おやままさおの部屋

阿蘇の大自然の中でゆっくりのんびりセカンドライフ

さらに市川拓司の「そのときは彼によろしく」

2010年10月31日 07時35分43秒 | 日記
夜、いつもなら酔っていて本を開いても、数ページを捲るまでもなく催眠術のかかったように深い眠りについていたのに、今度の本は時間を忘れたかのように意識を覚醒させる。・・・ちょっとこれは過剰なレトリックだな。ほんとはこれまでの本の倍くらいのページで「違う世界」に入っていくのだけれどー

さて、今朝目覚めたのは5時ちょっと過ぎだった。トイレにたってすぐ「そのときはー」を開いた。
13,4歳の頃の少し、いやだいぶ変わった二人の男の子と少年みたいな女の子そう3人だけの、3人と一匹の風変わりな犬「トラッシュ」の夢のような、そこだけが祖ポットライトに照らされているかのような楽しかった日々がある。まるで「スタンドバイミー」の映画のようにー



そして突然の別れ。
それから15年。智史がこの物語の主人公。そして少年時代に運命的な出合いをし深い絆を持った佑司と花梨。
智史は小さなアクアショップの経営者。そして結婚相談で紹介され知り合った美咲。美咲は「世界で二番目に好きな女性。もちろん一番目は花梨。
15年間、音信が途絶えていた3人が運命の糸に操られて再開していく。
智史にとってすでに「恋人」になっている美咲との前に、15年間一時も忘れたことがなかった花梨が違う名前で、そしてその子は映画女優やモデルで名声を博していた。鈴音という名前のその子が花梨であることが暫くして智史が気付く。
運命の歯車は微妙な音を立てて少しずつ狂い始める。
美咲が昔別れた男と再会し、パリに去ってしまう。残された智史と花梨。そして佑司の近況が知らされる。15年の時を超えて3人を引き合わせることになる。しかし、二人と佑司との再会は病院の救急治療室の冷たく厚いガラス窓を挟んでー

花梨には謎があった。夜になっても決して眠らない。そして、謎の「薬」を服用していること。
眠れないから睡眠導入剤か、はたまた芸能界で持て囃されていた彼女が身に付けた怪しい薬なのか・・・



ところが読者の推測を糸も簡単に裏切ってしまう筋書き。眠らない薬という逆転。眠ると「違う世界」に入り込んで帰って来れなくなる。花梨にいたもう一人の双子の片割はずーっと眠り続けていて「違う世界」の住人になっている。

筋書きを辿るのは止めよう、これから読む人にとってそれを知ったら興味が半減してしまう。
本を読んでの感想ー懐かしい自分の少年時代を思い出させてくれた。そして、随分読んだ河合隼雄、ユングの深層心理の世界のことを思った。共時性=シンクロにシティーというものを私も今でもこの歳になって信じている。人は全てどこかでしらないところでつながっている。デジャブはふとしたきっかけで出会う人が以前見た事があると感じることだが、違うんだ。生まれるずーっと前どこかの世界で出会っているのだ。だから偶然の出合いのようで必然の再開である可能性を私は信じている。「違う世界」に行って眠れる森の美女になってしまった花梨を目覚めさせるのは、智史の突然逝去した父親で、佑司の目を覚まさせるのは深い眠りに入った花梨なのだ。この物語は二つの世界が交差する。一つはリアルの現実ともうひとつ「夢」の世界。それは「死後の世界」といってもいいだろう。
読んでいて決して気持ちが重苦しくならない。ストーリーの奇抜さがあって、奇想天外な展開に読者が踊らされていく。そして結末。
市川君、ちょっとだけ苦言。エピローグが安易ではなかったかー。もっと長く書いて長編にして書き続ける予告としてだったらいいのだが、「もう時間ですよ」って急き立てられて中断した感あり。
でも久しぶりに面白い小説を読ませてもらった。

さらに市川拓司の「そのときは彼によろしく」

2010年10月31日 06時40分14秒 | 日記
夜、いつもなら酔っていて本を開いても、数ページを捲るまでもなく催眠術のかかったように深い眠りについていたのに、今度の本は時間を忘れたかのように意識を覚醒させる。・・・ちょっとこれは過剰なレトリックだな。ほんとはこれまでの本の倍くらいのページで「違う世界」に入っていくのだけれどー

さて、今朝目覚めたのは5時ちょっと過ぎだった。トイレにたってすぐ「そのときはー」を開いた。
13,4歳の頃の少し、いやだいぶ変わった二人の男の子と少年みたいな女の子そう3人だけの、3人と一匹の風変わりな犬「トラッシュ」の夢のような、そこだけが祖ポットライトに照らされているかのような楽しかった日々がある。まるで「スタンドバイミー」の映画のようにー



