軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

天体ショー

2022-11-11 00:00:00 | 天体
 各種メディアによる、皆既月食と天王星食が同時に起きる極めて珍しい現象が見られるとの報道に刺激され、11月8日の夕方急に思い立って撮影準備を始めた。

 普段、昆虫や野鳥を撮影している超望遠ズームレンズをセットした一眼カメラと、やはりチョウなどの生態撮影に使用しているタイムラプス機能付きのビデオカメラをそれぞれ三脚にセットして、その時を待った。

 皆既月食が始まる時刻には地域差があるが、東京のものを参考にすることにした。次のようである。
2022年11月8日の皆既月食が東京で見られる時刻(赤矢印は写真撮影の予定時刻)

 これによると18時過ぎに月の部分食が始まり、月が地球の影に完全に隠れて皆既月食が始まるのが19時16分頃である。この間に4回の写真撮影タイミングを予定して、時刻を確認した。

 タイムラプスではこの約1時間ほどを撮影することとして、10秒に1枚の撮影条件に決めた。通常撮影の300分の1に相当するので、1時間が12秒の映像として記録できる。

 ちょうど夕食時のことであったので、撮影予定時刻になると1階の食堂と2階に準備した南側の窓際とを何回も往復することになった。

 天王星食の撮影については肉眼で観察できそうにもなかったので、気にしないで、成り行きに任せることにしていた。

 以下、その撮影結果をご紹介する。まず、タイムラプス撮影から。

  
皆既月食(2022.11.8、 300倍タイムラプスで撮影)

 部分食の始まる時刻に、液晶モニターの左下に満月の姿をセットして撮影を開始した。ズーム倍率はかなりいい加減にセットしておいたが、結果的には画面の左側に偏ったものとなったものの、何とか予定していた過程を画面内に収めることができた。月の動きは、漠然と放物線状の動きを想像していたが、実際に撮影した映像を見るとほぼ直線状に移動し、むしろやや上方にそれるように上昇していた。

 次に超望遠レンズで撮影した画像を、食が進んでいく順に紹介する。こちらの撮影はISO感度設定と、ピント合わせに苦労したが、何とか記録することができた。

2022年11月8日の皆既月食 1/10(17:53 撮影)

2022年11月8日の皆既月食 2/10(18:04 撮影)

2022年11月8日の皆既月食 3/10(18:22 撮影)

2022年11月8日の皆既月食 4/10(18:42 撮影)

2022年11月8日の皆既月食 5/10(19:02 撮影)


2022年11月8日の皆既月食 6/10(19:19 撮影)


2022年11月8日の皆既月食 7/10(20:18 撮影)

2022年11月8日の皆既月食 8/10(20:55 撮影)

2022年11月8日の皆既月食 9/10(21:09 撮影)

2022年11月8日の皆既月食 10/10(21:12 撮影)

 天王星だが、6/10と7/10の写真に写っているのを、撮影後見つけることができた。皆既月食中の月の左下に現れて、次第に接近している。実際には公転する月の方が天王星に近づいているわけであるが。

 十分な事前調査をしていなかったので、この小さな星が天王星である確信はなかったが、国立天文台のライブ情報をチェックしながら確認したという友人の I さん撮影の写真と比較して、天王星であると判定できた。

 翌朝、購読紙やネット上に多くの皆既月食の写真が見られ、中には Iさんのものと同様、天王星が月の裏側にまさに隠れようとしているところを撮影したものもいくつか見られた。

 赤銅色の皆既月食の写真が添えられた、次の読売新聞のオンライン記事に見られるように、皆既月食と重なる惑星食としてはこれまでにも土星食が442年前に起きていたとされるが、天王星食は過去に例のないとても珍しい現象だそうである。そうした現象に出会うことができ幸いなことであった。

 「© 読売新聞 皆既月食で赤銅色に輝く月(8日午後7時17分、都内で)=上甲鉄撮影
 満月が地球の影に隠れる『皆既月食』が8日夜、日本各地で観測された。東北や北海道を除く地域では、月が天王星を隠す天王星食も同時に起こり、日本では過去5000年で一度もない極めてまれな天体ショーとなる。
 月は東の空で午後6時過ぎから欠け始め、午後7時16分から1時間半ほど皆既月食となり赤黒く見える。東京や大阪、福岡などでは皆既月食中に天王星が隠れ始める。
 国立天文台によると、日本で前回、皆既月食と惑星が隠れる『惑星食』が重なったのは、土星食が起きた442年前。次回は322年後の2344年7月で、同じく土星食が起こる。」

