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岡山でベートーヴェンを聴く。

2017年10月09日 23時51分54秒 | ベートーヴェン
先週は、沖縄に4日間の出張でした。しかし、この時期の沖縄は実に、とろけるような暑さでございました。今回は伊江島に2日、今帰仁周辺に2日、本部と北谷あたりをうろうろとしておりました。美ら海水族館のイルカショーでは、『男はつらいよ ハイビスカスの花』を思い出し、そのちかくの沖縄郷土村では、琉球王国時代の村落のたくさんの再現が見れ、これが一番今回おもしろかったですね。しかし、仕事を離れて行ってみたのでありました。しかし、暑かった。

ということで、今回は昨日岡山で岡山フィルハーモニック管弦楽団の第54回定演を聴きに行きました。近年、ベートーヴェンの交響曲を取り上げ、3月には5・6番でしたが、これは仕事で行けませんでした。今回はなにが何でも、と思い、出張帰りの体にムチ打って出かけたのでありました。今回は第2番と第7番とブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番でした。3時の開演でしたが、いろいろあって、2分前に席にたどり着けました。めでたしめでたし。走りましたよ。走った。暑い日だったので、席についてから汗びっしょりでありました。

しかし、元来演奏会には出不精なためなんですが、私、ベートーヴェンの交響曲を生で聴いたのは、第7番(1973年のアバドVPO)と第9番(市民オケ)だけ。ブラームスやブルックナー、マーラーなどはそれなりにあるのですが、ベートーヴェンとなると…。お恥ずかしい限りです。それで今回、ベートーヴェンを聴きましたが、やはりベートーヴェンの曲は、凄いと実感しました。曲の構成が半端ではないし、複雑であり、その完成度がすごい、云々。

まず、ベートーヴェン交響曲第2番。この曲、私大好きなんですね。もちろん生で聴くのは初めて。期待度は高かったのです。序奏が始まって多少のズレがあり、多少不安がよぎりましたが、まったくの杞憂。管楽器の不安定もありましたが、それもまあ、ということで…。今回の席は前から2列目の向かって左ということで、オケのみなさんが身近で見えました。弦楽器が非常に良かった。前回もそう思ったこともあったのですが、今回は一層いい。中でも低弦の充実振りが目をひきました。全体的に非常に見通しの良い演奏であり、ベートーヴェンの先進性がわかるような気がしました。後半は気持ちものってきたようで、表情も豊かになりシェレンベルガーさんの気持ちがよく伝わっていくようでした。

次ぎにブルッフの協奏曲。ソリストとして青木尚佳さん。いやー青木さんのヴァイオリンよかったですね。澄んだ美しい音色にすっかり魅了されました。しっとりと腰のすわった演奏。ブルッフの曲のいいところがよく出ておりました。ヴァイオリンのよさが十分に感じられ、たいそう心地よい気分になりました。オケも少しリラックスして、よくサポートされてました。シェレンベルガーさんが、ここというときに青木さんにアイコンタクトと微笑みかける様子がよかったです。そして、アンコールで「この道」(山田耕筰)。これも絶品でした。涙が出そうな琴線にひびきました。でも、ベートーヴェンの2つの交響曲の間に、こんな曲があるのは気分を変えるにいいですね。2曲続くと、聴く方もしんどくなる。

そして、ベートーヴェン交響曲第7番。最初からシェレンベルガーさんとオケが一体となり、最初から全開。近年当たり前のようになった第1楽章の反復がないのが残念でしたが、実に堂々と深みのある音色が引き出されてました。ズンズンと前に進む快感でした。第2楽章では弦が非常にきれいな響き。主題が心に染み込む美しさでした。このあたりの旋律の歌わせ方はさすがのシェレンベルガーさんです。そして、後半の2楽章は、みなさん全力で乗りに乗った熱演。曲のよさや凄さや醍醐味がすべて伝わって、大満足の演奏になりました。管楽器も、打楽器も頑張る頑張る。まあ聴きばえのする曲ではありますが、心からよかったな、と思えるのでありました。

いやはや、本当に岡山でこんな素晴らしいベートーヴェンが聴けるとは、と思う演奏でありました。終わってその足で車で神戸に帰りましたが、非常に心地よい気持ちで車を運転したのでありました。加えて、前回の5・6番が聴けなかったことが後悔されました。次回の第9も行きたいですね。

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2 コメント

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コメント、ありがとうございます。 (mikotomochi58)
2017-10-10 23:01:50
ヒロノミンV 様、コメント感謝です。ほんとにご無沙汰いたしております。今回は、5・6番を聴きにいけなかったので、是非行こう!と強く思っていました。前回はブラームスの交響曲第2番とピアノ協奏曲第1番でした。これも非常に良かったので、かなりの期待をしていきましたが、予想に違わない演奏にほんとうに喜んでいます。本当に、岡山まで聴きに行く価値のあるある演奏だったと思います。次は、12月で忙しい頃ですが、なんとか都合をつけて、第9を聴きにいたいと思っております。今後とも、ご教示ください。
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第九も楽しみですね (ヒロノミンV)
2017-10-10 20:20:21
 こんばんは、ご無沙汰しています。
 シェレンベルガーさんが首席指揮者に就任してから5年目、聴くたびに岡山フィルのアンサンブルが充実していると思います。
 今回は、楽団史上初めての首席コンサートマスターの就任記念の演奏会でもありました。40年近くドイツの歌劇場やオーケストラのコンマスを経験した方で、就任後初めての定演から早くも、ドイツ式の堅牢なアンサンブルを聴けて、今後がますます楽しみになりました。
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