いもの神?
令和3年4月21日(水)
月に名を
包みかねてや
いもの神
元禄二年作。
いもの神?
「いもの神」とは、
「疱瘡(いも) 」(天然痘)の神。
湯尾峠の茶屋で、疱瘡除けの
お守りが売られていた。
これに、「芋名月」の「芋」を掛けた。
「芋→名月→はしか」
『類船集』に、茶屋に「いもの神」の札が
掛けてあるのに興じ、掛詞に興じた句、
とある。
福井県南条郡湯尾には、痘瘡の神様が
祠ってある。
峠には茶屋が二軒ある。
痘瘡のお守りを売っていた。
痘瘡に罹ると、顔にぶつぶつのが
残るので、女性は特にこの病気を
嫌っていた。
丁度峠に来たときに、
月が皎々と照って、
昼のように明るかった。
だから、痘痕のぶつぶつを治す神様も、
お守りの霊験が効かず困っている
だろうという。
ちょっとふざけているようで、
なお過去の闇を照らす月の明るさを
鮮やかに表現している。