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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

セミヨン・ビシュコフについて

2019年10月13日 14時40分51秒 | R・シュトラウス
台風19号が襲来。関西では、幸いにも12日の昼前後に雨風がきつかった、くらいでしたが、東日本では甚大な被害。12日の夜は河川の堤防決壊と氾濫情報ばかりでした。15号は風、今回は雨台風でしたねえ。13日になり報道で各地の惨状がわかりました。千曲川を筆頭に甚大な被害。気象庁は「これまで経験したことのない云々」とよく言いますが、最初は斬新な表現と思いましたが、たびたび聞くと、非常に抽象的。不明なことが多いのでしょうが、もう少し具体的かつ的確な表現が欲しい気持ちになりました。被災された方々に心より見舞い申し上げます。

そんな状況ですが、今回はRシュトラウス。久々ですね。2012年11月以来。その間はほとんど聴かなかったんでしょうかねえ。確かに聴いていないかなあ。まあ、それはさておき、今回は、交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』作品30。演奏はセミヨン・ビシュコフ指揮のPO。1989年9月ロンドンでの録音です。

ビシュコフは、1980年代後半から1990年台にかけてかなり名前をよく聞きました。1952年ロシアで生まれ、パリ管やケルン放響の、現在はチェコPOの音楽監督。この人の演奏は、ほとんど聴いたことがなかったのですが、以前に先輩からいただいた膨大なDATに、この人の1998年のケルン放響との来日公演の録音があり(音源はNHK-FM)、それを聴きました。マーラーの5番、ブラームスの4番、ベートーヴェンの英雄、Rシュトラウスの英雄の生涯などなど。なかなかいいな、と思い、調べると最近ではチャイコやブラームスの全集やローエングリンがありました。また、これまでPhilipsに録音したいたものを集めた21枚組のBOXもDECCAから出ており、これを早速購入しました。その中には実に様々な演奏があるのですが、その中から、このRシュトラウスであります。

そんなわけで、ビシュコフの演奏であります。まあ、一言で言うなら、オケを存分に鳴らして、まあ豪快でかつスケールの大きな響きの演奏、でしょうか。この曲、私はテンシュテットのものが一番好きなのですが、それほど内面的でもなく、カラヤン流の豪華な響きでもなく、とにかく、現代のオケの機能を駆使して、大迫力の「爆演」であります。ただ、豪華絢爛だけではなく、また、あっさりと軽く、でも決してなく、細部のねちっこさや心情の描写など、けっこう繊細なところもビシバシと感じられ、こがれまたいいのでありました。まあ、もともとなんだかよくわからない、と言ったらいかんのでしょうが、でもそんなところがある曲ですが、局面局面に応じてのそれぞれの曲の特徴やよさが存分に楽しめるのでありました。

ます、①導入。金管がうるさいくらいに鳴り、ティンパニが爆打。もう最大の音量が鳴り響く。これは凄い。②現世に背を向ける人々について。一転して弦がゆったりしたテンポでの多少明るいがすすり泣くように旋律を歌う。③大いなるあこがれについて、次曲の前座のようでもあるが、冒頭の自然の動機が響く。そして④喜びと情熱について。分厚い管弦楽が高らかに二つの動機を歌い上げる。この分厚さは心地よい響きであります。⑤墓場の歌。④の同じ動機だが、ここでも大きく歌い上げるところの爽快感。⑥学問について、三つの動機がうごめくが、木管がいい音で活躍、⑦病より癒え行く者。この部分の演奏が私は非常に重要と思う。特に管弦楽の使い方の妙技がどこまで深く表現できるか、そこが難しいですねえ。⑧舞踏の歌。そんなことを思っていても、いつもここでそんなことどうでもいいか、と思う。弦によるワルツ。独奏も心地よく歌う。さまざまな動機が入り乱れ、壮大な管弦楽が高らかな演奏に酔う。華やかなオケの表現はRシュトラウスの真骨頂。ビシュコフもそれをスケール大きく歌う。⑨夜のさすらい人の歌。 ⑧までの余韻のように、各楽器が小声でささやく。POの締まった響きであります。この曲は、ビシュコフの演奏にたいそう合っているようであります。

しかし、まさに地球温暖化の影響以外、何者でもない台風の猛威であります。温暖化については、本腰を入れないと、どうしようもないですねえ。実に困ったことです。
(DECCA 4826331 2016年 輸入盤)

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2 コメント

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Unknown (クレモナ)
2019-10-17 21:56:43
このところ、めっきり涼しくなってきました。音楽を聴くのには、良い季節といえますね。
さて、ビシュコフのR・シュトラウスですか。出てくる音が、何か想像できますね。恐らく、豪快な演奏かと、思います。彼の指揮したものとしては、パリ管との、幻想交響曲、BPOとの、くるみ割り人形のCDを、持っています。私は、くるみ割り人形が、大好きで、しかも、全曲盤が、好みなのです。BPOが、全曲を録音、しかも、無名のビシュコフの指揮ということで、期待をもって購入しました。シンフォニックな演奏で、さすがBPOという演奏でしたが、ビシュコフの意志が、しっかり反映されたものでした。しかし、その後、あまり、大きな話題は無かったように、記憶しています。活躍して欲しい指揮者ですね。
ところで、台風19号ですが、日を追って、被害の甚大さが、浮き彫りになっていますね。台風というのは、他の災害に比べ、予報精度が高いので、ある程度は、防げるものですが、終わってみれば、「まさか、まさか、想定外」の、繰り返しです。当初は、台風15号に続き、また、千葉方面に上陸し、大変だろうな、ぐらいの、気持ちの人も多かったと、思いますが、東海から、東北まで広い地域に、被害をもたらしました。つまり、何処に住んでいても、これらの災害に出会うということです。そういう列島に、我々は住んでいるのです。幸いといっては、被災された方々に、申し訳ありませんが、千葉は、大きな被害はありませんでした。(一部、竜巻がありましたが)台風が来る前には、水などが、店頭から消えるほど売れていました。停電や、断水に備えたのです。災害にどう対応していくか、難しいテーマですね。
さて、ドラフトで注目の、佐々木君、ロッテが交渉権獲得となりましたね。来年の活躍が、楽しみですね。何とか、Aクラスに残って、CSを戦って欲しいです。
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コメント、感謝です。 (mikotomochi58)
2019-10-20 21:55:54
クレモナ 様。コメントありがとうございます。台風のこと、これからも毎年のようにこんな甚大な被害が起こることを想定していなければいけないとは、ほんとうに深刻ですね。一日も早い復興を祈るばかりです。また、ビシュコフ、これからも来日して演奏を聴かせて欲しいものですね。そして、マリーンズ、このところくじ運はいいようですが、なかなかドラフト1位の選手が主力選手に成長していないと言われています。佐々木くんもエースとなって欲しいですねえ。またご教示ください。
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