 今回撮影した画像でも見られたが、皆既月食中の月が赤銅色に見える理由については、国立天文台が次のように、夕焼けと同じようなものであると説明している。太陽、地球、月が一直線上に並び、月が地球の作る本影の中に入っても、地球の大気により屈折した光が届き、その中の青色の光がより強く散乱され、赤い光がより多く月表面に到達するためということである。


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ウクライナ情勢(11/1~11/7)

2022-11-08 00:00:00 | ウクライナ情勢
11月1日
・米韓訓練 北へ警告 計240機参加 開始 核施設など標的 想定
・日米が27日共同訓練 31日発表
・【社説】穀物輸出の停止 食料危機招く露の暴挙許すな
 米欧日は結束を強め、ウクライナへの支援と対露制裁を続けなければならない
・ユーロ圏物価10.7%上昇 過去最大 インフレ止まらず ガス代5倍、景気悪化
・ウクライナ穀物輸出再開 12隻出港 「国連とトルコが了承」 露は履行停止
・ウクライナにミサイル50発 露が報復か 首都キーウのエネ施設、44発迎撃
・米、中国に衝突回避訴え 外相電話会談 露侵略も議題

11月2日
・穀物輸出継続を模索 ウクライナ 露は「航行安全保証せず」
・輸出用の船舶 攻撃利用否定 国連事務次長
・中央アジアと外相会合へ 東京で5か国と 中露けん制狙う
・【社説】「北」核実験兆候 日米韓の協力で抑止力高めよ
・F22嘉手納暫定配備へ 中露に対抗 米軍、今月上旬から
・日独首脳 連携強化で一致 ウクライナ・インド太平洋
・露「動員完了」改めて宣言 プーチン氏 混乱幕引き図る 秋季徴兵を開始
・「汚い爆弾」IAEA検証開始 
・「核廃絶」日本案を採択 29年連続 「賛成」昨年比13か国減 国連委
・北「次の段階の措置」言及 米韓訓練に反発
・米B52爆撃機 豪に最大6機 中国けん制 配備計画 核兵器搭載可
・サハリン1 日本参加表明
 
11月3日
・北ミサイル20発以上 1日で最多 南北境界線越えも 韓国対抗「空対空」3発
・空港・港 防衛対応整備へ 政府調整 予算「特別枠」創設
 南西諸島で改修急務 戦闘機離着陸「不可」9割
 シェルター整備も遅れ 先島諸島はゼロ 政府設置検討
・韓国「空襲警報」緊迫 北ミサイル 尹氏「国民保護に万全」指示
 核実験 警戒監視強化 日本政府
・中国「情勢注視」 エスカレート懸念
・外相、G7会合に出発 ウクライナ支援 結束確認へ
・屋久島沖領海に中国測量艦侵入
・ウクライナ支援 600億円を計上へ 外務省、2次補正案
・北ミサイル 多方面から一斉発射 迎撃困難 能力誇示か
・露、穀物輸出履行再会
・イラン、露に追加供与準備 米報道 精密誘導ミサイルなど
・ベラルーシ制裁 EUが強化検討
・露と北 鉄道輸送再開

11月4日
・北、ICBM発射 新型「火星17」失敗か 短距離も2発
 Jアラート発令 日本通過せず
・日米韓首脳会談へ 今月中旬 対北 抑止力を強化
・日独 対中連携強化 2プラス2 物品相互協定へ調整
・G7 対露結束を確認 外相会合 独で開幕へ
・露軍「核使用」協議か 米紙報道  米、10月中旬に把握
・「火星17」急ぐ北 ICBM発射 推進力不足 開発難航か 本土射程 対米「切り札」
 Jアラート「適切に作動」政府強調
・【社説】「北」の挑発激化 日米韓への脅威高める暴挙だ
・北ICBM発射 識者に聞く  
 日韓の情報共有不可欠 香田洋二氏 元自衛艦隊司令官
 「米へ攻撃能力」意思示す 朴元坤氏 梨花女子大副教授
・米、北ICBMを非難 本土に脅威 深刻 ミサイル防衛 近代化加速へ
 韓国「米と連携強化」・中国、発射批判せず 核実験は警戒
・独首相、習氏と会談へ 実利か価値観か 対中政策占う
・ウクライナ 穀物輸出1000万トン到達へ 開始3か月 4者合意 延長焦点
・北の脅威 韓国国防を強化 国民に独自核武装論 負の影響 気づけば沈静
 東京国際大教授 伊豆見元氏
・戦術核再配備 低い実現性 仁荷大教授 南昌熙氏
・続く発射 憤り 北ミサイル 漁業者ため息・自治体が情報収集
 避難施設 周知・運用に課題 看板なし、マニュアル未整備

