雨の夜と下弦の月

毎日を静かに、穏やかに生きていきたいと思う日々。
そのわりにはジタバタと暮らすワタクシの毎日を綴っております。

水は低きに流れ…。

2010-01-17 10:20:44 | tv&movie
昨夜、ワタクシが唯一必死こいて追いかけているアニメ「攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG」のメインテーマである「個別の11人事件」だけを抜粋して編集したものを見ておりました。全26回のアニメを3時間ぐらいにまとめてあるので、それでも長いといえば長いのですが、攻殻機動隊2nd GIGのエッセンスだけは分かるかなぁという感じでした。ワタクシ自身は全26回をすでに3,4回は見ているのですが、それでもやっぱり、タチコマたちが「手のひらを太陽に」を歌いながら核爆弾に突入していくシーンではボロボロ泣いてしまいました。っていうか、号泣に近いものがありました。3,4回は見ているのに、そのたびに泣かされてしまうというのは、すごいことだなぁと思います。そのあたりになると神山健治監督自身が脚本を書いたと聞きました。映画の押井守監督もすごいとは思いますが、TVアニメ版の神山監督もすごい人ではありますね。早く、続編3rd GIGを是非とも作っていただきたいものです。

前にもこのブログで書いたことがありますが、この「攻殻機動隊」シリーズは、映画でもTVアニメでも決してお子ちゃまを対象にして作っているシロモノではありません。ワタクシもそれぞれを3,4回は必ず見ていますが、そのくらい見ないと何を言いたいのかが分からない仕組みになっております。頭のいい方には分かるのかもしれないけれど、少なくともワタクシのような凡人には分からない。昨夜久しぶりに「個別の11人」を見て、神山監督は「水は低きに流れ、人の心もまた低きに流れる」ということを言いたかったのではないかと思い当たりました。この台詞は孤高のテロリスト・クゼが、難民を救おうとする計画が頓挫しそうになっている最中に語ります。結局、群集は誰かの口当たりのいい言葉に踊らされ、自分でモノを考えることを放棄してしまうものなのだと。よく考えると、これってまさしく今の日本国に対する警鐘ではないでしょうか。物語の中では、クゼの計画も、クゼが考えていた「革命」も結局は頓挫してしまいます。でも、この「水は低きに流れ、人の心もまた低きに流れる」という言葉は結構ずしりと心に残ります。興味のある方は、是非レンタルビデオ店で借りてみてくださいませ。