貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

まさに俳句の傀儡子!

2021-04-12 15:46:18 | 日記

まさに俳句の傀儡子!

令和3年4月12日(月)

初句は、

さむき田や 

  馬上にすくむ 

     影法師

 寒いので、馬に乗ってさっさと

通り過ぎてしまえと思ったのだが、

歩くより馬上の方が寒風を受けて、

しまったと思う主人公を描いて

いるのか。

 しかし、「すくむ」だけではない。

凍り付く寒さなのだ。

 やり直し!

冬の田の 

  馬上にすくむ 

      影法師

 「さむき田」を「冬の田」に直す。 

 「すくむ」ではこの凍り付く寒さを

言い当てていない。柔らかい感じだ。

 馬上に凍り付いている自分、

陰になって地上に張り付いた自分が

馬上の自分を見ている構図だ。

 寒さは馬上と地上とで二重になった。

 寒さという感覚だけでも、

これだけの苦心をしているのだ。

それをやり遂げた芭蕉はまさしく

俳句の傀儡子。

 そして、修正句。

すくみ行や 

  馬上に氷る 

     影法師

 さっきよりはずっと良いが

もっと凄まじい表現はないか。

 更に苦慮する。

 つづく。