ミヤマカラスアゲハは日本産の蝶の中でも、最も美しい種類のひとつといわれている。私は小学生の頃、夏休みの宿題に昆虫採集を始めて以来高校生ごろまでは蝶の採集に夢中になっていたことがある。その時も、ミヤマカラスアゲハは捕らえることができなかった憧れの蝶であったと思う。
昨年、軽井沢に住むようになって、時々それらしい姿を目にするようになっていたが、素早く飛び去っていく姿からは、それがミヤマカラスアゲハか類似のカラスアゲハかは確かめることができないでいた。
7月下旬、妻の誕生日祝いに食事に出かける途中、離山通りを歩いていて、反対側の歩道に黒い蝶が行き倒れ状態になっているのを見つけた。近寄ってみると、ミヤマカラスアゲハのようで、弱っているもののまだ生きていたので、持っていた紙にそっと挟んでそのまま食事に行き、持ち帰ることにした。
道路側に飛び出して車に轢かれてしまうのを避けるためだ。実際、軽井沢では道路上に、車に轢かれたと思われる黒い蝶の姿を時々見かけていた。
離山通りで保護したミヤマカラスアゲハ♂(2016.7.21撮影)
このミヤマカラスアゲハは飛び立つだけの力はなかったが、ブッドレアの蜜を吸わせるなどして数日間は生き続けそして死んだ。翅は少し傷んでいたが、妻がきれいに展翅をして標本箱に収めることにした。
その後、今度は南軽井沢の別荘地付近を車で走っているときに、目の前を黒い蝶が通り過ぎた。あたりを見回すと、道路を少し下ったところに「クサギ」の花が咲いているのが目に留まった。クサギはアゲハ類の蝶が好んで吸蜜に訪れる花を咲かせる。
クサギの花(2016.8.5 撮影)
車を降りて近寄ってしばらく様子を見ていると、次々と黒いアゲハがやってきていて、クロアゲハ、オナガアゲハに混じって強い光沢のカラスアゲハかミヤマカラスアゲハもいることが分かった。
この日はカメラを用意していなかったので、その後この場所には数回通って写真撮影に挑戦し、撮影した写真からミヤマカラスアゲハもいることが確認できた。
クサギの花を訪れるミヤマカラスアゲハの♂(2016.8.9 撮影)
クサギの花を訪れるミヤマカラスアゲハの♀(2016.8.9 撮影)
ミヤマカラスアゲハとカラスアゲハはとてもよく似ていて、素人目にはなかなか判別がつきにくい、私よりも蝶のことに詳しい妻や友人に撮影したこれらの写真を見てもらって、ミヤマカラスアゲハの写真を選び出すことができた。
決め手は、後翅裏に白い帯があるかどうかと、強い光沢のある帯の幅であった。上掲の写真は2枚とも表面だけが写っているので、この白い帯は確認できないが、同時に撮影した他の写真と見比べながら判定した。
雌雄の判別については、雄の前翅表の下側に現れる性標という黒い帯で判断する。これは上掲の写真にもはっきりと現れている。
このミヤマカラスアゲハの幼虫をできれば飼育して、その生態撮影をしてみたいとの思いがあって、食樹の「キハダ」を自宅に植えてあるのだが、卵や幼虫の発見はおろか、蝶が訪れる様子は今年はまだない。樹がだいぶ大きく育ってきているのでこれからを楽しみにしていきたい。
昨年、軽井沢に住むようになって、時々それらしい姿を目にするようになっていたが、素早く飛び去っていく姿からは、それがミヤマカラスアゲハか類似のカラスアゲハかは確かめることができないでいた。
7月下旬、妻の誕生日祝いに食事に出かける途中、離山通りを歩いていて、反対側の歩道に黒い蝶が行き倒れ状態になっているのを見つけた。近寄ってみると、ミヤマカラスアゲハのようで、弱っているもののまだ生きていたので、持っていた紙にそっと挟んでそのまま食事に行き、持ち帰ることにした。
道路側に飛び出して車に轢かれてしまうのを避けるためだ。実際、軽井沢では道路上に、車に轢かれたと思われる黒い蝶の姿を時々見かけていた。
離山通りで保護したミヤマカラスアゲハ♂(2016.7.21撮影)
このミヤマカラスアゲハは飛び立つだけの力はなかったが、ブッドレアの蜜を吸わせるなどして数日間は生き続けそして死んだ。翅は少し傷んでいたが、妻がきれいに展翅をして標本箱に収めることにした。
その後、今度は南軽井沢の別荘地付近を車で走っているときに、目の前を黒い蝶が通り過ぎた。あたりを見回すと、道路を少し下ったところに「クサギ」の花が咲いているのが目に留まった。クサギはアゲハ類の蝶が好んで吸蜜に訪れる花を咲かせる。
クサギの花(2016.8.5 撮影)
車を降りて近寄ってしばらく様子を見ていると、次々と黒いアゲハがやってきていて、クロアゲハ、オナガアゲハに混じって強い光沢のカラスアゲハかミヤマカラスアゲハもいることが分かった。
この日はカメラを用意していなかったので、その後この場所には数回通って写真撮影に挑戦し、撮影した写真からミヤマカラスアゲハもいることが確認できた。
クサギの花を訪れるミヤマカラスアゲハの♂(2016.8.9 撮影)
クサギの花を訪れるミヤマカラスアゲハの♀(2016.8.9 撮影)
ミヤマカラスアゲハとカラスアゲハはとてもよく似ていて、素人目にはなかなか判別がつきにくい、私よりも蝶のことに詳しい妻や友人に撮影したこれらの写真を見てもらって、ミヤマカラスアゲハの写真を選び出すことができた。
決め手は、後翅裏に白い帯があるかどうかと、強い光沢のある帯の幅であった。上掲の写真は2枚とも表面だけが写っているので、この白い帯は確認できないが、同時に撮影した他の写真と見比べながら判定した。
雌雄の判別については、雄の前翅表の下側に現れる性標という黒い帯で判断する。これは上掲の写真にもはっきりと現れている。
このミヤマカラスアゲハの幼虫をできれば飼育して、その生態撮影をしてみたいとの思いがあって、食樹の「キハダ」を自宅に植えてあるのだが、卵や幼虫の発見はおろか、蝶が訪れる様子は今年はまだない。樹がだいぶ大きく育ってきているのでこれからを楽しみにしていきたい。