未来の月の句
令和3年4月20日(火)
あすの月
雨占なはん
ひなが岳
明日の名月が、雨か、晴れか、
日永嶽の様子で占ってみよう。の意。
元禄二年作。
福井県の武生(たけみ)の近くにある
日野山を「比那が岳」という。
その山の上に月が昇っている。
その月の具合で天気を予言できると
いう言い伝えがある。
青梅では、大岳山(おおたけさん)に
雲がかかると雨が降るという言い伝えが
あるが、昇る月で天気を予言するという。
芭蕉は14日の月を見ていたらしく、
明日の満月の時の天気を気にして
いるのだ。
明日の天気を予測してくれる比那が岳
に全てを一任している神頼みの心は、
月を美しくもし、見えぬ闇ともする。
つまり、明暗に動揺する
未来の月の句であると、師匠は言う。