11月5日
・G7、ウクライナ支援継続 共同声明へ 中国の「現状変更」懸念
・中独首脳 経済協力一致
・北、夜も短距離ミサイル 挑発継続 戦闘機が威嚇飛行
・G7「結束」正念場 外相会合 エネ高騰 政治不安定化 対北、日本が積極提起
 欧州の安保と不可分
・【社説】独首相の訪中 安保上の警戒を緩めては困る
・独、実利と価値観板挟み 中独首脳会談 是々非々を演出
・「汚い爆弾 証拠なし」 IAEA検証 露の主張否定
・ザポリージャ 外部電源再喪失
・露出席の場合 G20不参加へ ゼレンスキー氏
・サハリン1参画 正式決定 株主総会 出資会社、露側に通知へ
・COP27開幕へ 欧州「石炭回帰」の動き ウクライナ侵略 天然ガス高騰
・SLBM試射 露軍「成功」
・核使用で「正恩体制終焉」 共同声明 米韓国防相が警告

11月6日
・北、短距離ミサイル4発 黄海に 米B1爆撃機 半島で訓練
・地球を読む 革命の亡霊 独裁制 いさめる者なし 山内 昌之 武蔵野大学特任教授
 海への野心 米欧と摩擦
・対北 安保理まとまらず 緊急会合 中露が米に反発
・北ミサイル受け 日米が共同訓練
・露予備役動員 継続か 「完了」宣言後も上積み
・露の侵略「昨夏に進言」情報機関トップら2人 プーチン氏に 英紙内幕を報道
・G7会合閉幕 共同声明採択
・イラン無人機 戦争前に露へ 国営通信報道 外相が提供認める
・露が北朝鮮から衣服調達画策か

11月7日
・海保と海自 無人機共用 来年度にも 中露監視 効率化
・COP27開幕 途上国支援 本格議論へ 198か国・地域 エネ不安 合意難航か
・イラン、露に核援助要請か 米報道など ドローン提供見返り
・国際観艦式20年ぶり 首相「諸外国と協力深化」 韓国参加
・反撃能力保有「賛成」52% 北ミサイル影響か 「反対」は41%
・露中部のクラブ火災13人死亡 20代の男、照明弾発射 
・北から露へ軍事物資か

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地震予測と対策(3)

2022-11-04 00:00:00 | 地震
 近い将来その発生が予測されている、南海トラフ巨大地震であるが、当地軽井沢のある長野県内にも震度6弱以上の強い揺れをもたらすとされている。

 マグニチュード8~9クラスとされるこの巨大地震の発生確率は今後30年以内に70%~80%であるが、日本列島全体を見渡すと、千島海溝の根室沖でもマグニチュード8クラスの巨大地震の発生確率が今後30年以内に70%程度、首都直下地震につながるフィリピン海プレートの沈み込みによる相模トラフ沿いのマグニチュード7クラスの地震もまた今後30年以内に70%の確率で発生すると予測されているという、奇妙な数字の一致を示している。

 次の地図は、政府の地震本部が2022年1月に公表している地震発生確率を示すものであるが、赤紫色の部分は今後30年以内に巨大地震が発生する確率が26%以上の領域を示す。北の千島海溝から南海トラフまで日本列島の縁に沿って広範な地域で巨大地震発生の確率が高まっている。


