ジャコウアゲハの幼虫の飼育を始めてすぐにピンチが訪れた。Mさんから分けていただいて、鉢植えにしてあったウマノスズクサの葉がしおれてきたのである。
幼虫に与えているものは、ウマノスズクサの先端部や脇芽部を切り取り、瓶挿ししているが、こちらは水を吸い上げていて萎れてはいない。しかし、脱皮して大きくなってきた幼虫の食欲を考えると、すぐにも葉が足りなくなってしまうのは目に見えている。とりあえず、鉢植えしたウマノスズクサの葉の元気な部分は、切り取って水につけることにして、Mさんに連絡をとり、追加のウマノスズクサをお願いした。
27日夕刻、再び小諸に出かけてMさんに食草のウマノスズクサを快く分けていただいた。今度は根から掘らずに、地上部を十数本切り取っていただき、水に漬けた状態で持ち帰った。長いものは前回同様やはり1mほどはある。
帰ってすぐに、長いものは30㎝ほどに切り分け、それぞれを水に挿して保管することにしたが、数日後にも前回の鉢植えのように枯れることは無く、当分の間の餌は確保できた。
この間にもジャコウアゲハの幼虫は成長を続け、脱皮を繰り返し、ほとんどが3齢になり、中には4齢になるものも出てきた。3齢と4齢は外観はよく似ていて違いが判りづらい。
幼虫は脱皮しても殻を食べてしまい、後に何も残らないので、注意して観察していないといつの間にか脱皮を終えていて、今何齢になっているのか分からなくなる。そのため飼育後3日目から、餌のウマノスズクサを個別に瓶挿しして、これに1匹づつとまらせて、瓶に番号を付けて観察することにした。
こうしていても、隣り合った葉が重なっていたり、一方の葉を幼虫が食べつくしたりすると、幼虫は移動して隣の瓶の葉に移動するので、十分間隔を間隔をとるとともに、葉を切らさないようにしなければならない。
一方、行動や糞のしかたなどをよく見ていると、幼虫は脱皮前になると餌を食べなくなり、葉上や茎の上にじっとして動かなくなるので、脱皮が近いことが判るようになる。このタイミングで撮影を開始することで、脱皮のシーンを撮影できるようになった。
次の映像は3齢から4齢への脱皮と、4齢から終齢への脱皮である。前回の2齢の時と同様、脱皮後には真っ黒だった幼虫の体色は、時間が経つと次第に茶色になるが、再び脱皮直前になると黒化し、脱皮後の色は黒い。
こうしてみてくると、ジャコウアゲハの4齢と終齢もまたよく似ていて、私にはほとんど区別がつかない。
そして、これも前回同様脱皮した幼虫は、自身の抜け殻をていねいに、残さず食べてしまう。
ジャコウアゲハ3齢幼虫の脱皮(2022.6.26 8:14AM~10:16AM 30倍タイムラプスで撮影後編集)
ジャコウアゲハ4齢幼虫の脱皮ー1(2022.6.30 18:42PM~7.1 03:14AM 30倍タイムラプスで撮影後編集 )
ジャコウアゲハ4齢幼虫の脱皮ー2(2022.7.1 7:02AM~14:18PM 30倍タイムラプスで撮影後編集)
終齢になるものも出てきたが、脱皮後の体長は30㎜近くなり、食欲も旺盛で、確保したウマノスズクサもどんどん減っていくが、あともう少しなので何とか間に合いそうである。
ウマノスズクサを食べるジャコウアゲハの終齢幼虫(2022.6.29 19:11PM~19:15PM 撮影後編集)