◆新約聖書を読んだときに分からないのは第一にイエスの話されることが何を言っているのか、すぐには分からない箇所があることだ。さらにヒューマニテックに思っていれば、そう簡単なことではないと思われたりするのである。別に実はこれは時代とか、風習とか、学がないとか凡人だとかということではなくてである。第一に当時のバリバリの秀才(あえてこう書く)にあってもさっぱりだった。神学に於いても一様の解釈の答えではない文言もある。それは、彼は僕らが生きて目で見、耳で聞き、頭で考えるという次元以上の次元から、それは霊的次元から、あるいは黄泉の次元から、つまるところすべての次元を行きっ戻りつ語られる言葉、しかも真実として語られるからである。この世の機構と言おうか、万物が創造されし神のプログラムと言おうか。それはこの世界の次元では、どうしてもあり得ないこととか、あるいは極端な言葉が発せられているが故に、更には先の学者たちが、みずからの示された処を書物に現している見解の違いという場合もある。初めては心情的に捉えるのが多くの人々の体験であろうと、しかし、彼の言葉はそこに留まってはいけないことを示している。◆イエスご自身がこう言っている。「あなたはイスラエルの教師でありながらこんなこと(イエスが例えで今話したこと)も分からないのか。地上で起こっていることを話して分からなければ、天上で起こっていることを話してもなおさら分からないだろう。」とは、何度か取り上げた箇所である。その事実。これは、ニコデモというイスラエルのイエスを心の中で慕う教師が、夜にイエスに話を聞きに来た場面で話されたことだ。(ヨハネ伝3章)さらに実際、自分の言葉で聖書を読むと話した言葉が、反対のことを言っているように読めるところもある。そこで僕らは、恐れを感じるのだ。心情的に捉えて、その信仰を貫き通せればそれに超したことはないが、事実はそれは入り口である。深く自分の言葉で、突き止めることである。その時、分からねば、体験によって時間を掛けて教えられるであろうことを信ずる。◆彼の言葉を読むことの一つのヒント。それは、霊的次元を意識しつつ彼の言葉とその業を読み取ることである。「生きるもの死んだもの」という言葉もそうである。「生きるもの」とは、神の霊に繋がるものであるし。「死ぬもの」とは、神の霊から切り離されて死を迎えるとその個体と共に消滅していくものである。それでさきに取り上げた「あなたがここに転生した理由」に書かれている、死後の霊の行き所のないそれらの霊は、少なくともあからさまな霊のありように、この地上に未練があれば転生としてふたたび違う人生を(その本人は過去生を知らない)生き続けるのである、となる。ここに「永遠の命」というヨハネ伝で多く出てくる言葉が取り上げられるのだが、神からの地上派遣の意味を知り、彼の使命を信じた者は自分の死後のあからさまな霊のありように、基督のあがないの保証書を手に入れているので、天国の入り口では、基督を礼服に着ているために内なる諸々のすべての罪の解消が行われて居るため、基督の礼服をまとい、堂々と天国の門に入場できるのである、となるのである。したがって、次の自分の過去生を知らない人に転生することなどなく、しっかりと自分であることを自覚して、肉対を持つ本当の自分として復活し、天上に多くのそのような信者と共にあるのである。まことの自分であることが理解されるのである。「あらたに生まれなければ神を見ることはできない」と言われた意味は、そういう意味なのだ。彼らは、まっとうな自分の霊としてそれを持ち、天国の礼拝に招かれるのである。「永遠の命」を明確に語っているのは、世界のベストセラー「聖書」のみである。
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