そして突然の別れ。
それから15年。智史がこの物語の主人公。そして少年時代に運命的な出合いをし深い絆を持った佑司と花梨。
智史は小さなアクアショップの経営者。そして結婚相談で紹介され知り合った美咲。美咲は「世界で二番目に好きな女性。もちろん一番目は花梨。
15年間、音信が途絶えていた3人が運命の糸に操られて再開していく。
智史にとってすでに「恋人」になっている美咲との前に、15年間一時も忘れたことがなかった花梨が違う名前で、そしてその子は映画女優やモデルで名声を博していた。鈴音という名前のその子が花梨であることが暫くして智史が気付く。
運命の歯車は微妙な音を立てて少しずつ狂い始める。
美咲が昔別れた男と再会し、パリに去ってしまう。残された智史と花梨。そして佑司の近況が知らされる。15年の時を超えて3人を引き合わせることになる。しかし、二人と佑司との再会は病院の救急治療室の冷たく厚いガラス窓を挟んでー

花梨には謎があった。夜になっても決して眠らない。そして、謎の「薬」を服用していること。
眠れないから睡眠導入剤か、はたまた芸能界で持て囃されていた彼女が身に付けた怪しい薬なのか・・・



ところが読者の推測を糸も簡単に裏切ってしまう筋書き。眠らない薬という逆転。眠ると「違う世界」に入り込んで帰って来れなくなる。花梨にいたもう一人の双子の片割はずーっと眠り続けていて「違う世界」の住人になっている。

筋書きを辿るのは止めよう、これから読む人にとってそれを知ったら興味が半減してしまう。
本を読んでの感想ー懐かしい自分の少年時代を思い出させてくれた。そして、随分読んだ河合隼雄、ユングの深層心理の世界のことを思った。共時性=シンクロにシティーというものを私も今でもこの歳になって信じている。人は全てどこかでしらないところでつながっている。デジャブはふとしたきっかけで出会う人が以前見た事があると感じることだが、違うんだ。生まれるずーっと前どこかの世界で出会っているのだ。だから偶然の出合いのようで必然の再開である可能性を私は信じている。「違う世界」に行って眠れる森の美女になってしまった花梨を目覚めさせるのは、智史の突然逝去した父親で、佑司の目を覚まさせるのは深い眠りに入った花梨なのだ。この物語は二つの世界が交差する。一つはリアルの現実ともうひとつ「夢」の世界。それは「死後の世界」といってもいいだろう。
読んでいて決して気持ちが重苦しくならない。ストーリーの奇抜さがあって、奇想天外な展開に読者が踊らされていく。そして結末。
市川君、ちょっとだけ苦言。エピローグが安易ではなかったかー。もっと長く書いて長編にして書き続ける予告としてだったらいいのだが、「もう時間ですよ」って急き立てられて中断した感あり。
でも久しぶりに面白い小説を読ませてもらった。

雷とパソコン

2010年10月30日 07時07分12秒 | 日記
田舎暮らしを始めて半年、この谷間の村には都市(まち)にあるようなものはほとんどといいていいくらに何もない
デパートはもちろんのことスーパーさへも車で10分の距離に一つだけあるのみ。外輪山の麓で別荘地として開発された場所であるから、自然の中にあって、周りに何もないことがその建設要件なのだろうから致し方ないのかもしれない。
道の駅で毎日の買い物の用を足すことはできないので、買いだめしている。
街灯さへないから、夜は真っ暗。お隣さんに遠来の客があって、夜鮭を飲んだ後、歩いて(距離にして1.2kmほど)村営の温泉に行こうとされた。ところが真っ暗闇の中を進んでいる時、つい道路脇の畑に足を滑らせて落ち、救急車を呼ぶような事態となった。全治2ヶ月、足の複雑骨折。その客は今地元の病院で入院治療を受けてるとのこと。
近代文明に慣れてしまった人間にとって、長い間に染み付いた「文化」はそうは抜けない。
寿司が食いたいと思っても、山の中には海の鮮魚を望みようがない。生ビールが飲みたいと思っても、そんなスポットはない。
あくまで閑雅の中に美を悦を求めていくしかない。一種の「さとり」の境地だ。

しかし、都市文明から完全孤立して良寛のように、ひとり五合庵で孤独で貧しく、しかし清雅に精神性だけは高踏なる生き方を求めて生きていけるかというとそれは不可能だ。世俗を脱し仏の導きだけを信じて静かに倹しく生きることはできない。
田舎暮らしのジレンマではある。

私は俗世間を超脱してここに移り住んだのではあるが、世界との繋がりを切断することなしに、情報のコミニケーション手段だけは確保している。TVもラジオもあるし、まだ夫婦それぞれ携帯を使用しているし、家の固定電話さへ存在している。新聞も配達してもらっているけれど、一番大切なものと思うのは、このPCだと思う。今、この場所で世界に通じる、世の中の動きを早く知ることができる。21世紀に生きる者にとって情報の遮断は不可能だと思う。そしてその必要性を痛切に思う。卑俗な流行を超脱することは何らの不都合は感じないのだがー

