10月も半ばを過ぎまして、プロ野球も大詰めです。マリーンズのゲーム、負けてばかりなので、先日普段はほとんど見ないセリーグのゲームを見ました。東京ドームの巨人阪神戦。二試合続けて阪神の逆転負けでした。その最後の試合、1-1から九回裏に高橋由伸のサヨナラHRでました。榎田が外角低めのスライダーが真ん中高めに入って、高橋が若干腰が引けて最後は片手でのスイング。これでもHR、入るんですねえ。びっくりしました。なんせ、今シーズン、40本くらいしかHRを打っていないマリーンスを見ていると、こんなに簡単にHRが打てるのか!。高橋の天才たる所以が、ドームの怪奇が、うーん、すごいです。
ということで、今回はマーラー。ハイティンクが2010年まで首席指揮者だったシカゴ響との演奏。交響曲第6番イ短調『悲劇的』です。いまや押しも押されぬ巨匠、現役指揮者の最高峰とまで言われるベルナルと・ハイティンク。シカゴ響とのマーラー、CSO-RESOUNDからいくつかライブででいます。今のところ1・2・3・6番と発売されています。でも2010年でシカゴ響の任はリッカルド・ムーティに交代されますので、これで終わりでしょうかね。BPOとのマーラーも7番までで終わり、シカゴ響とも…。まあ、いろいろと訳ありなんでしょうが、残念ですねえ。この演奏は、2007年10月18、19、20、23日にシカゴのシンフォニーセンター、オーケストラ・ホールでのライブ録音です。
このCDは、SACDのハイブリッド盤なんですが、これには通常CDのステレオ音声のほか、SACDのステレオ音声、SACDのマルチチャンネル音声という3つの音声が収録されています。私のCDプレーヤーではなぜか総べて聴くことができず、自室のBOSEのでは通常CDのステレオ音声は聴けます。是非、SACD対応のプレーヤーが欲しいのですが…。ただ、通常の音声でも、一般のCDとはいい音がするのでそれなりに満足しています。最近、いろんな上質のCDが開発されて、音質の向上が期待できることは有り難いです。その恩恵に預かれるようにしないといけませんねえ。
そして、この演奏ですが、長いです。25:56、14:23、16:12、34:10、合計90:41とまあ、かなりであります。ちなみにBPOとの演奏は、82分ほどですので8分も遅い。聴いていても確かにテンポはゆっくり。それでシカゴ響の各楽器を存分に歌わせてくれています。過剰な感情移入や、誇張した表現などはほとんどなし。ゆったりとしたテンポでスケールは限りなく大きく、楽譜に書いてあることを確実に再現。無色透明で気宇壮大なマーラーがここでは聴くことができます。シカゴ響の腕力は凄まじく、ほぼ完璧な音響を聴かせてくれます。たとえば情念が満ち満ちたマーラーはここには全く存在しません。それがいいのか悪いのかは、聴き手の判断するところでしょう。ただ、時には映画音楽のように聞こえるところもありますが…。第1楽章、行進曲風の第1主題も意外とあっさり。またアルマの主題もそれほどの感情的ではない。しかし、低音に響きが管弦ともにダイナミックで、ゆったりとしたテンポで一滴の漏れのないような演奏を展開してくれ、終結部はたいそう明るい印象をもつ。第2楽章スケルツォ。金管の色彩美と弦の響きが存分に楽しめるが、ここでもおどろおどろしい様子は見られない。しかし、オケは実にいいです。そして第3楽章、ここも美しい楽章で、私は好きなのです。シカゴ響も音色は惚れ惚れするのです。反面、うねるような情感や気だるいような美しさはあまり感じられないところが気になります。しかし、最後には夕映えのような美しさが満喫できます。いよいよ終楽章。やはりここがこの曲の最大の聴かせどころですねえ。ハイティンク、ここでも超美的な演奏、圧倒的なシカゴ響の前にひれ伏すしかないようです。充実した演奏です。ただ、ハンマーの一撃もそれらしく聞こえない。「運命の一撃」という印象も希薄で、全体的に緊迫感や何者かの追い立てられるようなところとが聞こえません。しかし、各楽器のソロなどは実に見事でほんとに聴かせてくれますね。全体的には、オケからこれほどの音色を引き出して、それを見事にまとめ上げるところは、まさに巨匠の音楽でしょうか。
しかし、このジャケットの絵は一体何なんでしょうか。英語の解説がついてますが、英語を読む気にもならないので…。右の方には人の顔が描かれているのですかねえ。よくわかりませんねえ。
