素早いネガティブ・トランジション
日本の久々の国際親善試合は、双方無得点の引き分けに終わった。
日本は立ち上がりから、前線でボールを失うと素早いネガティブ・トランジションからリトリートせずその場でゲーゲンプレスをかけた。即時奪回する狙いだ。
またカメルーンの最終ラインからのビルドアップに対しても、複数の選手がハイプレスをかけてハメに行こうとしていた。高い位置からプレッシングする意識が顕著だった。
一方、ボール保持時には2タッチでつなごうとするボールの流れがスムーズとはいえないものの、逆に守備も含めて致命的な欠陥もなかった。課題は攻撃だ。
全体に沈滞した試合だったが、久しぶりの招集である。今後もメンバーを固めて強化を続けて行けばモノになる手ごたえはあった。
前半は手慣れた4-2-3-1で
コロナ禍のなかでの強化試合だ。日本のメンバーはすべて欧州組である。まず前半はいつもの4-2-3-1で立ち上げた。
日本のスタメンはGKが権田修一(ポルティモネンセ/ポルトガル)、最終ラインは右から酒井宏樹(マルセイユ/フランス)、吉田麻也(サンプドリア/イタリア)、冨安健洋(ボローニャ/イタリア)、安西幸輝(ポルティモネンセ/ポルトガル)だ。
2人のセントラルMFは右に中山雄太(ズウォーレ/オランダ)、左に柴崎岳(レガネス/スペイン)。
2列目は右から堂安律(ビーレフェルト/ドイツ)、南野拓実(リバプール/イングランド)、原口元気(ハノーファー/ドイツ)、ワントップは大迫勇也(ブレーメン/ドイツ)である。
日本はボールがつながらない
日本は守備では速い切り替えからの組織的なプレス。攻撃は少ないタッチ数でパスをつなぐサッカーをする。均一な力の総合力で戦う。
最終ラインからていねいなビルドアップを心がけ、ボールサイドに人数をかけるボールオリエンテッドなサッカーである。
だが思ったようにボールがつながらない。ポストプレイを身上とする大迫が前でポイントを作れず、堂安、南野、原口の2列目も期待通りには機能しない。
対するカメルーンは日本と対照的なチームと言える。
元ポルトガル代表のトニ・コンセイソン監督が指揮する彼らはアフリカのチームの割に規律があり組織的だ。しかもボールを保持すれば圧倒的なスピードとパワーで簡単にフィニッシュの形を作る。
日本はなかなか攻めの形が作れず、やられている感じはないものの敵の決定機のインパクトのほうが強かった。前半、南野が2度のシュートチャンスを作ったが決まらず。両者0-0のまま後半に入った。
後半の日本はフォーメーションを3-4-2-1に変えた
後半、スタートから日本は左SBの安西に替えて伊東純也(ヘンク/ベルギー)を投入し、右のウイングバックにする。
これで右SBだった酒井宏をCBにしてフォーメーションを3-4-2-1に変え、左のウイングバックはそのまま原口が務めた。2シャドーは右が堂安、左が南野だ。
3バックにした日本は後半のほうがデキがいい。サイドに開いたWBへのパスの角度ができ、右の伊東がスピードを生かして何度となく惜しいチャンスを作った。この日、伊東は最も違いを作った選手だった。
これで守備に転じれば5バックに変化し、日本は前半にぽっかり開いていた左サイドのウラのスペースを埋めた。補修は完了だ。
守備は安定、課題は攻撃だ
後半になってもカメルーンはパスをつないだ。日本はいったんはボールを保持しても、カメルーンの選手にボールを足に引っかけられて攻めが止まる。アフリカの選手の特有の間合いは要注意だろう。
日本は後半19分には堂安に替え、期待の若い久保建英(ビジャレアル/スペイン)を入れた。だが彼は思ったようには形を作れず、試合終了間際には直接FKから敵GKの手をはじく惜しい一撃を見せたが次回に期待となった。
日本は酒井宏樹が強さと粘りで大きな成長を見せたほか、吉田と冨安のCBも安定していた。あとは物足りなさの残る攻撃だ。ボール奪取から素速いポジティヴ・トランジションでパスコースを作って攻めたい。
なお3バックはこの日のデキからすれば貴重なオプションと言える。今後もずっと継続してほしい形だ。このまま熟成させれば、右サイドの伊東を生かす3-4-2-1は大きな武器になるかもしれない。
