今やスマホのカメラにも搭載されているタイムラプス撮影機能。これまでTVのネイチャー番組などでこのタイムラプスを用いて撮影した映像を見る機会があったが、自分で撮影している人は少ないのではと思う。
一定時間間隔で被写体を連続撮影し、これを再生すると早送りの映像を見ることになる。草花が開花する様子や、昆虫の羽化シーンなど、実際はゆっくりとした変化なので、普通には見ることのできないシーンに驚いたり、感動したりするのであるが、この場合カメラは三脚などに固定して撮影する。
しかし、最近TVで見たものなどは、スマホを片手に持ってタイムラプス撮影を行っていて、新しい使い方が試みられている。
私の場合は、ビデオカメラの機能の一つにタイムラプスがあるのでもっぱらそれを利用している。
これまでにも、オオムラサキなどのチョウの幼虫の脱皮の様子や蛹化・羽化シーン、ウスタビガやヤママユなどの繭つくりの様子など、実時間で見ていたのではなかなかわからない昆虫の生態を撮影してきた。
また、冬に氷が出来ていく様子、ランの花が開くところなども試みてきた。
今回もまたその延長上にあるタイムラプス撮影映像を紹介させていただく。
私が使用しているビデオカメラ JVC-GS-TD1 のタイムラプス撮影機能は、1秒、10秒、80秒ごとに1コマ撮影を行うようになっている。
通常ビデオ撮影では、1秒間に30コマの撮影を行っているので、上記の各設定条件で撮影を行うと、それぞれ30倍、300倍、2400倍の速さで再生映像をみることになる。
ブログなどに掲載する映像は長くても3分程度にすることが好ましいと思っているので、上記各条件で撮影すると、3分間でそれぞれ1時間半、15時間、5日間の出来事を再生できることになる。
撮影対象によっては、こうした条件で撮影したものをさらに編集することで、昆虫などの示す変化や動きをよりわかりやすくし、かつ所定の再生時間内に収めるといった工夫が必要になる。
今回はタイムラプスでタンポポの開花、綿毛ができる様子、ウスタビガの繭作りそして胡蝶蘭の花が次々に咲くところを撮影した。
最初は庭に咲いているセイヨウタンポポの開花の様子。初めて開花してから、3日間ほどは朝に開花し、夕方にはしぼむといったことを繰り返す。日照条件にもよるが1-2時間で開花する。
30倍タイムラプスで1時間ほど撮影したものを、更に短く編集した。
セイヨウタンポポの開花 ( 2020.5.6, 8:25~9:30 30倍タイムラプス撮影を編集)
花が咲き終わると茎は一旦倒れるが、数日後に再び茎が立ち上がると綿毛の準備ができた合図である。花の場合は朝咲くのでタイミングをとりやすいが、綿毛が開くタイミングは捉えづらいため、切り取って室内に持ち込んで撮影した。2400倍のタイムラプスを用いた。
タンポポの綿毛ができる様子 ( 2020.6.4, 22:18~6.5, 21:54 2400倍タイムラプス撮影)
次は300倍のタイムラプスで撮影したもので、ウスタビガの終齢幼虫がヤマカマスと呼ばれる繭を作る様子。繭作りは3日以上に及ぶが、これはその前半、ほぼ繭の形が出来上がるまでで、ヤマカマスに特有の出口部分は、この後も更に念入りに糸を吐いて仕上げていく。
ウスタビガの繭作り2020 ( 2020.7.7, 18:12~7.9, 21:59 300倍タイムラプス撮影)
次は、コチョウランの花が次々と咲いていく様子。全部で8個の花を付けたが、これだけ多くの花を付けたのは、一昨年胡蝶蘭を栽培するようになってからはじめてのこと。
初めのうちは、ただ眺めていたが4番目の花が開くところから思い立って撮影を始めた。撮影開始が、5月26日16時頃で、8番目の花が咲き終わったのが、6月13日12時頃であるから、19日間かけての撮影になった。これは2400倍のタイムラプスで撮影したものを更に編集している。
コチョウランの開花の様子( 2020.5.26, 16:39~6.12, 12:00 2400倍タイムラプス撮影)
【追記】このコチョウランの花は随分長く咲き続けている。もともと花の寿命が長いとは感じていたが、咲き始めからずっと追跡したことはなかったのでその様子を追うことにした。