上海バンスキング
3月10日 シアター・コクーンにて
作 斎藤憐 演出 串田和美
正岡まどか(マドンナ) 吉田日出子
波多野四郎 串田和美
松本亘(バクマツ) 笹野高史
林珠麗(リリー) さつき里香
弘田真造 小日向文世
白田中尉 大森博史
ガチャンコ・ラリー 真那古敬二
【あらすじ】
1930年代の上海・フランス租界。
横浜からフランスに行く船から、ひと組の若夫婦がこの地に降り立った。
波多野四郎はお嬢さん育ちの妻・まどかを、パリへの新婚旅行と称して日本から連れ出し、
ジャズの盛んなこの上海に定住してしまおうと企んでいる。
しかし音楽を捨てたフリをしている四郎のことを、まどかはとっくに見抜いているのであった。
そして四郎の友人であるトランペッター・バクマツをマフィアから救うために、成り行き的に夫妻は上海のステージに立つことになるのだが…
伝説の音楽劇が十数年ぶりに復活するとの話を聞いたのは昨年のこと。
メガヒヨはこの作品については、昔テレビCMで流れていた「月の光が~♪」のメロディ位しか知らないけれど、大変興味をかき立てられ観に行きたいなぁと思っていた。
そこでイープラスでの先行予約に申し込んだのだけど、あえなく抽選に撃沈してしまった。
一般発売日にも頑張ってはみたけれど、メガヒヨの希望する土日はどの日も瞬殺完売であった。
しかしそこまでチケットが手に入りにくいと、ますます観たい気分が湧いてくる。
なんとか平日昼公演のチケットを入手し、会社を休んでこの度観に行ってみた。
当日のシアター・コクーンはもちろん満員御礼。
立ち見の人までいる。
客席を見渡すと、意外に男性が多い。
40~50代と見受けられる方が多いので、お仕事を休んで来たのかな?
きっと自由劇場の昔ながらのファンなのね。
平日の劇場というと99%は女性なので、この光景には少々驚いた。
定刻より少々遅れて開演。
客席通路で笹野さんが吹くトランペットの音で幕が開ける。
笹野さんの髪型は、この時点ではナチュラルなまま。
このまま若者を演じるのかと思いきや、バクマツとしての登場シーンはしっかりヅラをかぶってた。
しきりに撫でつけていて、客席の笑いを誘っていた。
ここ最近はおじいさん役の多い笹野さん。
この舞台では「若者」になっていた。
飄々とした演じ振りで、こちらも目にフィルターがかかり青年として見えてしまう。
ところでこの作品を見て、この方が急きょ「ミス・サイゴン」のエンジニアにキャスティングされたのかがよく分かった。
まどか役の吉田日出子さんは初めて拝見したのだけど、声と話し方に驚いた。
昔、姫様と言われた方々はこんな感じに話していたのかな?
「おっとり」なんてレベルではない位。
しかしこの声、なんか聞いてて病みつきになってしまうのである。
初登場のシーンでは、イラっとくるというか正直ちょっと拒否感があったのだけど、
休憩時間が来る頃にはすっかり馴染み、まどかに感情移入してしまっていた。
キャラクターもいいのだろうね。
温室育ちの様に見えても芯があるところとか。
主演の波多野四郎役の串田和美さんも初めて。
身勝手を尽くしながらも、音楽にひたすら憧憬し続ける姿を演じていた。
芸術に秀でた人が身を滅ぼす話はよく聞くけれど、四郎という役を通して見てそのプロセスがよく分かった。
シーンの切り替えごとに「上海に来て○年」というセリフがあるけれど、まどかに対する後ろめたさも伝わり、観ていて何とも複雑な感じがした。
ラストは決してハッピー・エンドではない。
だけど廃人となった四郎を見守り、かつての音楽を愛し続けるまどかの姿は、多くの男性にとって理想そのものなのだろうなと思った。
この舞台はリピーターがほとんどと聞くけれど、実際に見てみてその理由がよく分かった。
ところでメガヒヨが観に行った当日は、NHKの撮影クルーが来ていた。
何やらメイキング番組を放送するとのこと。
舞台中継を期待していたので少々がっかり。
でもロビーでの送り出しまで収録していたので、それなりに充実した内容になりそう。
オンエアが楽しみである。