日本の久々の国際親善試合は、双方無得点の引き分けに終わった。
日本は立ち上がりから、前線でボールを失うと素早いネガティブ・トランジションからリトリートせずその場でゲーゲンプレスをかけた。即時奪回する狙いだ。
またカメルーンの最終ラインからのビルドアップに対しても、複数の選手がハイプレスをかけてハメに行こうとしていた。高い位置からプレッシングする意識が顕著だった。
一方、ボール保持時には2タッチでつなごうとするボールの流れがスムーズとはいえないものの、逆に守備も含めて致命的な欠陥もなかった。課題は攻撃だ。
全体に沈滞した試合だったが、久しぶりの招集である。今後もメンバーを固めて強化を続けて行けばモノになる手ごたえはあった。
前半は手慣れた4-2-3-1で
コロナ禍のなかでの強化試合だ。日本のメンバーはすべて欧州組である。まず前半はいつもの4-2-3-1で立ち上げた。
日本のスタメンはGKが権田修一(ポルティモネンセ/ポルトガル)、最終ラインは右から酒井宏樹(マルセイユ/フランス)、吉田麻也(サンプドリア/イタリア)、冨安健洋(ボローニャ/イタリア)、安西幸輝(ポルティモネンセ/ポルトガル)だ。
2人のセントラルMFは右に中山雄太(ズウォーレ/オランダ)、左に柴崎岳(レガネス/スペイン)。
2列目は右から堂安律(ビーレフェルト/ドイツ)、南野拓実(リバプール/イングランド)、原口元気(ハノーファー/ドイツ)、ワントップは大迫勇也(ブレーメン/ドイツ)である。
日本はボールがつながらない
日本は守備では速い切り替えからの組織的なプレス。攻撃は少ないタッチ数でパスをつなぐサッカーをする。均一な力の総合力で戦う。
最終ラインからていねいなビルドアップを心がけ、ボールサイドに人数をかけるボールオリエンテッドなサッカーである。
だが思ったようにボールがつながらない。ポストプレイを身上とする大迫が前でポイントを作れず、堂安、南野、原口の2列目も期待通りには機能しない。
対するカメルーンは日本と対照的なチームと言える。
元ポルトガル代表のトニ・コンセイソン監督が指揮する彼らはアフリカのチームの割に規律があり組織的だ。しかもボールを保持すれば圧倒的なスピードとパワーで簡単にフィニッシュの形を作る。
日本はなかなか攻めの形が作れず、やられている感じはないものの敵の決定機のインパクトのほうが強かった。前半、南野が2度のシュートチャンスを作ったが決まらず。両者0-0のまま後半に入った。
後半の日本はフォーメーションを3-4-2-1に変えた
後半、スタートから日本は左SBの安西に替えて伊東純也(ヘンク/ベルギー)を投入し、右のウイングバックにする。
これで右SBだった酒井宏をCBにしてフォーメーションを3-4-2-1に変え、左のウイングバックはそのまま原口が務めた。2シャドーは右が堂安、左が南野だ。
3バックにした日本は後半のほうがデキがいい。サイドに開いたWBへのパスの角度ができ、右の伊東がスピードを生かして何度となく惜しいチャンスを作った。この日、伊東は最も違いを作った選手だった。
これで守備に転じれば5バックに変化し、日本は前半にぽっかり開いていた左サイドのウラのスペースを埋めた。補修は完了だ。
守備は安定、課題は攻撃だ
後半になってもカメルーンはパスをつないだ。日本はいったんはボールを保持しても、カメルーンの選手にボールを足に引っかけられて攻めが止まる。アフリカの選手の特有の間合いは要注意だろう。
日本は後半19分には堂安に替え、期待の若い久保建英(ビジャレアル/スペイン)を入れた。だが彼は思ったようには形を作れず、試合終了間際には直接FKから敵GKの手をはじく惜しい一撃を見せたが次回に期待となった。
日本は酒井宏樹が強さと粘りで大きな成長を見せたほか、吉田と冨安のCBも安定していた。あとは物足りなさの残る攻撃だ。ボール奪取から素速いポジティヴ・トランジションでパスコースを作って攻めたい。
なお3バックはこの日のデキからすれば貴重なオプションと言える。今後もずっと継続してほしい形だ。このまま熟成させれば、右サイドの伊東を生かす3-4-2-1は大きな武器になるかもしれない。