雨の夜と下弦の月

毎日を静かに、穏やかに生きていきたいと思う日々。
そのわりにはジタバタと暮らすワタクシの毎日を綴っております。

サヨナライツカ。

2010-01-26 20:46:15 | books&magazine
中山美穂の12年ぶりの主演映画ということでかなり話題になっておりますが、原作は彼女のご主人でもある辻仁成の手になるラブストーリーです。映画を見ようとはあまり思っていないし、辻仁成という作家もあまり得意ではないのですが、この原作だけはすらすら読めた記憶があります。もともと、そんなにラブストーリーを読むほうではないので、男性・女性作家を問わずラブストーリーは敬遠してきたのですが。たぶん、この原作は女性にとってはおとぎ話のようなものではないかと思うのです。だから、タイ・バンコクのマンダリン・オリエンタルのスィートルームで主な話が進む場所という設定になっているわけで。1975年当時、そんなところに住めるような日本人女性がいたという設定自体が、今の日本人女性にとっても夢のようなお話なのです。彼はエリートサラリーマン、彼女はスィートルームに暮らす謎の女性。この設定だけでも、憧れる人は多いだろうと思います。

彼には婚約者がいて、もうすぐバンコクにやってくる。もちろん、彼も彼女を愛してしまうのだけど、最終的には婚約者を選ぶことになる。あるいは、そう仕向けたのは彼女なのかもしれないけれど。それから25年後、彼女が不治の病で亡くなろうとする直前に彼と再会するわけです。お互いに、ずっと忘れることはできなかった…というのは、やっぱり女性にとってはおとぎ話なのではないかと。辻仁成はこの「サヨナライツカ」と江國香織との共著「冷静と情熱のあいだ」しか読んだことがないので、他の本はもっと違うのかもしれませんが、少なくともこの2編のラブストーリーはかなり甘いので、個人的感想をいうと読んだあとは結構胃にもたれると思います。映画の中山美穂がとてもきれいだというのがもっぱらの評判なので、中山美穂のファンの方にはいいのかもしれませんね。ちなみに、以前日本人監督で撮ろうとした計画が頓挫し、今回は韓国人監督がメガホンを取っているようです。韓国人監督が日本語の映画を撮るのは大変だっただろうなぁと思ってしまいました。映画は、ケーブルTVに回ってきたら見るかもしれませんが、劇場には行かないだろうなぁ。