3月10日 シアター・コクーンにて
作 斎藤憐 演出 串田和美
正岡まどか(マドンナ) 吉田日出子
波多野四郎 串田和美
松本亘(バクマツ) 笹野高史
林珠麗(リリー) さつき里香
弘田真造 小日向文世
白田中尉 大森博史
ガチャンコ・ラリー 真那古敬二
【あらすじ】
1930年代の上海・フランス租界。
横浜からフランスに行く船から、ひと組の若夫婦がこの地に降り立った。
波多野四郎はお嬢さん育ちの妻・まどかを、パリへの新婚旅行と称して日本から連れ出し、
ジャズの盛んなこの上海に定住してしまおうと企んでいる。
しかし音楽を捨てたフリをしている四郎のことを、まどかはとっくに見抜いているのであった。
そして四郎の友人であるトランペッター・バクマツをマフィアから救うために、成り行き的に夫妻は上海のステージに立つことになるのだが…
伝説の音楽劇が十数年ぶりに復活するとの話を聞いたのは昨年のこと。
メガヒヨはこの作品については、昔テレビCMで流れていた「月の光が~♪」のメロディ位しか知らないけれど、大変興味をかき立てられ観に行きたいなぁと思っていた。
そこでイープラスでの先行予約に申し込んだのだけど、あえなく抽選に撃沈してしまった。
一般発売日にも頑張ってはみたけれど、メガヒヨの希望する土日はどの日も瞬殺完売であった。
しかしそこまでチケットが手に入りにくいと、ますます観たい気分が湧いてくる。
なんとか平日昼公演のチケットを入手し、会社を休んでこの度観に行ってみた。
当日のシアター・コクーンはもちろん満員御礼。
立ち見の人までいる。
客席を見渡すと、意外に男性が多い。
40~50代と見受けられる方が多いので、お仕事を休んで来たのかな?
きっと自由劇場の昔ながらのファンなのね。
平日の劇場というと99%は女性なので、この光景には少々驚いた。
定刻より少々遅れて開演。
客席通路で笹野さんが吹くトランペットの音で幕が開ける。
笹野さんの髪型は、この時点ではナチュラルなまま。
このまま若者を演じるのかと思いきや、バクマツとしての登場シーンはしっかりヅラをかぶってた。
しきりに撫でつけていて、客席の笑いを誘っていた。
ここ最近はおじいさん役の多い笹野さん。
この舞台では「若者」になっていた。
飄々とした演じ振りで、こちらも目にフィルターがかかり青年として見えてしまう。
ところでこの作品を見て、この方が急きょ「ミス・サイゴン」のエンジニアにキャスティングされたのかがよく分かった。
まどか役の吉田日出子さんは初めて拝見したのだけど、声と話し方に驚いた。
昔、姫様と言われた方々はこんな感じに話していたのかな?
「おっとり」なんてレベルではない位。
しかしこの声、なんか聞いてて病みつきになってしまうのである。
初登場のシーンでは、イラっとくるというか正直ちょっと拒否感があったのだけど、
休憩時間が来る頃にはすっかり馴染み、まどかに感情移入してしまっていた。
キャラクターもいいのだろうね。
温室育ちの様に見えても芯があるところとか。
主演の波多野四郎役の串田和美さんも初めて。
身勝手を尽くしながらも、音楽にひたすら憧憬し続ける姿を演じていた。
芸術に秀でた人が身を滅ぼす話はよく聞くけれど、四郎という役を通して見てそのプロセスがよく分かった。
シーンの切り替えごとに「上海に来て○年」というセリフがあるけれど、まどかに対する後ろめたさも伝わり、観ていて何とも複雑な感じがした。
ラストは決してハッピー・エンドではない。
だけど廃人となった四郎を見守り、かつての音楽を愛し続けるまどかの姿は、多くの男性にとって理想そのものなのだろうなと思った。
この舞台はリピーターがほとんどと聞くけれど、実際に見てみてその理由がよく分かった。
ところでメガヒヨが観に行った当日は、NHKの撮影クルーが来ていた。
何やらメイキング番組を放送するとのこと。
舞台中継を期待していたので少々がっかり。
でもロビーでの送り出しまで収録していたので、それなりに充実した内容になりそう。
オンエアが楽しみである。