貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

果ては旅寝と!

2021-04-08 16:03:43 | 日記

果ては旅寝と!

令和3年4月8日(木)

しにもせぬ 

  旅寝の果よ 

    秋の暮

   いざ旅に出ようとした時に、

旅寝の果てに野ざらしの死に

出合うかも知れないと思ったが、

出かけてみると、旅路はどんどん進み、

暮秋にも死なないで元気である。

 これなら、まだまだ死にはしない

という安心があって、生気を

取り戻す。 

 貞享元年作

 「果て」と「暮れ」の

呼応も効果有り。

  初句は、

 死よしなむ 

  浮き身の果は 

      穐の暮

   「死よしなむ」よりも

「しにもせぬ」のほうが

俳句の面白みがある。

 「浮き身」より「旅寝」の方が

死を笑う俳諧師の妙技が

明白に表現されている。