貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

悲しげな月

2021-04-22 15:51:07 | 日記

悲しげな月

令和3年4月22日(木)

義仲の 

  寝覚の山か 

    月悲し

   義仲の一夜半の寝覚めに

月を眺めた山が此処かと思えば、

月も悲しげな感じであるの意。

 元禄二年作。

 前書きに「燧が城(ひうちがじょう)」とある。

 木曾義仲が籠もり、平家に攻められた

古戦場である。

 義経や義仲に対する芭蕉の愛着は並々でない。

 特に、木曾義仲は、近江の義仲寺にある

義仲塚の傍に、自分の遺骸を葬るよう、

生前遺言していたほど。

 福井から敦賀に向かう途中にある山を

燧山と言い、その山にあった城は、

木曾義仲が平維盛の軍勢に敗れた所。

 ここは、今は廃墟になっているが、

かつてここで城に立てこもっていた義仲は、

真夜中に目覚めて、月を見て

何を思ったであろう。

 如何にも悲しげな月であったろう。

 歴史を思い感慨に耽っているのが、

芭蕉である。

 義仲寺の芭蕉の墓