政府・地震本部が公表している「主な海溝型地震の評価結果」地図

 前回、南海トラフ巨大地震が発生したのは、1944年12月(昭和東南海地震)と1946年12月(昭和南海地震)である。

 このうち、昭和東南海地震は、紀伊半島東部の熊野灘沖を震源としたM7.9 のプレート境界型巨大地震である。最大震度は6を記録している。

 また、昭和南海地震は、潮岬南方沖78キロメートル、深さ24キロメートルを震源としたM8.0のプレート境界型巨大地震であり、当時の中央気象台の管轄する測候所で観測された各地の最大震度は5で、北は福井、西は大分までの広範囲に及んでいる(一部、委託観測所による震度6の印が下の図に見られる)。


昭和東南海地震の震度分布(X:震源、ウィキペディア2022.10.25更新より)


昭和南海地震の震度分布(X:震源、ウィキペディア2022.7.31更新より)
 
 この時、京都・大阪・神戸などの震度は共に4であった。当時大阪に住んでいて、生まれたばかりであった私は、幼すぎてもちろんそのころの記憶は全くないが、昭和南海地震が初の巨大地震体験ということになった。
 
 その後、阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震(1995年1月)、新潟県中越地震(2004年10月)、東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震(2011年3月)へとつながっていくが、いずれも比較的近い場所に住んでいたものの、直接大きな被害を受けることはなかった。

 関西では大きな地震に出会うこともなく過ごしたことも手伝って、学生時代までは日常的に地震を意識することもなかったのであるが、就職して神奈川県に住むようになってからは、震度3程度の地震をしばしば経験するようになり、関心も次第に強くなっていった。

 当時は、1923年9月に発生した関東大震災について、69年周期説というものがあった。これは、東京大学地震研究所の川角廣所長が唱えたもので、関東大震災から69年後といえば1992年、誤差は前後13年とされるので、1979~2005年の間に75%の確率で関東大震災級の大地震が起こるといわれていた。

 すでに地震発生後60年近くが経過していたころで、近い将来再びマグニチュード8程度の巨大地震が関東地方を襲うのではないかとの懸念のもと、被害が集中すると予測された東京の地区では対策も立てられたとされる。

 また、このころ東海沖地震も予測されており、政府指導の下、勤務先では防災運動が展開され、建物からの避難訓練が定期的に行われた。

 具体的な地震対策としては避難のほか、ロッカーや書棚類はアンカーボルトで床や壁に固定し転倒を防ぎ、研究用の高価な測定器などは実験台上に固定して転落を防いだ。発火や爆発の危険がある薬品類は、棚の中でビンが割れたり、漏れ出した液体が混じったりしないように、仕切り板の付いた受け皿に入れるとともに、危険なものは配置場所を離して保管したりするようにもした。

 この東海地震予測の根拠として、1944年に発生した昭和東南海地震が、想定域の西側だけを震源域とする巨大地震であったことから、空白域として残った遠州灘中部から駿河湾にかけてを震源域とする単独での巨大地震発生の可能性があるとされ、警戒されるようになったのであった。 また、この東海地震に限っては、直前予知が可能であるとの判断もなされていた。

 しかし、この当時警戒していた昭和の関東大地震も、東海地震も幸いなことに発生していない。

 このことに関して、関東大地震については、当時の学説は、南関東で周期的に発生する2種類の地震を混同していたことが原因とされる。

 1つは70~80年に1回発生するマグニチュード7クラスのプレート内地震、もう1つは約200年に1回発生するマグニチュード8クラスのプレート間地震である。川角教授はこれらを混同したために、発生周期を誤って算出していたというのである。

 南関東で過去発生した地震は次のようであり、現在公表されている首都直下地震の予測は、1703年の元禄関東地震から1923年の大正関東地震までの220年間に発生したマグニチュード7クラスのプレート内地震8回の発生頻度から算出されている。
南関東で発生した地震の強度(地震本部発表資料より)

 一方、東海地震の方は、当時考えられたような遠州灘中部から駿河湾にかけてを震源域とする単独での巨大地震の発生はなく、今後想定される南海トラフ地震と連動したものとなると考えられるようになっている。改めて、地震発生予測の難しさを感じさせるこれまでの経緯である。

