対照的なスタイルの戦いだ
今季J1の首位を争う天王山は、4月29日と5月4日に行われる。
川崎フロンターレと名古屋グランパスによる異例の2連戦となった。
あらゆる点で対照的なチーム同士の対戦である。
首位の川崎Fは遅攻のチームだ。ショートパスとドリブルでポゼッション率を高めながら、ひたすら押してくる。攻撃的だ。
一方、2位の名古屋は速攻、カウンターのチームである。相手ボールになったら堅い4-4-2の守備ブロックを作り、敵をわざと引きつけてバランスを崩させ反攻を仕掛ける。堅い守備が特徴である。
だがひとたびボールを持てば、美しいビルドアップからのポゼッション・サッカーもできる。
両者の予想布陣は以下の通りだ。
【川崎フロンターレ】4-1-2-3
FW 三笘薫 レアンドロ・ダミアン 家長昭博
MF 脇坂泰斗 田中碧
MF ジョアン・シミッチ
DF 登里享平 谷口彰悟 ジェジエウ 山根視来
GK チョン・ソンリョン
【名古屋グランパス】4-2-3-1
FW 山崎凌吾
MF 相馬勇紀 柿谷曜一朗 マテウス
MF 米本拓司 稲垣祥
DF 吉田豊 丸山祐市 中谷進之介 宮原和也
GK ランゲラック
初戦がカギを握る緊迫の2連戦
異例の2連戦になったこの首位決戦、すべてのカギを握るのは初戦だろう。
両者の勝ち点差は「3」だが、川崎Fの得失点差が22もあるため、名古屋はたとえ1勝しても(常識的には)順位は変わらない。
とすれば川崎Fとしては、もし1戦目に勝てば十分なデキだ。2戦目は負けないように戦えばいい。
一方、得失点差で離されている2位の名古屋としては1勝1分けでもいいが、できれば2連勝して完全にひっくり返したい。では、川崎Fを相手にそれが可能か? この得失点差は予想以上に意味が大きい。
点の取り合いになれば川崎Fが有利だ
川崎Fは守備の堅い名古屋とちがい、普通に失点する。とすれば守備とくらべ相対的に攻撃力のほうが落ちる名古屋とぴったり噛み合う。ゲームとしてはおもしろい。
もし点の取り合いになれば川崎Fが有利だ。逆に0-0のまま進むようなジリジリする試合展開になれば名古屋が本領発揮する。
川崎Fは多彩なフィニッシュを誇るチームだが、特にGKと最終ラインとの間に入れるグラウンダーの速いクロスには要注意だ。強力な破壊力を誇る。
名古屋の堅陣に対し川崎Fが何点取れるか? というゲームになるが、川崎Fの戦闘力を考えれば十分おつりがくるだろう。
一方、名古屋としては、川崎Fのショートパスとドリブルをどう抑えるか? がポイントになる。激しいプレッシングを主体にしたインテンシティの高い守備で無失点に抑え、1点を争う展開にしたい。
名古屋はボールを奪ったらサイドチェンジをかませ
チームとして長くボールを保持しようとするポゼッション・スタイルの川崎Fは、それだけカウンターを受ける可能性が高い。自分たちがボールを持ってポゼッションしているのだから当たり前だ。
こうしたスタイルに対し、有効なのが名古屋の組織守備とプレッシングだ。つまりチームとチームの噛み合わせがよく、観ている人にとってはスムーズな試合展開が期待できる。
また川崎Fはショートパスを多用するため選手と選手が近づき、選手間の距離を縮めてボールをつなごうとする。すなわち「小さいサッカー」だ。
つまりそれだけボールの周辺に選手の「偏り」ができるのが特徴である。
ならば名古屋はボールを失ったら、素早いネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)から複数の選手がプレスをかけ、ボールを奪ったら一発、大きなサイドチェンジをかますのがコツだ。
こうすればさっきまでボールに群がっていた川崎Fの3~4人の選手を、まとめて置き去りにできる。そのぶんカウンター攻撃が有効になる。
ボールを奪ったら、名古屋の特徴であるピッチを斜めに横切る放射状の長いパスを使って大きい展開をし、川崎Fのプレスを回避しながらカウンターをかけたい。
両チームのキーマンはだれだ?
川崎Fのキーマンはズバリ、三笘とレアンドロ・ダミアン、家長の3トップだ。彼ら3人の「矛」は名古屋の堅陣を粉砕できるのか?
一方の名古屋はマテウスと相馬という両翼のドリブルに加え、守備的なCMFの稲垣と米本、およびCBの丸山と中谷で作る中央の四角い堅い要塞、つまり「盾」である。
さて、矛と盾はどっちが堅いのか?