(Cso Resound CSOR901807 2008年 輸入盤)
ということで、今回はマーラー。ハイティンクが2010年まで首席指揮者だったシカゴ響との演奏。交響曲第6番イ短調『悲劇的』です。いまや押しも押されぬ巨匠、現役指揮者の最高峰とまで言われるベルナルと・ハイティンク。シカゴ響とのマーラー、CSO-RESOUNDからいくつかライブででいます。今のところ1・2・3・6番と発売されています。でも2010年でシカゴ響の任はリッカルド・ムーティに交代されますので、これで終わりでしょうかね。BPOとのマーラーも7番までで終わり、シカゴ響とも…。まあ、いろいろと訳ありなんでしょうが、残念ですねえ。この演奏は、2007年10月18、19、20、23日にシカゴのシンフォニーセンター、オーケストラ・ホールでのライブ録音です。
このCDは、SACDのハイブリッド盤なんですが、これには通常CDのステレオ音声のほか、SACDのステレオ音声、SACDのマルチチャンネル音声という3つの音声が収録されています。私のCDプレーヤーではなぜか総べて聴くことができず、自室のBOSEのでは通常CDのステレオ音声は聴けます。是非、SACD対応のプレーヤーが欲しいのですが…。ただ、通常の音声でも、一般のCDとはいい音がするのでそれなりに満足しています。最近、いろんな上質のCDが開発されて、音質の向上が期待できることは有り難いです。その恩恵に預かれるようにしないといけませんねえ。
そして、この演奏ですが、長いです。25:56、14:23、16:12、34:10、合計90:41とまあ、かなりであります。ちなみにBPOとの演奏は、82分ほどですので8分も遅い。聴いていても確かにテンポはゆっくり。それでシカゴ響の各楽器を存分に歌わせてくれています。過剰な感情移入や、誇張した表現などはほとんどなし。ゆったりとしたテンポでスケールは限りなく大きく、楽譜に書いてあることを確実に再現。無色透明で気宇壮大なマーラーがここでは聴くことができます。シカゴ響の腕力は凄まじく、ほぼ完璧な音響を聴かせてくれます。たとえば情念が満ち満ちたマーラーはここには全く存在しません。それがいいのか悪いのかは、聴き手の判断するところでしょう。ただ、時には映画音楽のように聞こえるところもありますが…。第1楽章、行進曲風の第1主題も意外とあっさり。またアルマの主題もそれほどの感情的ではない。しかし、低音に響きが管弦ともにダイナミックで、ゆったりとしたテンポで一滴の漏れのないような演奏を展開してくれ、終結部はたいそう明るい印象をもつ。第2楽章スケルツォ。金管の色彩美と弦の響きが存分に楽しめるが、ここでもおどろおどろしい様子は見られない。しかし、オケは実にいいです。そして第3楽章、ここも美しい楽章で、私は好きなのです。シカゴ響も音色は惚れ惚れするのです。反面、うねるような情感や気だるいような美しさはあまり感じられないところが気になります。しかし、最後には夕映えのような美しさが満喫できます。いよいよ終楽章。やはりここがこの曲の最大の聴かせどころですねえ。ハイティンク、ここでも超美的な演奏、圧倒的なシカゴ響の前にひれ伏すしかないようです。充実した演奏です。ただ、ハンマーの一撃もそれらしく聞こえない。「運命の一撃」という印象も希薄で、全体的に緊迫感や何者かの追い立てられるようなところとが聞こえません。しかし、各楽器のソロなどは実に見事でほんとに聴かせてくれますね。全体的には、オケからこれほどの音色を引き出して、それを見事にまとめ上げるところは、まさに巨匠の音楽でしょうか。
しかし、このジャケットの絵は一体何なんでしょうか。英語の解説がついてますが、英語を読む気にもならないので…。右の方には人の顔が描かれているのですかねえ。よくわかりませんねえ。
(Cso Resound CSOR901807 2008年 輸入盤)
あたしは、ハイティンクは、LPで英雄の生涯ぐらいしか、持っていませんでした。そして、評論家諸先生の「正攻法だけ」などという言説にまどわされて、あまり聴いて来ませんでした。
全くの怠慢だったと思います。
マーラー4番の演奏を聴いて、そのニュアンス豊かな歌いっぷりに打たれました。「正攻法で、気品があって、ニュアンス豊かで」本当に素晴らしい。
ありがとうございます。