 ところで、私の大地震体験の続きを書いておこうと思う。1994年4月に、転勤で広島県三次市に住むようになったが、この直後阪神淡路大震災(1995年1月)が起きた。三次市の震度は3程度で、自宅にも勤務先にも直接の被害はなかったが、尼崎にあった関連工場は被災したし、山陽新幹線が止まり、毎月東京で行われていた会議には、しばらくの間、東広島空港から羽田まで飛行機でいかなければならなくなった。

 そして、数年後の1998年5月に今度は新潟県上越市に転勤となったが、ここでは中越地震(2004年10月)に遭遇した。この時も長岡にあった関連工場が被災している。上越市は震源地からは数十キロ離れていたものの、工場のある場所の震度は5弱で、職場事務所内の机や棚、工場の設備などの中には、位置がずれたり、転倒するものが出た。

 私が所属していた技術部では、神奈川県に勤務していたころの経験から、書棚などの背の高いものは床に固定するようにしていたので、幸い転倒を免れることができ、被害も最小限であった。

 2010年7月には上越市から都心部へ転勤になったが、ここで東日本大震災(2011年3月)を経験することになった。多くの日本人は、この日のことをよく覚えているのではないかと思うが、私は地震発生の前日、所用で軽井沢に来ていて、当日はちょうど新幹線で東京に向かっている時であった。

 本庄早稲田駅を通過してしばらく進んだあたりで列車は急停止し、地震発生によるものであることが告げられた。窓の外に見える電柱間の電線はいつまでも大きく揺れ続けていた。

 そのまま列車内に閉じ込められて時間が過ぎ、夕方になりようやく列車はバックして本庄早稲田駅に戻り、ここで下車することができた。乗客の大半は列車内やホームで渡された毛布にくるまるなどして、一夜を過ごすことになった。余震が頻繁に起きていて、その都度あちらこちらで携帯電話のブザーが車両内に鳴り響いていた。

 翌朝も新幹線は運転再開のめどがなかったので、動き始めているとの情報があった在来線の本庄駅までタクシーで向かった。しかし、いつまで待っても列車が動く様子がなく、再びタクシーで大宮駅に向かった。京浜東北線が動き始めているとの情報があったからである。

 この時、タクシーの運転手から、「東北日本は壊滅状態にある」との話を聞いた。それまで、ほとんど情報がなく、いったい何が起きているのかよくわからないでいたので、大きな衝撃を受けた。

 大宮から列車で最寄り駅まで行き、マンションの自室にようやく帰り着いたが、エレベータは止まっていて、11階まで階段を使わなければならなかった。

 部屋に入ると、娘婿の書いたメモが残されていた。東京に勤務している彼も鎌倉の自宅に帰ることが出来ず、留守中の私のところに泊っていったとのことであった。以前から、何かの折には泊まることが出来るようにと、部屋の鍵を渡してあったがそれが役に立つことになった。

 部屋の中は意外にも被害がないように見えたが、メモには薄型TVが倒れるなどして物が多少散乱していたので、片づけておいたと書かれていた。マンションの高層階に住んでいたが、仮住まいでもあり、家具なども少なく、食器が壊れることはなかった。

 週が明けて、職場に出たが、同僚から地震当日がいかに大変であったかを、あれこれと聞くことになった。帰宅困難者が多数出たが、幸い職場では物的な被害は出ていなかった。

 あの混乱から10年余、今年(2022年)3月16日に福島県沖を震源とするマグニチュード7.4、最大震度6強の地震が発生し、これが東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震の余震であると推定されていることを知って、改めていかに3.11の地震が巨大なものであったのかを思い知らされた。

 私はこの間に定年退職し、2年間は東京から鎌倉に移り住んだが、その後軽井沢に移住することを決意した。軽井沢という地を選んだ理由の一つは、地震被害が比較的少ないということであった。勤務先に縛られることなく、自由に居住地を選択できるようになったので実行できたのであるが、地震対策といえるかもしれない。



 



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ウクライナ情勢(10/25~10/31)

2022-11-01 00:00:00 | ウクライナ情勢
10月25日
・露「汚い爆弾使われる懸念」 米英などに主張 ウクライナは反論
・韓国、黄海で警告射撃 北商船が越境 北、砲撃10発
・兵器国産化 インド急ぐ 露製に不信感・輸出産業育成