ついに『韓非子』の故事に結論が出る。
【関連記事】
【J1リーグ】名古屋のいいところしかないゲームだった ~第11節 名古屋 2-0 G大阪
【名古屋グランパス】優勝に向け爆進するウノゼロ軍団が熱い
【J1リーグ】名古屋が優勝するにはウノゼロ勝ちではダメだ ~第19節 名古屋 1-0 広島
今季J1の首位を争う天王山は、4月29日と5月4日に行われる。
川崎フロンターレと名古屋グランパスによる異例の2連戦となった。
あらゆる点で対照的なチーム同士の対戦である。
首位の川崎Fは遅攻のチームだ。ショートパスとドリブルでポゼッション率を高めながら、ひたすら押してくる。攻撃的だ。
一方、2位の名古屋は速攻、カウンターのチームである。相手ボールになったら堅い4-4-2の守備ブロックを作り、敵をわざと引きつけてバランスを崩させ反攻を仕掛ける。堅い守備が特徴である。
だがひとたびボールを持てば、美しいビルドアップからのポゼッション・サッカーもできる。
両者の予想布陣は以下の通りだ。
【川崎フロンターレ】4-1-2-3
FW 三笘薫 レアンドロ・ダミアン 家長昭博
MF 脇坂泰斗 田中碧
MF ジョアン・シミッチ
DF 登里享平 谷口彰悟 ジェジエウ 山根視来
GK チョン・ソンリョン
【名古屋グランパス】4-2-3-1
FW 山崎凌吾
MF 相馬勇紀 柿谷曜一朗 マテウス
MF 米本拓司 稲垣祥
DF 吉田豊 丸山祐市 中谷進之介 宮原和也
GK ランゲラック
初戦がカギを握る緊迫の2連戦
異例の2連戦になったこの首位決戦、すべてのカギを握るのは初戦だろう。
両者の勝ち点差は「3」だが、川崎Fの得失点差が22もあるため、名古屋はたとえ1勝しても(常識的には)順位は変わらない。
とすれば川崎Fとしては、もし1戦目に勝てば十分なデキだ。2戦目は負けないように戦えばいい。
一方、得失点差で離されている2位の名古屋としては1勝1分けでもいいが、できれば2連勝して完全にひっくり返したい。では、川崎Fを相手にそれが可能か? この得失点差は予想以上に意味が大きい。
点の取り合いになれば川崎Fが有利だ
川崎Fは守備の堅い名古屋とちがい、普通に失点する。とすれば守備とくらべ相対的に攻撃力のほうが落ちる名古屋とぴったり噛み合う。ゲームとしてはおもしろい。
もし点の取り合いになれば川崎Fが有利だ。逆に0-0のまま進むようなジリジリする試合展開になれば名古屋が本領発揮する。
川崎Fは多彩なフィニッシュを誇るチームだが、特にGKと最終ラインとの間に入れるグラウンダーの速いクロスには要注意だ。強力な破壊力を誇る。
名古屋の堅陣に対し川崎Fが何点取れるか? というゲームになるが、川崎Fの戦闘力を考えれば十分おつりがくるだろう。
一方、名古屋としては、川崎Fのショートパスとドリブルをどう抑えるか? がポイントになる。激しいプレッシングを主体にしたインテンシティの高い守備で無失点に抑え、1点を争う展開にしたい。
名古屋はボールを奪ったらサイドチェンジをかませ
チームとして長くボールを保持しようとするポゼッション・スタイルの川崎Fは、それだけカウンターを受ける可能性が高い。自分たちがボールを持ってポゼッションしているのだから当たり前だ。
こうしたスタイルに対し、有効なのが名古屋の組織守備とプレッシングだ。つまりチームとチームの噛み合わせがよく、観ている人にとってはスムーズな試合展開が期待できる。
また川崎Fはショートパスを多用するため選手と選手が近づき、選手間の距離を縮めてボールをつなごうとする。すなわち「小さいサッカー」だ。
つまりそれだけボールの周辺に選手の「偏り」ができるのが特徴である。
ならば名古屋はボールを失ったら、素早いネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)から複数の選手がプレスをかけ、ボールを奪ったら一発、大きなサイドチェンジをかますのがコツだ。
こうすればさっきまでボールに群がっていた川崎Fの3~4人の選手を、まとめて置き去りにできる。そのぶんカウンター攻撃が有効になる。
ボールを奪ったら、名古屋の特徴であるピッチを斜めに横切る放射状の長いパスを使って大きい展開をし、川崎Fのプレスを回避しながらカウンターをかけたい。
両チームのキーマンはだれだ?
川崎Fのキーマンはズバリ、三笘とレアンドロ・ダミアン、家長の3トップだ。彼ら3人の「矛」は名古屋の堅陣を粉砕できるのか?
一方の名古屋はマテウスと相馬という両翼のドリブルに加え、守備的なCMFの稲垣と米本、およびCBの丸山と中谷で作る中央の四角い堅い要塞、つまり「盾」である。
さて、矛と盾はどっちが堅いのか?
ついに『韓非子』の故事に結論が出る。
【関連記事】
【J1リーグ】名古屋のいいところしかないゲームだった ~第11節 名古屋 2-0 G大阪
【名古屋グランパス】優勝に向け爆進するウノゼロ軍団が熱い
【J1リーグ】名古屋が優勝するにはウノゼロ勝ちではダメだ ~第19節 名古屋 1-0 広島