬
山蘇江画室の挨拶状などの資料もあるのだが、当の本人は全く興味なく
初三郎もご存じ無い。集めた資料の中に偶然あった訳である。
圧巻は数万点ある鉄道切符や親しかった某著名和尚とやりとりを続け
たという膨大な絵手紙の数々。大半が肉筆画で私も良く知っている絵で
ある。これだけで色んな企画展が組めそう、Ｏさんは熱心に説明を聞く
私が訪ねてくるのをいつも楽しみに待ってくれている。Ｏさんの希望も
あって、ＧＷ前に鑑定家（絵葉書会長）を連れて改めて伺うことにした。
２１日、小倉市鳥瞰図の絹本を所有している方に連絡を入れた。５年
前の初三郎展開催の折、その方のお兄さんが現物を持参して会場のゼン
リン地図の資料館へ来てくれたが、私はその方に会わず終いでその後す
ぐにその方は亡くなられた。絹本が弟さんの元へ移ったのを聞き、何度
か連絡を試みてようやく接触できた訳である。２４日に東広島のご自宅
へ伺う約束をした。
下関駅前で土産物・十千万洞（とちまんどう）を経営していたのはそ
の方のお父様。昭和７年の新聞記事に、十千万洞主人の招聘で鳥瞰図の
大家・吉田初三郎が下関を訪れ、踏査取材や地元の歓迎ぶりが取り上げ
られている。その時の絹本原画は下関市立長府博物館に２点遺る。
十千万洞はその後、戦時中は奥さんの里の長崎へ疎開。戦後は小倉で
事業を再開して昭和３５年の小倉市政６０周年の際に、幻の「小倉市観
光鳥瞰図」を依頼。しかし既に初三郎は死去し、二代目こと朝太郎氏の
作で描かれたものである。印刷版は未見、しかし京都のお孫さんの処に
印刷原稿がそのまま遺っていて、私が数年前に引き取っている。
その資料のうちの写真など数点、２５日までゼンリン地図の資料館で
開催中の「地図と古写真で辿る小倉近代史展」にて公開中。２４日～２
６日は周防大島、防府市、東広島市、備後府中市、松山市、八幡浜市、
そして宇和島市と西予市にある愛媛県歴史文化博物館を巡る。同館には
初三郎の印刷資料約５００点が最近収蔵されており、未見の九州関係の
作品をチェックする予定。
今日の写真は、初三郎最晩年の「寒河江市景勝鳥瞰図」直筆トレース画
の部分。原寸幅６０cmほどの小品。絹本原画は愛媛の春霜堂さんで３年
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