10月26日
・IAEA 「汚い爆弾」露主張検証へ ウクライナが要請
・露軍機墜落 今月5機 戦闘以外で 整備不良原因か
・スナク英首相 就任 42歳 非白人で初 インフレ 債務 景気低迷 立て直し前途多難
・日米・日韓次官 対北で連携確認
・ウクライナ復興 有識者交え協議 岸田首相もメッセージ
・北核実験準備 尹氏「終えた」

10月27日
・露核部隊演習 米欧けん制 ICBMを発射
・韓国軍上陸訓練 報道陣に公開 朝鮮半島有事想定
・日米韓が外務次官協議 対北 抑止力強化で一致
・首相、習氏へ祝電
・キッシンジャー氏 会談 首相
・日フィンランド「協力」
・「汚い爆弾」主張を非難 松野官房長官「虚偽の主張は認められない」
・プーチン氏 軍に物資「挙国一致」要求 露、事実上の戦時体制
・露、電力施設に集中攻撃 ウクライナ 避難民帰国 先送り要請
・独大統領 キーウ訪問 協力強化 ゼレンスキー氏と一致 「和解」演出
・米英「特別な関係」確認 バイデン氏とスナク氏 対露・ウクライナで一致

10月28日
・米巡航ミサイル購入打診 トマホーク 反撃能力を確保 政府、詰めの交渉
・米に攻撃依存 転換の象徴に
・ザポリージャ「露秘密工場」 ウクライナ国営原子力企業 「汚い爆弾関連」指摘も
・露核部隊演習 「深刻に懸念」 松野長官
・欧州0.75%再利上げ インフレ抑制 引き締め加速
・海自観艦式に韓国軍 7年ぶり参加へ
・招集回避 続く露出国 部分的動員1か月 「政権の約束信じぬ」
・仏、独と結束演出 パリで首脳会談 エネ・防衛巡り
・露、内乱想定の定期演習 プーチン氏「米欧が政変画策」
・プーチン大統領 「恩師」の娘出国 治安当局が捜査
・「輸入増・円安」悪循環 貿易赤字止まらず
・台湾防衛 日米の意思示せ 対中国グレーゾーン許さず 自衛隊・米軍 運用能力向上を
 米 国際政治学者 ジョセフ・ナイ氏

10月29日
・長射程ミサイル「実験艦」 トマホーク視野 潜水艦保有へ検証
・北、弾道ミサイル2発 日本7EEZ外 韓国演習に対抗か
・米、中露の核 強い懸念 戦略指針 同盟国へ協力抑止提供
・語る 防衛の視座6⃣ 海保 尖閣で対中最前線 「自由なインド太平洋」推進担う
 前海上保安庁長官 奥島高弘氏
・中国、艦艇派遣見送り 相模湾で開く国際観艦式
・ミサイル開発 北戦術核 主導権狙う 半島有事 米介入を阻止
 防衛大教授 倉田秀也氏
・米「核の先制使用」封印 戦略指針 バイデン氏持論 中露の壁
・露「核に言及していない」 プーチン氏 中印の不安払拭狙いか
・ウクライナ 「勝利」へ4条件 全領土開放など 徹底抗戦構え示す
・露の核使用懸念 中国外相が伝達か 電話会談
・ウクライナ避難民 一時帰国へ胸中複雑 「戦争早く終わることを願う」

10月30日
・宇宙監視衛星 2基体制 キラー衛星妨害も 防衛省方針 中露の動きに対処
・「露が住民拷問」証言 4州「併合」1か月
・バイデン氏、G20(バリ島)出席へ 米中、首脳会談へ調整
・露 動員30万人「完了」 国防相報告 プーチン氏、訓練徹底指示
・米、2.75億ドル追加軍事支援 弾薬や車両 
・4州「併合」1か月 押される露 瀬戸際戦術 ダム爆破計画か ウクライナけん制
 強まる統制 根強い抵抗
・語る 防衛の視座7⃣ 抑止力強化 日本に期待 尖閣有事 必要な措置取る
 日米大使 ラーム・エマニュエル氏
・ウクライナ再び計画停電 エネ施設へ露攻撃相次ぐ

10月31日
・ウクライナ支援 見直し論 巨額支出に懸念 今日和木町候補発言に波紋
・露「穀物輸出」履行を停止 「黒海艦隊に攻撃」主張
・Jアラート 衆院導入へ 参院も検討


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