貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

未来の月の句

2021-04-20 15:42:49 | 日記

未来の月の句

令和3年4月20日(火)

あすの月 

  雨占なはん 

    ひなが岳

   明日の名月が、雨か、晴れか、

日永嶽の様子で占ってみよう。の意。

 元禄二年作。

 福井県の武生(たけみ)の近くにある

日野山を「比那が岳」という。

 その山の上に月が昇っている。

 その月の具合で天気を予言できると

いう言い伝えがある。

 青梅では、大岳山(おおたけさん)に

雲がかかると雨が降るという言い伝えが

あるが、昇る月で天気を予言するという。

 芭蕉は14日の月を見ていたらしく、

明日の満月の時の天気を気にして

いるのだ。

 明日の天気を予測してくれる比那が岳

に全てを一任している神頼みの心は、

月を美しくもし、見えぬ闇ともする。

 つまり、明暗に動揺する

未来の月の句であると、師匠は言う。