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軽井沢からの通信ときどき3D

移住して11年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

花車

2023-06-02 00:00:00 | 日記
 ショップの店先を飾る目的で、妻が花車を作りたいと言って、従妹のSさんのご主人Bさんに頼んで素敵なものを製作していただいた。2018年のショップオープンから間もないころであった。

 BさんはM美術大学の出身で、金工を専門としていて、自身が桶川市で経営しているお店の鉄製窓枠なども製作している。このBさんに、妻が見つけてきた古い大八車の車軸付きの車輪を届け、プランターを載せるカート部分を鉄製の枠で作り、側面と底面には板を張って、花車に仕上げていただいたのである。

 この花車は車輪を赤く、カートを濃緑に塗り分けてあるが、濃緑色は私たちのショップのイメージカラーでもある。カート部は大きく、その中にいくつものプランターを入れることができ、そこに何種類もの花を植えて、店先を美しく飾ることができた。

 観光客にも人気で、花を飾った花車の前で記念写真撮影をする人もみられた。


店先に置いて花を飾っていた花車

 しばらくの間、店舗前に置いてあった花車だが、ある時ショップの顧客で近くの別荘の住人である I さんが目に止めて、ぜひ譲ってもらえないだろうかと相談に見えた。妻と話し合ったが、そんなに気に入っていただけたのならと、お譲りすることにして、ショップから300mほど離れた別荘まで花車を押してお届けした。

 広い別荘の庭に運び入れて、あらかじめ決めてあったという場所に置いてみると、周囲ととてもよくマッチして見え、ここで使っていただいた方が余程Bさんも喜ぶだろうと思われたのであった。

 しかし花車がなくなってみると、やはりショップ前は寂しくなる。少し大きめのプランターを用意して花を植えてみるが、花車とはどうしても違っているので、もう一度Bさんに頼んで花車を作ろうということになった。実は、最初の花車は店先に置いてみると、やや大きめで、夜間や冬季休業期間にショップ内に取り込むことが難しかった。

 今度は、簡単に移動できて、大きさもショップ内部のスペースに見合ったものを作ることにして、車輪探しを始めた。しばらくして見つかったものは2個の車輪だけで、車軸は付属していなかったが、気に入った妻は早速購入してBさんの許に送り届けた。

 しかし、車軸のないことがネックになり、Bさんの仕事ははかどらず、2年間が過ぎてしまった。そうこうしているうちにBさんの体調が変化してしまい、花車の製作をお願いすること自体が難しくなっていった。

 やむを得ず、SさんとBさんが軽井沢に来る用ができた時に、この2個の車輪を持ってきていただき、私が花車を作ることにした。届いた車輪は年代を感じさせる大きく重い立派なもので、大八車に使われていたものと思われた。

 早速、車輪の中心部の車軸を通す軸受け部の穴形状を確認したところ、入り口と出口とでは穴径が異なっていて、およそ32㎜と28㎜であった。前回の花車でよく見ておけばよかったのだが、そんなことには関心がなかったこともあり、車軸の構造が判らない。

 ネットで車軸の写真を探して調べてみると、売り物の写真が見つかった。それによると、車軸は鉄製の角棒でできていて、車輪に通す両端部分は一段細くなっていて、断面は円形でテーパーがついている。先に行くほど細くなっているのである。その先には穴が開いていて、ピンを挿入して車輪の脱落を防ぐようになっている。

 この売り物の車軸は、軸受けに挿入する部分の太さが判らないということもあるが、長すぎて今回考えている花車に使うと全体が大きくなりすぎるので、購入することは諦めて、車軸は自分で作ることにしたが、構造は理解できた。

 それにしても、鉄製の車輪の軸受け部と鉄製の車軸とが直接接して回転する構造になっているのは意外であった。しかし、軸受け部をよく調べると、内部には段差がつけられていて、軸受けと車軸は面で接することが無いように設計されていると判った。車軸側にテーパーがつけられているのはそのためと考えられた。次の図のようである。


 大八車の車軸と、車輪の軸受け部(テーパーを強調している)

 私たちの花車の場合、静荷重はかかるが、荷車のように重い荷物を乗せて長距離を移動するものではないので、実際の車軸のように頑丈に作ることはないだろう、一方多少の移動は行うので、車軸はスムーズに回転する方がいいだろうと考えて、車輪の軸受け部の形状に合ったベアリングを探したところ、ちょうどいい外径28㎜と32㎜のものが見つかった。ベアリングの内径は共に12㎜で全ネジのシャフトを通すことができる。

 車軸にはこうして12mm径のステンレスボルトと木の角材を組み合わせて使うことにすると、軸受け部分の構造は次のようになる。

車軸受けに32mmと28mmの外径の2種類のベアリングを用いる

 早速、車軸を作るための各部品をそろえたが、角材に正確に深い穴をあける自信がなく、区の仕事でご一緒している工務店の経営者Kさんに相談したところ、快く引き受けていただき解決した。


木の角材とステンレスボルトで作った車軸を車輪に取り付けた状態

 次はこの車軸に取り付けて、プランターを入れるフラワーボックス部分である。以前Bさんに製作していただいたものは、鉄製の枠に板を張ったものであったが、今回私にはそうした作業はできないので、全木製のものを作ることにした。材料は以前佐久にあるJAの農産物販売所からもらってきた木製パレットから切り出すことにして、幅100mm、厚さ20mm として設計した。外形は直方体にするのが普通だと思うが、底部分に少し変化をつけて次のような形状にした。


車軸に取り付けるフラワーボックス部の形状

 この木製のフラワーボックスを車軸に取り付けて完成した花車は次のようであり、中にあらかじめ決めてあったプランターを2個収容できる。
 フラワーボックス部は自由に回転するので、やや偏心させて車軸に固定し、片方に突っ張り棒(ストッパー)を取り付けてみた。


完成した花車

 完成したこの花車、その後ストッパーを少し変更して、ショップのロゴを入れ、花を飾ってみた。

  
ストッパーを引き手に変更し、ショップのロゴを追加

 この花車は、6月1日からショップの店頭を飾っている。


安全のためにストッパーを追加し、ショップの店先に設置 

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