気の向くままに2

その日の気分で、思いついたことを書いていきます。

最近読んだ本は

2008-02-06 20:54:50 | yaplogから

ようやく本を読む時間と精神の余裕が出てきました。

一冊目は奥田英朗さんの131回(2004年)直木賞受賞作『空中ブランコ』です。
まるで子供のような好奇心に溢れた
巨漢の精神科医伊良部一郎のところに訪れる
5人の神経症患者の物語です。

どの短編も自分にも思い当たるところがあって、
くすくす笑えるものでしたが、
特に尖端恐怖症のヤクザ猪野誠司の話「ハリネズミ」は傑作。
大笑いしてしまった。
伊良部先生と巨乳の看護婦マユミちゃんとのコンビの妙が冴えていました。

TAが『イン・ザ・プール』を面白かったと書いていたので、
そっちも読もうかな。

2冊目は角田光代さんの『薄闇シルエット』。
37歳独身のハナと言う女性の不器用な生き方が、
これも自分を見るようで結構痛かった。

3冊目はあさのあつこさんの『バッテリー』。
中学生になる春からの1年間の、
天才的なピッチャー「原田巧」を中心にした野球小説ですが、
スポ根物でないところが気に入りました。

自信過剰とも思える巧が、
周囲の人々との触れ合いの中で少しずつ人間として成長していくお話です。
彼の球を受けることを喜びとするキャッチャー永倉豪が、
おおらかな中にも人を包み込む人柄で大好きです。