果ては旅寝と!
令和3年4月8日(木)
しにもせぬ
旅寝の果よ
秋の暮
いざ旅に出ようとした時に、
旅寝の果てに野ざらしの死に
出合うかも知れないと思ったが、
出かけてみると、旅路はどんどん進み、
暮秋にも死なないで元気である。
これなら、まだまだ死にはしない
という安心があって、生気を
取り戻す。
貞享元年作
「果て」と「暮れ」の
呼応も効果有り。
初句は、
死よしなむ
浮き身の果は
穐の暮
「死よしなむ」よりも
「しにもせぬ」のほうが
俳句の面白みがある。
「浮き身」より「旅寝」の方が
死を笑う俳諧師の妙技が
明白に表現されている。