家のリビングにおいているデスクトップ型のPCと、離れ書斎においているパーソナルなノート型PC。今そのノート型でこれを打っている。
この夏、8月の終わり頃だった阿蘇一体が毎日のように雷に見舞われた。全国的にも今年話題になっていたが、雷がなるだけならまだしも落ちるのだ。人的被害はないものの先進情報機器が被害を受けた。前後ろの隣家では電話とファックスがやられた。我が家ではデスクトップがまったく立ち上がらなくなった。

完全に先日、町に下りてコンピューター専門店に持っていったところアウトという。
ところが不幸中の幸い。保険の中の家財保険にひっかりそうである。雷で機械が破損したという照明が得られれば保障されるというのだがーさてどうなるか?現在、PCのメーカーに送って精密に検査しているところ。そろそろその結果が届くものと思うが・・・
もし、保障されるとしたらどんなPCにしようかな?ワクワクする。

「そのときは彼によろしく」

2010年10月29日 07時20分07秒 | 日記
昨日は妻の実家で一日みかんの収穫の手伝いをした。
今年はみかんが「裏年」というけれど、素人目にはわからない。ただまだ個体の色が黄色一色に染まっていず所々に緑が残っている。だから見た目で緑の少しでも残るみかんは避けてちぎることとはじめに注意を受けた。



疲れて帰って、風呂で体を温めてから夕食。ビールを飲んで、焼酎を飲んで、妻の熱燗にも付き合ってすっかり出来上がって早めに床についた。

体が日頃と違う動きをしたためか?興奮して夜中に何度も目が覚めてしまった。その都度、読みかけの小説を読む。

2時に起きて、その時は頭がまだぼーっとしていて酔いが醒めきれていなかった。はじめ風邪引いたかなと心配したのだが、「酒」の所為だと納得。読書。
そして5時前に起きた。もう酔いは醒めている。ページ数が70位になった。また眠る。そしてさっき起き出した。

市川の小説は二度目だったように思う。「そのときは彼によろしく」はいい。村上春樹を思い起こす。文章は平易だが、ストーリーが郷愁を誘い、夢を見させてくれる。子供の時確かにこんなことあったよなー
いつも遊んでいたあの子今どうしているのかな・・・初めてのキスをしたあの子はーはて初めてのキスって誰だっけ???

15,6年ぶりに再会するおとことおんな。まだ途中なのでこれからどう展開していくのか興味津々。胸躍らせる内容で急ピッチで読み進むとあすにも読了しそう。それはちょっと寂しい気がする。いつも横に置いて少しずつ話を進めていたい。そうだ、純情だった高校生の頃、「緑の館」って本を読んだ時の、心の動き、映画「サウンドミュージック」を見た時の印象に近い。(まだ半分のところだがー)

富山の鱒すじ

2010年10月27日 06時59分20秒 | 日記
昨日は雨が上がったのはやはり心が躍るような思いがしたものの、急に寒くなって心身その寒さに戸惑ってしまった。

昨夜は隣人から頂いた富山の鱒寿司をありがたく食べた。これは流石にHさん曰く「是非これをおやまさんに食べていただきたくてー」彼は以前勤めていた会社の支所がここにあって、しばらく勤めておられたのだろう。名物らしい。
私立高校勤務37年、一度も出張以外で熊本を離れたことはない。富山は結婚5周年で記念旅行をした時に高山に行く際に、京都から福井、金沢を通って富山を過ぎって中央山地へ入っていった。その時、暴走族に後ろから煽られ嫌な感じだけが残ってしまった。以後一度もいっていない。
しかし、丸い木製(何の木かわからない)の曲物(わっぱ)に熊笹を敷き詰め、そこにピンク色をした鱒を酢飯の上に載せている。鱒は塩漬けして発酵させた後、酢で味付けしたもの。もともと寿司大好き人間である私にとって、これは最高に良かった。
寿司屋でも鋤きなのネタは鯖(ばってらや鯖の握り)、こはだ、アジ、いわしなどの青物が鋤きなのだがそれと並んで鮭=シャケが好きなのだ。

この村のウォーキングコースの途中に渡る橋の下にヒメマスがいると教えてくれた地元の釣り人がいたが、まだお目にかかっていない。渓流釣りには数日前にいつもの場所(下の写真)
で釣り糸を垂れたのだが、鱒はおろか山女もこず、残念。

ヒメマスもピンクの身をして、鮭のような味だと思うのだがー
鱒寿司は美味かった。

さて、本題。どうも昨日は木枯らしが吹いたのではないかと思う。秋冬になると途端に風向きが南風から北東風に変わる。その冷たいこと。そしてこのカルデラを吹く風の強さといったら・・・
気温がぐんぐん下がって、キャベツとブロッコリーの苗を作っている途上なのだが寒さで萎れていた。夜、暑がりで寒がりの妻はとうとうガスストーブを出して、火を入れた。ちょっと早いと思うのだが、風邪を引かれるよりはいい。

♪これから寂しい冬です。♪厳しい寒さの冬という季節があるからこそ、待ち遠しい春が輝くのだ。春夏秋冬、これから耐え忍ぶ季節だが、暫くは紅葉を楽しめる。もうすぐ山は色づき始める。